ウィル・オスプレイが掲げる“ユナイテッドエンパイア女子”について

ウィル・オスプレイのマニフェストについて考える。

第2代「IWGP世界ヘビー級王者」ウィル・オスプレイ選手。

「ニュージャパンカップカップ2021」の決勝で鷹木信悟選手ととてつもない試合をした後に、“神”となりベルトを統一した飯伏幸太選手を撃破。

己の中のモンスターを解き放った男が自身のユニットを結成後、はじめて新日本プロレスのタイトル獲得に成功したのだ。

ただし、“ユナイテッドエンパイア”は非常に立ち位置が難しいという見方もあった。

“ガイジン”のヒールユニットであれば、“バレットクラブ”があるし、ベビーフェイス寄りになれば“CHAOS”、ダークヒーロー路線では“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”と“鈴木軍”がいる。

ユニットの見え方は非常に大切だ。

ただ、そんなスタンスも今回のタイトルマッチで明確になりユニットの色が分かりやすくなった。

「IWGP世界ヘビー級選手権試合」でグレート-O-カーン選手、ジェフ・コブ選手、アーロン・ヘナーレ選手はセコンドに付いてこそいるが、反則・介入行為を行わない。見届けるだけ。

強面の男たちが揃って何もしないのは逆に不気味さを感じさせるほどだが...。

同盟者の“デュエル”を見守る。

決闘の結果によっては相手を蹂躙することも厭わないが、試合となれば別だ。

今後、対角線に立つ相手への抑止力にもなると思う。

介入はしないが、同盟を組んだ漢たちがリングを囲んでいる。

セコンドが多い試合は盛り上がる。昔の新日本プロレスの映像を見ると、セコンドの選手がやたらと多かった。

少しあの頃の雰囲気に憧れがあったので、“ユナイテッドエンパイア”のスタンスは正直嫌いじゃない。

さて、本題に入ろう。第2代「IWGP世界ヘビー級王者」ウィル・オスプレイ選手の一夜明け会見で語られたことについてだ。

 

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6つの提言

ウィル・オスプレイ選手は先日の記者会見で大きく6つの提言を行った。

  1. 「IWGP世界ヘビー級ベルト」を2本のベルトに戻すことはない
  2. “ユナイテッドエンパイア”と女子プロレスについて
  3. IWGPブリティッシュベルトへの改称を検討
  4. ドリュー・マッキンタイア選手との対戦要望
  5. 鷹木信悟選手とのタイトルマッチについて
  6. 自らが紡ぐ物語について

ここまでのマニュフェストを宣言したチャンピオンは近年を見てもそう多くなく、“ユナイテッドエンパイア”創設後に改めてどん底を見た経験から、彼に期待の声を寄せるファンの声も少なくない。

個人的に気になったのは、“ユナイテッドエンパイア女子”について。「IWGPブリティッシュ」は「IWGP USヘビー級」と同じ様な扱いになると思うのだが、いかんせんレボリューションプロレスリング側の状況がキャッチできていない。

今日は“ユナイテッドエンパイア女子”について触れてみる。

 

2年で状況は変わった

新日本プロレスの親会社であるブシロードがスターダムを買収したのは、2019年12月のこと。新日本プロレスの東京ドーム大会で“スターダム提供試合”がダークマッチとして組まれたりなど、ちょっとした絡みはあるが、ガッツリとした展開はまだなかった。

ここからスターダムに“ユナイテッドエンパイア女子”のユニットができる。あるいは、 “ユナイテッドエンパイア”にスターダムの女子レスラーが参戦する。

ウィル・オスプレイ選手にはこのプランが間違いなくある。

このUNITED EMPIREには、日本に来てから自分自身が積み上げたスターダムとの強固な関係性というものも縁深く考えている。なので、今後は“UNITED EMPIRE女子”というところも含めて、自分たちのユニットを広げていきたいと考えているが、女子プロレスがもっとスポットライトが当たるように、自分たちが手助けできればと思っている。しかし、まだ少し制限もあるだろうし、どのような動きになるのかというのは難しいところでもあるな。

出典:新日本プロレス

実際、2年前と比較してスターダムの話題を目にする機会が明らかに増えた。

ジュリア選手が髪切りマッチに負けた結果、メチャクチャカッコよくなったり、ビー・プレストリー選手がリングを去ったりと、以前であれば少し後くらいに知っていたかもしれない情報がほぼリアルタイムに入るようになってきている。

レッスルキングダムの中にスターダム提供試合が組み込まれるのはまだ難しいが、レッスルグランドスラムであればアリだと正直思う(ダークマッチではなく)。いや、そこまでこの2年で状況を変えたのだ。

その鍵を握るのが“ユナイテッドエンパイア女子”。一体誰が参戦してくるのだろうか。

 

お互いがお互いを思えれば

2021年4月8日。ウィル・オスプレイ選手のSNSでとても印象的な写真がポストされた。

ビー・プレストリー選手は女子プロレス団体「スターダム」を退団し、イギリスに戻ることが発表されていた。

鷹木信悟選手を倒したあと、最愛の彼女に対して、その場跳びのオス・カッターを見舞って別れを告げた。

一番欲しいのは「IWGP世界ヘビー級ベルト」なのだ。それを手に入れるためであれば、他のものは何もいらない。そんな気持ちで別れたはずだった。

ただ、この写真には「君さえいれば、ベルトなどいらない」その瞬間の感情が切り取られていたように思う。本来であれば、“ユナイテッドエンパイア女子”はビー・プレストリー選手を中心としたものになるに違いなかった。

そのために、ビー・プレストリー選手は新日本プロレスの会場にも登場していたのだ。だが、それが“今は”叶わなくなった。

2人の人生だ。外野ができることは祝福することくらいである。

2人の幸せを1人のプロレスファンとして願っている。

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