YOH「ジュニアに関して言うと、ベビーやヒールではない」に納得

YOH「ジュニアに関して言うと、ベビーやヒールではない」に納得しかない。

2021年4月9日に配信された「SHOのしびれない話」に“ロッポンギ3K”のYOH選手がゲスト出演した。

番組開始以降、度々パートナーであるYOH選手へのオファーを行なっていたが「出ない」の一点張り。

“ロッポンギ3K”ファンが諦めていた夢の共演がいよいよ実現した。

まずは、今回のポッドキャストを聴いた感想から。

「YOH選手はこの10ヶ月で変わった」だ。

正直、分かりやすくキャラクタライズされていないため、伝わりにくいと思う。

声のトーンや喋り方はそのまま。ただ、SNSをやめたり、アナログ思考になったことで、明らかに本質を見極め、考え、答えを出すタイプに変化をしている。

実際、番組内でも名言連発。今回の金丸義信選手&エル・デスペラード選手との前哨戦が無かった理由は、“ロッポンギ3K”は凱旋帰国の一発勝負で勝ったジングスを活かしたという。

また、「さぁ、突っ込め」と相手に心理的な揺さぶりも掛けていた。

返上した元王者がいきなりのタイトル挑戦。試合ができるコンディションなのに何故か前哨戦には出ない。

YOH選手の仕掛けは復帰した時点からはじまっていたのだ。

今日は新技やタイトルマッチの話ではなく、YOH選手が番組後半で語った印象的なテーマについて考えてみたい。

 

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ヒールターン待望論

YOH選手が復帰する上で、“ヒールターン待望論”が流れていたのは事実としてある。

“ロッポンギ3K”は2人じゃない方がいい。シングルで活躍するSHO選手をもっと見たい。YOH選手にはヒールの適正がある(棚橋弘至選手とDDTプロレスリングに上がった時など)。

ただ、YOH選手は“ロッポンギ3K”として帰ってくることを選んだ。

間違いなく、ヒールターンした方が勝敗を超えた話題は作ることができたし、“直近の展開”については刺激的なものになるのは間違いなかった。

“ユナイテッドエンパイア”入り。これがすぐに成果をだすのであれば、1番の選択肢だったように思う。

ただ、長く活躍する。新日本プロレスをより多くの人に届ける。自由に生きることを考えると、どうだろう。

本質思考になった彼に対して、僕たちもじっくり考えてみる必要があると思う。

まずは、“ユナイテッドエンパイア”加入について。“ガイジン”が中心のユニット。日本語のスポークスマンとしては、プロレス人生を謳歌しているグレート-O-カーン選手が存在している。

YOH選手は高橋ヒロム選手や鷹木信悟選手のように弁が立つタイプではない。

マイクで喋り倒して、常時SNSで話題を振りまいて...というキャラクターではないのだ。これは人間性的な意味で。

無理してキャラクターを演じてもハマらないのは、凱旋帰国当初のパリピ時代を見れば分かるはず。

恐らく“ユナイテッドエンパイア”に行った数年後を見据えて、選択肢から削ったのは間違いない。

あそこでは自分の個性を活かすことができない、と。

では、今の新日本プロレスで最もYOH選手の個性を発揮出来る場所はどこか。その答えが原点であり、よ頂点の“CHAOS”にあったのだ。

“CHAOS”の変化はまさにYOH選手が語っていたベビーもヒールも既に無いという指摘通りのものだ。

 

ヘビーよりもいい試合を

番組終盤。YOH選手は「ジュニアに関して言えば、ベビーやヒールではない。個々。ヘビーよりもいい試合をしようとお互いが高め合っている」と語った。

“ロッポンギ3K”が別れた方がいいという指摘に対しては意味が分からないとバッサリ。お互いがシングルプレイヤーであり、タッグパートナーとして新日本プロレスジュニアを盛り上げていけばいいのではないか、と。

(プロレスであり、ジュニアのブランドは)一人で作り上げるものではない。大切なのは個々だが、集合して力を発揮するものだと捉えている。

そのため、単純に悪側に回る選択を取る必要もなかった。

個々を見た時に現代はヒールやダークヒーローが人気の時代だ。

ただ、全員がそちらに回っては全体で盛り上げた時のバランスが悪くなる。

彼らの対角線にいる存在が必要なのだ。

とことんまでヒールをイラつかせるベビーフェイス。これもYOH選手の新しい魅力なのである。

 

いい違和感を生み出すこと

最後に。

先日、極楽とんぼの加藤浩次さんとサカナクションの山口一郎さんのラジオ「加藤さんと山口くん」で現代のブランディングについて語っていた。

山口一郎さん曰く、音楽を聴いていても明らかに現代人よりも70年代、80年代のミュージシャンの方が上手いらしい。

インターネットが普及する以前。技術を磨くだけなら、明らかに今の方が環境が整っているにも関わらずだ。

これは仮説だが、80点まで持っていくスピードは現代の方が明らかに早いと思う。ただ、そこから上の100点を目指すことに対して、昔の人々の方が明らかに時間を費やして、己に向き合っていた。

本質思考から生み出されたものは、インスタントに消費されるものではない。

「少し使ったら売る」そんな現代的なサイクルではなく、大切に自分の手元に置いておく。

古着やレコード。アンティークな価値を追求したものだけが、時代のボーダーを越えられるのだ。

昭和プロレス至上主義の方が愛しているのも、そんな時代を超えた魅力に今でも魅了されているからだろう。

また、同番組内では“違和感”についても語られていた。

現代のエンタメは特にユーザーに違和感を抱かせることが大切なのだという。

何か引っかかる。何故か目に止まってしまう。

人の心をに引っかかるのがまず大切なのだ、と。

YOH選手に対してSNSでは、とにかく賛否両論が多い。取り分け男性のプロレスファンから指摘がやたらと多い印象だ。

ただ、それも引っかかっているのだ。

本当にどうでもいいレスラーにいちいち細かいことを言うわけがないのである。

棚橋弘至選手がブーイングを浴びていた時代を経て、今では完全無欠の愛され人材になったように、YOH選手にもその可能性があると僕は思っている。

まずは、今日からはじまる新シリーズから。「Road to レスリングどんたく 2021」初日、横浜武道館大会を楽しみに待ちたい。

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