男色ディーノの「漫☆画太郎先生でいたい」に感動した話

男色ディーノの「漫☆画太郎先生でいたい」に感動した話

僕たちが普段応援している新日本プロレスは、他団体から見たらこんなにも大きな存在なのかと考えさせられる試合だった。

2021年4月11日、DDTプロレスリングが後楽園ホール大会を開催した。

メインイベントはDDTの至宝KO-D無差別級選手権試合。

3月28日のメインイベントで秋山準選手が樋口和貞選手を倒した後、その手でベルトを巻かせた事件から約2週間。

ジャイアント馬場さん自らがスカウトした“超新星”秋山準選手とDDTプロレスリングの“アイコン”である男色ディーノ選手が激突した。

まず、煽りVTRが熱い。ヤバい仕上がりになっていた。

林原めぐみさんがカバーした「翼をください」をバックにDDTプロレスリングの“アイコン”が掲げるアイデンティティが爆発。

DDTプロレスリングを漫画だと例え、叩き上げの雑誌にメジャーで活躍する一流作家がやってきたと秋山準選手を称える。

さらに自身を「珍遊記」。漫☆画太郎先生でありたいと続ける。

“王道”でも“本道”でも“邪道”でもなく、“ゲイ道”。

メジャーとは全く別の価値観の中でしか生きられなかった男がど真ん中を走ってきた男から指名され、男の文字が刻まれたガウンを纏い運命のリングに上がる。

エントランスミュージックは布袋寅泰さんの“スリル”。

スーパーササダンゴマシン選手を筆頭に集まるDDTの仲間たち。

感情を揺さぶられまくった結果、何故かこの気合いが入りまくった入場シーンを見ていて、涙が溢れてしまった。

 

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DDTとは何か 

普段、新日本プロレスしか見ていない方にDDTプロレスリングを説明するとしたら、どんな言葉が出てくるだろう。

これまでは、“文化系プロレス”といったネーミングが 使われていたが、秋山準選手の所属で状況が変わってきているようにも思う。

僕は、現在のDDTプロレスリングを形容するのであれば、“エモーショナルプロレス”だと思っている。

プロレスとは買った負けただけの世界ではない。いかにお客の感情を動かすか。実際は、ここに観客はお金を払っている。

全日本プロレスを退団後、本当に辛い想いがある中で、新天地にDDTプロレスリングを選んだ秋山準選手側で見れば、再起の場所。

“本道”から叩き上げの雑誌にやってきた一流作家はメジャーのものさしと価値観で、物事を捉える。

だからこそ、衝突する。相撲界からプロレス界にやってきた樋口和貞選手は本気で戦う、本気でふざける。ベクトルは違えど、リングに懸ける本気の気持ちを“DDTのDNA”だと表現した。

高木三四郎大社長も一緒になってリングを設営する。売店でグッズを売り、サインを書く。梱包もすれば、発送もする。

仲間と過ごした時間が生み出すエモーショナルさは、メジャーの新日本プロレスを応援していた僕にも届いた。DDTプロレスリングは面白い。

ひょっとすると、その場に集った観客の心を動かすという意味では、既に日本一の団体なのかもしれない。

樋口和貞選手の敗戦を受けて、次の挑戦者となった男色ディーノ選手。43歳の夢は絶対に見届けて欲しい好勝負だった。

 

飯伏幸太、何を見る

少し、新日本プロレスの話に。いや、飯伏幸太選手についてだ。

かつて男色ディーノ選手とシングルマッチを戦った飯伏幸太選手は「なぜ、プロレスをしているのか?」という問いに対して「楽しいから」と答えた。

勝負にこだわるのは非常に大切なこと。現代の新日本プロレスを背負う者として「楽しいから」だけではいけないとは思う。ただ、飯伏幸太選手にはDDTで培ったあの気持ちを忘れずにいてもらいたい。

エモーショナルプロレスとストロングスタイルのハイブリッドが飯伏幸太選手の個性なのだから。

 

“One Last Kiss”

自分の生き方をビシッと決めて真っ直ぐに生きることは難しい。変わらないことは変わること以上に難しい。男色ディーノ選手は学生時代に誕生したリングネームを今も貫いている。

イロ物に見えるが、実際の彼は実力者だ。頭もかなりキレる。そんな彼だからこそ、これからのDDTに秋山準選手の力が必要だと理解している。

全員が恐くてビビっているシーンでも、股間をサラッと触る。完全に肝が座っているのだ。

「漫☆画太郎先生でいたい」。自分の立ち位置、存在価値を理解しているからこそ、できることがある。

ベビーフェイスでもヒールでもダークヒーローでもないイロ物。「彼だけの“ゲイ道”」を突き進んできたからこそ、43歳の夢が美しく輝いたのだ(やっちゃいけないギリギリを含めて全部詰め込んでいた)。

改めてになるが、本当に素晴らしい試合だった。

「Judgement2021~DDT旗揚げ24周年記念大会~」は、“Komm, süsser Tod〜甘き死よ、来たれ”。

「April Fool 2021」では“翼をください”が煽りVに採用された。

2021年6月6日に開催される「CyberFight Festival 2021」の煽りVではどの曲が使用されるのか。

やはり宇多田ヒカルさんの“One Last Kiss”なのか。

新しいステージに向かったDDTプロレスリングから目を離すことができない。

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