獣神サンダー・ライガーの解説コメントについて

獣神サンダー・ライガーさんの解説コメントについて思うことを書いていきたい。

先日、WWEホール・オブ・フェーム(WWE殿堂)の記念セレモニーに映像で出演していた獣神サンダー・ライガーさん。

現役を退いてそろそろ1年半が経つが、放つ雰囲気と肉体美は未だに衰えることを知らない。

WWEを中心にプロレス界で顕著な活躍を見せた人物を表彰する「WWE殿堂」。

2020年に獣神サンダー・ライガーさんは殿堂入りをはたしていたが、社会状況もありセレモニーは見送りに。

今回が表彰式の“リマッチ”となる。

中邑真輔選手やダニエル・ブライアン選手、レイ・ミステリオ選手、フィン・ベイラー(プリンス・デヴィッド)選手など新日本プロレスに縁のある面々が賞賛のコメントを送った。

バチッとタキシードで決めた“世界の獣神”は「こんなに緊張するインタビューは初めてです。」と謙虚なメッセージを残している。

新日本プロレスが世界に誇るリビングレジェンド。それが、獣神サンダー・ライガー選手なのだ。

そんな彼だけに影響力も大きい。2021年4月14日に後楽園ホールで開催された「Road to レスリングどんたく 2021」の解説席に座ると賛否両論が巻き起こるコメントを出していた。

今日はそのことについて考えてみたい。

 

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前提知識として

まず、獣神サンダー・ライガー選手は分かりやすい「賞賛」と「批評」をするタイプの解説者だ。

それもベビーフェイスだからと言って忖度しまくる訳でもなく、キチッと試合を見た上でのコメントを残す。

確かに“バレットクラブ”、“鈴木軍”はヒールになるので、手放しで褒めることは少ない。また、ジュニアのレスラーに関して言えば総じて辛口である。

さらにヤングライオン出身ともなれば、かなりの辛口“批評”となる。

獣神サンダー・ライガー選手の中での納得性。伝わってくるもの。お客の湧き方。

還暦を超えたプロレスファンとして感情のままに辛辣な意見が飛び出すこともある一方で、“リビングレジェンド”と呼ばれるまでの経験から飛び出すコメントもある。

棚橋弘至選手やオカダ・カズチカ選手、石井智宏選手、矢野通選手、髙橋ヒロム選手らが称賛を浴びる一方で、マスター・ワト選手や飯伏幸太選手と戦った時のエル・デスペラード選手ですら手厳しい意見を飛ばす。

前提知識として持ってほしいのは先輩としての「批評」であり、「非難」や「批判」ではないということ。

確かにかなり辛辣な意見に聞こえる。世代の違いもあるので、相当手厳しいコメントにも見える。

ただ、その裏側には愛がある。ハッキリと強く書く。愛があるから、厳しいコメントを出すのだ。

現状に満足するな。まだまだお客に魅せられるものを持っている。常に上を目指すように。

褒め称えるのは楽だが、プロレスはそんなに甘い世界じゃないよ。言葉の裏を考えることが必要なのだ。

 

バックステージコメントの後

この日のメインイベントを制したのは、“ユナイテッドエンパイア”。ジェフ・コブ選手の“ツアー・オブ・ジ・アイランド”で勝利を飾った。

すっかり板のついたグレート-O-カーン選手のマイクパフォーマンスで「レヴェルいや、次元が違う」と宣言し、この日の後楽園ホール大会を締める。

その後、グレート-O-カーン選手はバックステージでこのようなコメントを出した。

弱い犬ほどよく吠えるとは、内藤のようなヤツを言うんだろうなぁ。日本のスラム街みてぇなところで、立派な学歴もないテメェにひとつアドバイスを送ってやるよ! あんまり強い言葉使うな。弱く見えるぞ!? 内藤ごときが余に勝てるはずもなく、ロス・インゴごときが連合帝国に勝てるわけもない。下僕のくせに、夢を見るな! 

出典:新日本プロレス

このコメントが獣神サンダー・ライガーさんの勘所に触れてしまったのだ。

「弱い犬ほどよく吠えるっていうけどお前じゃん」

未だ新日本プロレスでは未タイトル。「もっと違う言葉や言い回しがあるだろう」というメッセージがそこにはあった。

キャラクターが先行してしまい、言葉に説得力が出ない。獣神サンダー・ライガー選手が危惧しているのはその点だと思う。

 

キャラクター性と言葉

グレート-O-カーン選手は「BLEACH」に登場する藍染惣右介のパロディで「あんまり強い言葉使うな。弱く見えるぞ!?」と発した。

この言葉を受けて、獣神サンダー・ライガーさんは鼻で笑い、そのコメント内容について批評した。

グレート-O-カーン選手は日頃からアニメやマンガの言葉を引用している。これは、そのジャンルを知っている人からすれば、ニヤっとできるポイントではあるのだがら知らない方からすれば、「何を言ってるんだ」と捉えられても仕方がない。

実際、今回のセリフは主人公たちを秒殺する強大な敵が発した言葉であり、現在のグレート-O-カーン選手からすれば決してハマっている言葉でない。

聞き手が持つ「前提知識」の違いだけで、受け取り方が違うのだ。

説得力のある試合。説得力のある言葉。

WWE殿堂入りまでしたレジェンドが発する提言は確実に新日本プロレスに必要なものなのだ。

良薬口に苦し。獣神の言葉は決して優しくないが、大切な薬だと思って耳を傾けてみることも大切だと僕は思っている。

ただ、一つだけ敢えて書くとすれば、最近の風潮として「言葉の裏を考えず、そのまま受け取る人が非常に多い」。

そういった意味では、指摘の仕方も考えなくてはならないのかもしれない。

色々と書いてきたが、結局、僕が何を書きたかったかというと....。

昨日の試合、47分55秒のところで獣神サンダー・ライガーさんがKENTA選手と棒の関係を見て、「何で棒ちゃんって言うんですか?」と質問したところ、ミラノ・コレクションA.T.さんが「あの...女性なんです」と返した時のリアクションが極上だったので、何度でも見返して欲しいってこと!

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