シン・飯伏幸太が誕生!棚橋弘至が「別人だった」と語った理由

シン・飯伏幸太が誕生!棚橋弘至が「別人と組んだ」と語った理由について考えてみたい。

2021年4月29日、新日本プロレスは鹿児島・西原商会アリーナで「レスリング薩摩の国」を開催した。

 メインイベントは“NEVER無差別級王者”棚橋弘至選手と飯伏幸太選手の“ゴールデン☆エース”VS“ユナイテッドエンパイア”ジェフ・コブ選手&アーロン・ヘナーレ選手の一閃だ。

飯伏幸太選手は両国国技館でウィル・オスプレイ選手に敗れて以来、約一ヶ月振りの試合となる。

2本のベルトの統一や「IWGP世界ヘビー級ベルト」の創設まで2021年の新日本プロレスにおいてど真ん中かつ歴史に残る仕事を成し遂げた飯伏幸太選手は爽やかな表情で姿を現した。

が、いつものエントランスミュージックだが、コスチュームが違う。ニーパッドを装着せずにリングへと上がっていたのだ。

また、棚橋弘至選手が6パック(腹筋との前哨戦)を魅せつけるも、早く試合をやらせてくれと青コーナー側へ感情を爆発させる。

“ゴールデン☆スター”の帰還。次の目標への新しい一歩は飯伏幸太選手が生まれ育った(僕の実家?もある)鹿児島県からはじまった。

 

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滾る元王者

試合開始のゴングが鳴るやいなや、むき出しの膝でジェフ・コブ選手を強襲。サッとかわしたジェフ・コブ選手と飯伏幸太選手はリング中央でエルボー合戦を開始した。

ちなみにジェフ・コブ選手の祖母は熊本県出身の日本人である。2人の地元である九州。燃えないわけがないだろう。

何よりも飯伏幸太選手が刺激を欲しているがヒシヒシと伝わってくる。

チャンピオンという重責から離れたことで色々な枷が取れたのか、以前よりももっと高く強く飛べる。

そんな今の自分を確認するかのように、ジェフ・コブ選手と向き合う。

“逆転の内藤哲也”が広島からはじまるのであれば、“再生の飯伏幸太”は鹿児島からはじまるのだ。

逆襲のアーロン

ヒールターン後、一気にチャンスを掴んだと言っても過言ではないアーロン・ヘナーレ選手。

正直に言うと、新日本本隊にいたままではこうしてメインイベントのリングに立っていることは想像もできなかった。タッグマッチの一員としてリングに立つことはあれど、棚橋弘至選手の対角線にここまで堂々と立つのは何年先になるかも分からなかった。

だが、、“ユナイテッドエンパイア”に加入後、アーロン・ヘナーレ選手は変わった。

自身が最も戦いやすいファイトスタイルへとシフトしたことも大きいと思うが、全くメインイベンターとして違和感のない試合を魅せている。掟破りのドラゴンスクリューを棚橋弘至選手に見舞う余裕さえもある。

帝国最強の兵器。アルティメット・ウェポンはまだまだ発展途上。ここから更に伸びることを考えると、手を付けられない存在になることは間違いない。

ムエタイの経験を活かして、飯伏幸太選手と立ち技で向き合う。キックボクサーとしてのキャリアも期待されていた飯伏幸太選手を相手に掌底をかわすなど、その隠された実力を遺憾なく発揮していた。

 

生膝を打ち込んで3カウント

棚橋弘至選手のハイフライアタックが炸裂し、いきなり生膝の“カミゴェ”をアーロン・ヘナーレ選手に突き刺した。試合時間17分。体感時間は3分くらい。テンポ、見どころ、エモーショナルさ。全てがバチッとハマった好勝負だった。

両国国技館で試合後に強襲された借りを返すべく、飯伏幸太選手の次のターゲットがジェフ・コブ選手に定まったようだ。

今まで見た中でもトップアスリート。俺と試合をして欲しい。お願いします。

これまでどちらかというと、仕掛けられることが多かった(2018年以降)飯伏幸太選手が仕掛ける側へと回った。これが本当に嬉しい。

何をするか分からない。新日本プロレスの新しいキングにしてトリックスター。

嬉しそうな表情で「レスリング薩摩の国」を締めた。

--IWGPヘビー級王者になった際、単にチャンピオンになっただけでなく、いろんな問題も抱え込んでしまいました。インターコンチネンタル王座との統一問題とか。ベルトを手放したことによって、そういういろんな問題から解き放されて、のびのびした飯伏幸太が戻ってきたような気がします。
飯伏「ああ……その部分もプラスとしてありますね。でもやっぱり、ベルトがないと伝えられない部分もマイナスとしてあるんで。これをどうとらえるか。それはもう、ファンの方が見ててどう思うか。それによると思いますね。今の飯伏幸太がいいのか、ベルトを持ってる飯伏幸太がいいのか。それは、自分でもわかんない。だからプロレスをたくさんしたい。もっともっと。それは自分のために、今言ってます。でも僕のためにいいのは、結局ファンの方がいないと、僕はやっぱり楽しめない。ファンの方が喜んでくれないと、僕は喜べないんで。それを感じることができたというか、改めて。それが大きかったですね。この休みが……いろいろその、プロモーションとかありますけど、そういうのは別として、ほんとプロレスって最高だなって思える期間でした。(※ゆっくり立ち上がって控室に向かいながら小声で自分に言い聞かせるように)疲れないですよ。アスリートは疲れない……」

出典:新日本プロレス

 

シン・飯伏幸太

最後に。棚橋弘至選手の「新日本プロレスが鹿児島に帰ってきたぜ!」を聞いただけで笑顔になれた。試合後は“ゴールデン☆エース”の2人でファンサービス。

この日、棚橋弘至選手は飯伏幸太選手に対して、「正直に言うけど、別人だった」と語った。

僕もこの試合を通じて、改めて飯伏幸太選手が変わったと思った。正直に書くと、棚橋弘至選手と対等に見えたのだ。

以前は尊敬している神とタッグを組んでいることでどこか遠慮が見えたり、棚橋弘至選手の不調もあって、どこか歯車がバチッとハマっていない印象もあった。

だが、この日の試合を見ると、ベルトがない飯伏幸太選手がベルトを持っている棚橋弘至選手と変わらない輝きを魅せていた。

とにかくプロレスを楽しんでいる。エンジョイしている。

辛いこと、厳しい声、歴史を変えた重責から決して逃げることなく向き合ったことで、飯伏幸太選手はさらに進化した。さらに強く、カッコよく、逞しくなった。

いよいよレスリングどんたくシリーズも大詰め。今日も、明日も、明後日も飯伏幸太選手のようにプロレスを楽しみたいと思う。

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