獣神サンダー・ライガーの「古い人間だから」について

獣神サンダー・ライガーの「古い人間だから」について書いていきます。

ご本人が炎上しても構わないと言っていましたが、その便乗するわけでもなんでもなく、コミュニケーションの考え方について少し思うところがありました。

2021年5月3日、「レスリングどんたく2021」のメインイベント。「NEVER無差別級選手権試合」で棚橋弘至選手がジェイ・ホワイト選手と激突しました。

39分を超える好勝負の末、勝利を掴んだのはジェイ・ホワイト選手。

ただし、今回もいわくつきの勝利となりました。棚橋弘至選手のテキサスクローバーホールド(JTO)が完璧に決まり、ジェイ・ホワイト選手がタップ。その瞬間に外道選手が介入したため、そのタップはレフリーの目に入らず、技を解いた棚橋弘至選手が敗北する結果を招いてしまいました。

試合後、獣神サンダー・ライガーさんが怒髪天を突く勢いで激怒。怒りの獣神と呼ばれるくらいなので、日常的な光景っちゃ光景なのですが。

上司のぼやきのように、まぁまぁ気持ちは分かりますよ...というスタンスで聞いていたら「(自分は)古い人間だから」と前置きしたじゃないですか。

この言葉に「うーん」と思ったんです。なので、ジェイ・ホワイト選手が(レフリーの見えないところで)タップしたのに勝った一件ではなく、この言葉の怖さについて今日は書いていきます。

※確実に3カウントが入るシーンでレフリーをリング外に引っ張り落とすケースあります。ただ、アレは3つ入らなかった可能性があるので、今回とはちょっと違うっちゃ違うんですよね。負けを完璧に認めて、技を解かせたのに勝った状況がよほど納得いかないのでしょう。気持ちは分かります。

僕の世代もそうなのですが「俺たちが君たちの年齢の頃」って枕詞を置いちゃうと会話をする気がないような感じにしか聞こえないんですよね。

「いや、そうは言いますけど...」と返すことができない。

アナウンサーやミラノ・コレクションA.T.さん、矢野通選手は獣神サンダー・ライガーさんには何も言えないんです。

レジェンドの大先輩に意見できるのはリング上かつ、喧嘩を売ってる時だけ。ひとたびリングを降りれば大大大先輩。絶対何も言えませんよ。

そりゃ「....」や「えぇ」しか言えないマンになっちゃうのも仕方ないです。

獣神サンダー・ライガーさんがキレるのは分かる。圧倒的な棚橋贔屓ですから。ただ、ファンの応援スタンスまで言及しちゃうと、それはそれで「うーん」と思っちゃうんですよ。

 

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ブーイングできない時代

結論から言うと、会場が声出しオッケーならブーイングは飛んでいたと思います。

じゃあ結果にキレてさっさと帰るかと思いきや、規制退場が待っています。

今ってそれほど応援する側も制約の中で楽しんでいるんです。

チケット代は高騰してるのに試合数は少ない。声も出せない。飲み物も食べ物も制限されてる。

数年前とどっちが楽しい?と聞かれたら...。と、聞くのも野暮な質問でしょう。

それでも会場でリアルな場でプロレスを楽しみたいと思っている人たちが会場には集まっています。

そんな方々が拍手をした理由は僕の解釈では大きくこんな感じです。

  1. すごい試合であったことには違いない
  2. ブーイングが飛ばせないので感情表現ができない
  3. せっかくの休みにエンタメを楽しんでいるんだからせめて気分よく帰りたい
  4. 死角をついた“技術”に感服した
  5. 拍手をしないと進まない感じがあった

実際は支持をしたから拍手をしたのかと言われると、別にそうでもないが本音のところだと思います。

僕が会場に居たと想定すると「棚橋さん勝って欲しかったなぁ」と思いつつ、拍手はしたと思います。

エアギター見たかったなぁというフラストレーションをぶつける先もないので、「今を楽しもう」と思うのはしょうがないことだと思うんですよ。

 

フツーにキレて欲しかった

 

「俺は納得がいかん!!」その結果、棚橋弘至選手のセコンドについてリマッチを申し出てみるなどすれば大きく盛り上がると思うんです。しかもヤバいレベルで。横浜or東京ドームは柴田勝頼選手と獣神サンダー・ライガーさんのダブルセコンドが発動ともなれば、声にならない叫び声がエアでこだますること間違いなしです。

「あの外道を俺がつまみ出す。次の試合では絶対にあんな卑劣なことはさせない!」と言ってくれれば、湧くんですよ。心が。次にも期待できます。引退した選手がセコンドに付いちゃダメなんてルールもないでしょう。

ただ、「お前たちファンおかしくないか?」と言われると「...すいません(そういった世代の声を代弁しているのかな?)」としか言えなくなる。

楽しかった試合の印象は薄味になり、獣神サンダー・ライガーさんのブチ切れが大会の後味として残る結果になってしまいました(少なくとも僕は)。

会場は通常の状態じゃないんです。見えないところでマナー悪い方にイラついたりとかもあるんですよ、実際は。

この前は書かなかったですが、先日の両国大会で枡席に1人で座っていたら、隣の家族連れがずっと僕の方にバックとかを置いてました。もちろん、何も言わずに。

「置いていいですか」と聞かれれば「どうぞ」と言いますよ。家族3人と1人じゃ広さ違いますし。

ただ、何にも言わずに僕が金払って取ったスペースに物を置くのは違うだろうと。目があっても何も言わないって人としておかしくない?と思うわけです。むしろ目を合わせないようにしている。

本当にこれが人の親かよと思いながら見る試合が楽しいのかと言われると...まぁ、気分はよくないですよね。

そんなストレスもありながら会場で観戦してるんだから、なるべく楽しい気持ちで帰りたいわけです。

ただでさえ“バレットクラブ”の法被姿を楽しみに会場に来た方も多いはずですし。

 

獣神から学ぶ

ただ、こうしたコミュニケーション拒否の提言って、日常生活でも時折起こっていることだと思います。

前置きすることで相手からの意見をシャットアウトする感じと言えば分かりやすいでしょうか。

あなたたちと私はスタンスが違う。行動を変えようとしているのではなく、ボヤキに聞こえる。

今回はすっごく勿体ないなと思ったんです。

普段通り、「テメーー!!!」ってキレてくれればそれでいいんです。

今回の場合は棚橋ファンの代わりに怒ってくれているんだとその気持ちは痛いほどに伝わってきます。

この日、棚橋弘至選手は勝負に勝って、試合に負けました。

その時に激しく自分のために怒ってくれる存在が嬉しくないわけありません。

いつも通り、普段通りの“怒りの獣神”で居てほしい。こらからも解説席を大きく盛り上げてほしいと思いつつ、筆を置きたいと思います。

週刊プロレス 2021年 05/12号 No.2120 [雑誌]

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