覚醒のEVILが次に狙うステージとは?

2021年の新日本プロレスは“神”を目指す男が「神になった」と宣言した日からはじまりました。

社会的な状況の変化に追われた2020年。新日本プロレスにとっても例外ではなく、度重なる興行の中止やシリーズの延期、観客動員の制限などこれまでにない事態に何度も追い込まれました。

また、無観客試合、声出し禁止、渡航制限による“ガイジン”レスラーのシリーズ不参加。

仮に大会を開催したとしても2019年とは全く違う状況での開催を余儀無くされてしまいました。

ですが、プロレスは逆境に強い(逆境と戦うことで光る)ジャンルです。

「プロレスの火を消すわけにはいかない」

各レスラーが命を燃やす中、新しい才能が弾けはじめました。

ヘビー級では飯伏幸太選手はもちろんのこと、“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手、YOSHI-HASHI選手に大きな変化が。

グレート-O-カーン選手の凱旋帰国も圧倒的なインパクトを残しました。

ジュニアヘビーではエル・デスペラード選手、SHO選手が魅力を爆発させ、一気にスターダムを駆け上がりました。

2021年前半を振り返る前に、まずは2020年に覚醒した男たちについて改めて考えていきます。

本日はヘビー級編。まずは、このレスラーにスポットライトを当ててみたいと思います。

 

f:id:yukikawano5963:20210507071910p:plain

エネルギッシュな漢の襲来

先日行われた「IWGP世界ヘビー級選手権試合」ウィル・オスプレイ選手VS鷹木信悟選手はものすごい激闘でした。

その内容は「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」でも触れられ、「鷹木はやっぱり凄いよね」と有田哲平さんが語るほど。

アスリートプロレスに“エモーショナルなエッセンス”を注入したファイトスタイル。

ウィル・オスプレイ選手が「ベストバウトマシーン」と再び呼ばれる日も近いと思います。

その対角線に立った鷹木信悟選手も凄かった。身体能力を武器に攻めまくるチャンピオンに対して、一切怯むことなく、こちらも攻めまくる。

結果こそ出ませんでしたが、彼の格が爆上がりしたことは言うまでもないでしょう。

そういう意味では、鷹木信悟という快男児が天下取りまであと少しのところにいることを証明したシリーズだったとも言えます。

鷹木信悟選手が“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”に加入したこと、“ガイジン”レスラーが不在の状況を受けて1人の男の運命が大きく動きました。

EVIL選手が“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”を離脱。“バレットクラブ”へと移籍したのです。

 

唯一無二のヒールへ

EVIL選手は2020年の「ニュージャパンカップ」で「何が何でも勝つ」と宣言。ベビーフェイス寄りになっていた“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”のしがらみから解き放たれるようにダーティーなファイトで結果を残し続けました。

そして、決勝戦では“バレットクラブ”の介入によりオカダ・カズチカ選手を撃破。その後、リングに上がってきた内藤哲也選手へ裏切りの“EVIL”をぶちかますと、“バレットクラブ”入りを表明したのです。

その直後に行われた「IWGPヘビー級」&「IWGPインターコンチネンタル」W選手権試合では結んでいた髪をほどき、クマが取れ、コスチューム、入場曲を一新。

さらにはディック東郷選手を介入させ、2人目の“二冠王”が誕生しました。

そもそもEVIL選手は機動力とパワーの“プレミアム”なハイブリッドタイプでした。ここに“闇の王”が憑依したことでダーティーさが加わり、その実力に磨きが掛かっていきました。

ただ、前述の通りEVIL選手は“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン’”がベビーフェイス化したことで最も煽りを受ける形になりました。

内藤哲也選手は露骨に反則ばかりをするタイプではなかったですし、BUSHI選手も毒霧程度です。SANADA選手、高橋ヒロム選手はビジュアルこそヒールですが、反則すらほぼしない正統派。

鷹木信悟選手はどちらも対応できますが、新日本プロレスでは正統派なファイターとして支持を集めてきました。

EVIL選手だけが本来の“闇の王”としてのファイトスタイルに制約が生まれた頃、今の自分よりもプロレスが上手い鷹木信悟選手が加入したことで、彼は追い詰められていきました。

そして、“バレットクラブ”への移籍したことで完全に覚醒。現在ではディック東郷選手との連携にも磨きがかかり、新日本プロレスとして日本人レスラーで唯一無二の“感情移入できない”役割を担うまでに成長を遂げました。

現在、ヒールレスラーと言っても大半がダークヒーローに寄せています。ジェイ・ホワイト選手とEVIL選手の2人だけが完全なるヒール。ベビーフェイスやダークヒーローと敵対して、最もエキサイトする試合ができる2人なのです。

先日行われた矢野通選手との「KOPW2021」も素晴らしかった。矢野通選手の技術が光る試合にはなりましたが、EVIL選手の幅が広がっていることも間違いないでしょう。

 

今後の闇の王

2020年の“二冠戦”以降、EVIL選手はシングルベルトのタイトルマッチから遠ざかっています(KOPWはトロフィー)。

現在、EVIL選手が残しているフラグはVSジェイ・ホワイト選手。気づけば同じコーナーに立つことも珍しくなくなりましたが、2020年の「G1クライマックス」ではバチバチに舌戦を繰り広げていました。

ここはまだ何かが起きる可能性が十二分にあります。

そして、EVIL選手が真価を発揮するのが「IWGP USヘビー級」と「NJPW STRONG 無差別級」だと僕は踏んでいます。

未だ日本人のチャンピオンが生まれていない「IWGP USヘビー級」。そして、新設されたばかりの「NJPW STRONG 無差別級」。この2つのベルトをダークネスに染め上げることで、彼の魅力が世界中に届くのではないでしょうか。

また、“闇の王”が誕生したのはアメリカでのことです。内藤哲也選手にとって広島がホームであるならばアメリカは“キング・オブ・ダークネス”にとってのホームだとも言えます。

2021年のEVIL選手からも目が離せませんね。今日はここまで。明日はYOSHI-HASHI選手についてです。 

★緊急更新★

www.njpwfun.com

週刊プロレス 2021年 5/19 号 [雑誌]

週刊プロレス 2021年 5/19 号 [雑誌]

  • 発売日: 2021/05/07
  • メディア: 雑誌
 

→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら