新日本プロレスのSHOが“UWF”の再興に華を添えた日

新日本プロレス所属のレスラーが“UWF”の再興に華を添えにいく。

SHO選手は生まれも育ちも新日本プロレス。野毛道場で生まれ、育ったレスラーが“U”の世界に足を踏み入れメインイベントのリングに立った。

過去の歴史を読み解くと、様々な確執があっただけに、次世代でこういった交わり方をしたのが、非常に素晴らしいことだと思った。

この辺りの歴史については「有田と週刊プロレスと」第一回を見ていただくと分かりやすい(僕のプロレスライフもここからはじまった)ので、そちらに任せるとして、今回僕が書きたいのは、SHO選手が単身乗り込んだという事実について考えてみたい。

新日本プロレスのレスラーが他団体に参戦するのは相当にレアなことだ。

その昔、プロレスリング・ノアにオカダ・カズチカ選手が参戦した時は後楽園ホールをほぼフルハウスにする注目度があった。

棚橋弘至選手VSDDTの時なんかは空気がヤバかった。当日、ヤングライオンのYOH(小松洋平)選手もバリバリのヒールとして試合をしているレベルでヤバい。

他団体の絶対的ベビーフェイスが他団体参戦すると、キャラ変することなく超弩級のヒールになる。これもプロレスの面白さだと思うのだ。

 

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団体対抗戦は劇薬だ

これも「有田と週刊プロレスと」で学んだ知識だが、過去女子プロレスの世界では団体対抗戦が盛んだった。

1994年に東京ドームで開催された「憧夢超女大戦」は、1日で全23試合を行うとんでもない大会だったという。

団体の威信と個人の感情が入り混じる世界は刺激的で普段の試合には存在しない緊張が張り詰める時間となる。

ただ、その空気感の破壊力が強すぎるため、団体対抗戦は劇薬とされてきた。

端的にいうと、通常の興行の人気が下がってしまうのだ。

「対抗戦の方が面白い」

その結果、通常の興行からは足が遠のいてしまう。それを避けるために団体対抗戦を行う...。

劇薬を使って盛り上がりを作った後が難しい。これが団体対抗戦の歴史だと僕は認識している。

新日本プロレスVS◯◯が中々実現しないのは、そうした背景があるのだ。

 

劇薬を混ぜる必要性

正直に言うと、新日本プロレスの対戦カードは既に目新しさに欠けている。これはいい意味でも、悪い意味でも捉えることができる。

前者で考えると、「世界一のリング」にはそう簡単に上がることができないということ。

選ばれた者だげがたどり着くことができるセルリアンブルーのリング。

その上で魅せる試合は常にハイクオリティであるということ。

後者で言うとここ数年間、離脱はあっても新規の参戦レスラーがほぼいない。

定期的に新しい顔が登場することで、リングの上が活性化するというのは間違いないとは思う。

つまり、試合のクオリティや物語性などに問題があるわけではなく、単純に「新規参戦」の数が少なすぎるのだ。

このレスラーは何者なんだ。どんな試合をするんだ。そんな刺激を欲しているのも事実としてある。

そんなことを最近少しだけ考えていた矢先にSHO選手が単身でGLEATのリングに立った。

ご時世的にブーイングは飛び交うことはなかった。

旗揚げ戦のゲストにブーイングが飛ぶのも少し違うとは思うが、実際に声を出していたらどんな歓声が飛び交ったのかは非常に気になるところだ。

 

SHOの試合

自身のエントランスミュージック「100% VOLTAGE」に乗って登場したSHO選手。

「俺はプロレスラーなんだ!」と言わんばかりに矢を射抜くいつものパフォーマンスを魅せた。

試合がはじまると普段のプロレスルールではあまりそこまで意識しない体格差がやたらと気になりだす。

伊藤貴則選手はSHO選手よりも一回り大きく、打撃やリーチで完全に分がある。

サイズの違いからくる一発の重さ。SHO選手はスタンディングでの勝負を交えながらも勝負どころはグラウンドだと決めていたような試合運びだった。

最後は三角締めでレフリーストップ。UWFインターナショナルの旗揚げ戦てレフリーデビューした和田良覚さんがSHO選手の手を挙げた。

すごくいい試合だった。

プロレスと総合格闘技の間。その間にある何かがアレンジされて現代に蘇ってきたような。そんな感じだった。

単身乗り込んだことで、SHO選手にも何か新しい発見があったに違いない。

団体を背負って別団体と戦う。しかも、普段のプロレスルールでもなければ、ホームのリングではなくアウェイで。

この経験がきっとSHO選手をさらに輝かせるはすだ。

ストーリーメーカーとして定評のあるSHO選手のバックステージコメントがこちら。

今度は伊藤貴則選手が新日本プロレス日本参戦してくる版かもしれない。

SHO「GLEATファンのみなさん、どうも新日本のSHOです。俺がやることは、ただ一つ。相手が新日本の選手だろうが、こうして他団体の選手だろうが、俺は反対コーナーに立つ相手をどんなルールだろうが、どんな体重してようが、何人であろうが関係ねえ。倒すだけだ。俺にやれることはそれだけだ。ただ、それをやっただけだ! でも、伊藤選手……いいね。いいね! これを点で終わらせるか、それとも線に繋げるか? 伊藤、伊藤選手……、いや伊藤! おまえ次第だ!」

出典:新日本プロレス

2021年にまた新しい歴史の1ページがはじまったのだ。試合はこちらから視聴できるので要チェック。あんな技が飛び出したりと見どころ十分です。

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