なぜ、KENTAの言葉には納得感があるのか?
なぜ、KENTAの言葉には納得感があるのか?
2021年7月11日に新日本プロレスが開催した「映画『ゴジラvsコング』PresentsSUMMER STRUGGLE in SAPPORO」のバックステージコメントを見ていて、口に含んでいたお茶を思わず吹き出しそうになった。
満を辞して新日本プロレスのリングへと帰還した“バレットクラブ”のKENTA選手。
今シリーズのターゲットを新日本プロレスの“エース”棚橋弘至選手だと定めて、「弁償しろ」とメッセージを送っている。
そんな中、KENTA選手は棚橋弘至選手と組んだ辻陽太選手に対して言及。「髪を切れ」と言い放った。
実はこれ僕も結構前から思っていたことだったりする。
ここ数年のヤングライオンを見た時、明らかに辻陽太選手はビジュアルが完成され過ぎていると思っていたためだ。
確か一本くらいコラムも書いた気がする。
KENTA選手曰く「ヤングでもなければライオンでもない」。なぜだかその言葉が納得感に溢れていたので、少し考えてみたい。
何時でもいいわ!! https://t.co/U18mYpVqWR pic.twitter.com/kaWEz0As9d
— KENTA aka Lil’K (@KENTAG2S) 2021年7月12日
辻陽太の髪の毛問題
改めて書くが、僕が辻陽太選手に対して危惧していたのは、ビジュアルの完成度が高すぎるという点である。
今でこそ上村優也選手は短髪で爽やかな雰囲気になったが、以前は前髪ぱっつんで垢抜けない雰囲気をしばらく保っていた。
垢抜けない。一生懸命。フレッシュ。
分かりやすく応援したいなと思える対象となる。
ロン毛。リングまで走らない。髭。
ヤングライオンという括りだけで見ると、上村優也選手を応援したくなってしまう。
差別化という意味では大切なのだが、ヤングライオンブランドで考えると異質なのは辻陽太選手の方なのだ。
言葉のチカラ
KENTA選手はとにかく相手選手をイジるのが上手い。
ファーストネームやあだ名、歴史。トレードマークや特徴的なアイテムまで触れて、相手の突かれたくないであろう点をガンガン指摘してくる。
数多くのレスラーが辻陽太選手の対角線に立った中で「髪を切れ」と指摘したのはおそらくKENTA選手が初。しかも「確かに」と納得させられてしまった。
バックステージコメントを見ないファンを想定して、試合中から髪を切れを連呼。
恐らく彼の中で何かのピースがハマったのは間違いない。
KENTA「座ろっか。見た、今日の試合? 当たり前だよな。なにあれ? 辻とかいうヤツ。なんだアイツ、マジで。髪切れよ、マジで。ヤングライオン、あれ? ヤングでもなきゃ、ライオンでもねーじゃん。髪切れっつうんだよ。絶対応援する側からしたら、短髪の方が応援したい気持ちになるっつうのが相場なんだから。髪切れよ。なにちょっと他の人との違いを髪の毛で出そうとしてんのかもしんないけど、髪切れよ。短髪が相場なんだから。
ほんでアイツだ、ヒロシ。ヒロシっつってもうちのオヤジじゃないよ。わかる? 昨日のアイツのコメント見た? なにあれ? 最後、思い出したかのように俺の話をちょっとだけ。あとはどうでもいい昔話してんの。いつの話してんだよ。いつまで昔の話してんだよ。ほんで、俺になんか『もっとデンと構えてろ』みたいな。いや、おまえだよ。いつまで昔の話してんの。昔話をいつまでも。昔の話、過去の話をしてもいいのは、なんか自分の物を壊された時だけだから、昔のこと話していいのは。だから、俺はあのカバンをアイツに壊されたことを、いつまでも言うからね。ずっと言うよ。いい? マジで、なにアイツ。もういいから、昔話は。10年前がどうだとか、そんなこと言ったって知らねーよ、いまどきの子にそんな昔話。そんなのどうでもいいよ。まあ、俺がこの札幌2連戦通して、結局なにが言いたかったかっていうと、マジでYOSHI-HASHIの棒関連のグッズの売り上げのロイヤリティーは絶対俺もらう資格あるよってこと」
分析力に長けた男
今のKENTA選手は速球派から技巧派へとシフトしたピッチャーのような試合運びをする。
相手をリズムに乗せない。自分のペースで試合を進める。
そのためには相手を分析し尽くすことが大切なはずだ。
見たままや感じたままイジるのではなく、もう一歩踏み込んだ何かがKENTA選手には見えているはずだ。
謎の納得感を生む正体は圧倒的な分析力。そのデータに裏打ちされた試合運びが今のKENTA選手の武器だ。
過去には内藤哲也選手を「鉄也!」といじりまくり石井智宏選手を「TOMO」と呼び、YOSHI-HASHI選手の“棒”に大注目を集めた。
そんな彼から「髪を切れ」と言われた辻陽太。彼がいつか髪を切った姿でKENTA選手と向き合った時、次はどんな言葉が飛び出すかを含めて楽しむことができる。
数年後のKENTA選手と辻陽太選手に期待したい。
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