KENTAの言葉が棚橋弘至を動かした

KENTAの言葉が棚橋弘至を動かした。

2021年7月19日、新日本プロレスは「映画『ゴジラvsコング』PresentsSUMMER STRUGGLE 2021」茨城・龍ケ崎市総合体育館「たつのこアリーナ」大会を開催した。

この日は新日本プロレスワールドの中継が無い日(最近中継がない試合が多いので、定点カメラで構わないので録画配信はしてほしい)。

こういう日に限って逸材の開眼宣言があるから面白い。

“バレットクラブ”との8人タッグマッチを戦った後、棚橋弘至選手がバックステージで己の胸中を語った。

これまでは肉体改造や自身の体脂肪について自戒の念を込めたコメントが多かった棚橋弘至選手に変化が起きたのだ。

エースの言葉はこちら。

棚橋「ようやく、気がつきました。僕は、自分の肉体改造とか『体脂肪が落ちれば』というのをただ言い訳にして、現実から目を背けてたんだと思う。いま、僕の目の前にいる相手はKENTA選手なんだから、自分自身のコンディションとか、腹筋が割れてないとか、脂肪が乗っちゃってるとか、そんなことはクッッソどうでもいいのね。けど何か、そうじゃないと、『脂肪が乗っちゃってるからダメ』『ヒザが悪いから本領発揮できない』『だからいまの棚橋弘至はは本当の棚橋弘至じゃないんだよ』って、そう思いたかっただけ。でも、現実ね、やはり厳しいかな、トップ戦線は遠いよね。そのことにいま、シリーズの途中だけど、気づけてよかったね。そういうことじゃないんだね、プロレスってね。目の前の敵をどう倒すかっていう、そのことに集中してたときが、僕だってあったじゃん。何とかしっかり勝たないといけない、無理かもしれないけどやるだけやってみるっていう、そういうのが、プロレスの根底に流れる、大事なことだと思うから。そりゃね、ビジュアルよくって、腹筋が割れてたら言うことないよ。言うことないけど、それより先に、優先することがあるんじゃないかって、今日気付いたから。『新日本プロレスワールド』がない日に(笑)」

出典:新日本プロレス

f:id:yukikawano5963:20210721092518p:plain

目の前のことに集中する

棚橋弘至選手は新日本プロレスのエースである。

一つの試合はもちろんだが、それ以上に新日本プロレスがどう成長しているか。プロレス界全体はどんな状況にあるかを考え行動している。

それはとても大切なことだが、改めて「この試合だけは負けられない」そんな心境の変化が起きているのだ。

「俺が一番!最高にカッコいい俺が目立てばプロレス界は爆発する」と「今の新日本プロレスに必要なものは何か」という気持ちの反復横跳び。

いつしかそのど真ん中にあった「目の前のあんちくしょうを倒す」気持ちが薄味になっていたのだ。

棚橋弘至選手が絶対に勝つと決めて勝ったのは最後に「IWGPヘビー級ベルト」を戴冠した東京ドーム大会だろう。

ケニー・オメガ選手のプロレスは品がないと言い放ち、トレンドではない“棚橋プロレス”で打ち破った。

あの日の棚橋弘至選手も体脂肪をごっそり削ぎ落としていただけに、いつしか「体脂肪さえ無ければ俺はまだやれる」と思うようになったのだろう。

つまり、一番カッコいい棚橋弘至であれば、全てを書き換えられる。そのためには準備期間が必要。

KENTA選手とのスペシャルシングルマッチはその途中にあるマイルストーンの一つに過ぎない。

極端に書いてしまうと、ここまで割り切っていた可能性がある。

 

今を生きる漢

そんなマインドセットになっていたKENTA選手が変えた。

2020年1月5日の東京ドーム大会で内藤哲也選手を襲撃した後、「自分の人生、生きてるよ。メチャクチャ楽しいよ!」と語った乱入屋は今では新日本プロレスに欠かせない男へと進化している。

テーマのないところにテーマを作り、ヒールとして相手を徹底的におちょくった上でリングで完結させる。

プロレスラーであり、エンターテイナー。

今を生きている、迷いを振り切ったKENTA選手は非常に魅力的だ。

そんなKENTA選手だからこそ、棚橋弘至選手を振り向かせることができたのだろう。

次のバックステージでKENTA選手が“ヒロシ”に対して、どんな言葉を投げかけるのか。この点も注目である。

 ★こちらの記事もチェック★

www.njpwfun.com

→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら