YOSHI-HASHIの鈴木みのる挑発事件について
「物事が変わるのは一瞬だ」
ずっとそうやって叫びつつもなかなか現状を打破できなかった男が今や“プロレス王”を挑発するまでに成長した。
2018年の「G1クライマックス」直接対決の前日(7月19日)に「YOSHI-HASHI! お前、勘違いしてるけどな、てめえなんかがこの俺のレベルに来れると思うなよ」とマイクで挑発をされてから約3年。
今度は物事を変えた男が“プロレス王に「遮二無二来い」と宣戦布告だ。
実際問題、今回の“鈴木軍”3人タッグは歴代でも屈指の対戦相手だった。まず新日本プロレスのタッグを牽引している“デンジャラス・テッカーズ”タイチ選手とザック・セイバー・ジュニア選手の2人が脇を固めていること。
ど真ん中には“鈴木軍”の総大将である鈴木みのる選手。
盤石というかなんというか最強の布陣である。
それでも“CHAOS”の3人が勝利を飾った。
YOSHI-HASHI選手を中心に“CHAOSの特攻野郎”こと石井智宏選手が勢いを作り、後藤洋央紀選手が相手に流れを渡さない獅子奮迅の活躍を魅せる。
3つの心が一つになって...とこれだとゲッターロボだが、本当にそんな感じがする3人である。
この試合の流れを作ったのは石井智宏選手で間違いない。
相手にダメージを負わされたタイミングでも3人で太鼓をやる時には踏ん張って参加する。
ここでできるかできないかが大きく“流れ”に関係するところなのだ。
近年のタイトル戦線を見ると、単純な実力差で言えば“鈴木軍”の方に分があるはず。それでも「NEVER無差別級6人タッグ」のベルトが動かなかったのは間違いなく、流れが“CHAOS”サイドにあったこととこのタイトルマッチの“勝ち方”を知っていることと見て間違いない。
8度目の防衛に成功しました
— YOSHI-HASHI (@YOSHIHASHICHAOS) 2021年8月1日
皆さんどうもありがとう
Successfully defended for the 8th time. Thank you everyone pic.twitter.com/Qjy86LJFY0
V8の凄さ
勝ち癖。
王者が常勝たる所以は勝つことが癖になっているからだ。
どうやったら勝てるのかを知っている。何をしたらまずいのかを把握している。だから、負けないし強いのだ。
“CHAOS”チームは現在V8。これはどれだけスゴいことなのか。まずは以下の最多防衛回数をチェックしてほしい。
- 「IWGPタッグ」カール・アンダーソン&ジャイアント・バーナード V10 タマ・トンガ&タンガ・ロア V7 蝶野正洋&天山広吉 V7
- 「IWGPジュニアタッグ」田口隆祐&プリンス・デヴィット V7
シングルベルトは省く(IWGPヘビー級はオカダ・カズチカ選手V12、IWGPインターコンチネンタルは中邑真輔選手V8)
防衛するのは永遠だ!と口で言っても中々できることではない。
初戴冠がYOSHI-HASHI選手を大きく変えた。彼が“持っている”ことで、このチームは負けないのだ。
自信と実力と
新日本プロレスを見ていると時折「ベルトの価値」が話題になる。
お前がチャンピオンだとベルトの価値が下がる。そういった論法だ。
ベルトの価値が王者でアップダウンするのであれば、「NEVER6人無差別級タッグ」の価値をストップ高にしたのはYOSHI-HASHI選手の功績が大きい。
次はなんと横浜武道館のメインイベントである。
数年前で考えれば全く予想もできない地位まで上り詰めている。これは結果だが、空気を作ったことに意味がある。
「NEVER無差別級6人タッグ」は面白い。タグチジャパンでも“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”でもできなかったことを成し遂げたのだ。
あの内藤哲也選手が「NEVER無差別級6人タッグ」に二度も挑戦するとは誰が想像しただろうか。そりゃこんなコメントも残すわなと。
YOSHI-HASHI「鈴木軍のあいつらが挑戦する前、最強の3人って言ってたよな、オイ! 最後、リングで勝ち名乗り受けたのは誰? お前らもう分かるだろう。後藤さんと石井さんとそして俺だ、オイ! 3人だ、オイ! さらにさらに俺たちのほうが上だ。見て分かっただろう。そして鈴木みのる、オイ! そんな余裕あんのか、オイ! 最後の局面でもっとガムシャラに行かなくていいのか? オイ、お前、今そんな立場かよ。このベルトが欲しいんだろ? オイ、遮二無二来いよ。こんなんだったら前に挑戦したDOUKIのほうがもしかしたら今日獲ってた可能性あるな。そうっすよね?」
出典:新日本プロレス
ヘッドハンター
こうなると期待したくなるのがYOSHI-HASHI選手と鈴木みのる選手の一騎打ちだろう。
“プロレス王”とタイチ選手の関係性も気になるところではあるが(試合後にタイチ選手がなんとも言えない表情で鈴木みのる選手を見ていた)、これはまだ少しだけ先の話になる気がしている。
「IWGP?あれは予約済みだ」
豪雨に濡れながら大歓声を挙げた日を今でもしっかりと覚えている。
最近の鈴木みのる選手は新日本プロレスで結果が出ていない。そんな彼に対して、敢えてYOSHI-HASHI選手はあの頃の借りを返すかのごとく厳しい言葉を投げかけた。
この言葉がどんな未来につながっていくのか。
ヘッドハンターVSプロレス王の闘いがこれからはじまる。
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