山下りな選手のメディア批判を見て思うこと

先日、Twitterを見ていたら刺激的な言葉が飛び込んできた。

女子プロレスラーの山下りな選手がヤフーニュースおよびバトルニュースを批判したという。

140文字以内では詳細まで分からなかったため、少し調べてみると「これはあかんやろ」と思う内容でした。

18歳の女デスマッチファイター・鈴季すずがクリで悶絶し大流血!

...。

これが今の時代なんだなって正直思いました(後述します)

僕はそんなにデスマッチを見るタイプではありません。人生で見たデスマッチは片手で足りる程度です。

ただ、ぼんやりとイメージとして持っているのは、デスマッチファイターはリング上で“生き方”を魅せていること。そして、デスマッチでなければ表現できない“何か”があるということです。

プロレスをやるにしてもあそこまでやる必要はあるのかと思うところもあります。ただ、あの世界にはあの世界にだけ存在する何かがある。

例えば、「生きている実感」。本当に危険と隣り合わせの職業だからこそ、生きている実感が半端じゃないと思うんです。

そんな世界に生きるレスラーを見出しで侮辱したのが、今回の1件です。クリは栗です。ソレ以外に何の意味もありません。問題なのが、イジっていいところじゃないんですよ。これって。

言葉を生業にしているものの矜持として、僕はいくつか自分の中に線を引いてきました。

  1. 本人が読んだ時に笑って見過せないレベルはNG(基本は書いてくれてありがとうと思っていただけるように)
  2.  ファンが読んだ時に1ミリも共感できないものはダメ
  3. 自分の親や知り合いが見た時に自分だと言える内容

でもこれって出自の影響が大きかったりもするんですよね。僕はこういった師匠に教わって執筆業をはじめたから上記のようなスタンスなだけで。

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読まれりゃいいで本当にいいのか

Disってるのではなく、個人の意見に口出しするわけでもなくと前置きしておきます。

別に続けてもいいと思うし、変える必要はない。ただ、ひとりのユーザーはこう思ってるって話です。

最近、特にYouTubeが台頭し始めた辺りから「煽り」が凄いことになりました。

目的が読者、視聴者に何を伝えるのか。ではなく、クリックさせる、お金を稼ぐ手段にシフトしたためです。

プロレス関連のYouTube動画でも普通に新日本プロレスワールドのスクショを使ってますし、個人のブログもそうですよね。

とにかくタイトルをクリックさせる。スクロール(長期視聴)。それで、広告費を稼ぐ。

これがお仕事として求められている時代です。

薄味になれれば、常に薄味でも違和感を覚えなくなります。

最近、タイトルは刺激的なのに中身が薄いものばかりです。

今回の一件だって本気で書くなら「なぜ、18歳の女の子がデスマッチのリングに上がるのか。全てがインスタントに満たせる世代に生まれながら何をリングに求めるのか」こういった視点で取材し、執筆してほしいのです。メディアなら。

ヒーローインタビューを早々に切り上げて、YouTube見てください!ってアスリートが喋る時代です。

メディアの存在価値は「独自の視点」と「本人でも気付かなかったことを見出す」ことでしょう。

それができるのがメディアマンの仕事です。

特に活字は残ります。消費されにくさがあります。

ただ、見てなくても書けるコタツ記事の方が一生懸命時間もかけたインタビューやコラムよりも読まれることも事実としてあります。

真面目にやったら読まれず、煽ったら読まれた。数字が見えすぎる社会になったことも考えものですね。

最後に。

“涙のカリスマ”大仁田厚選手と鈴季すず選手がタッグを組んで試合をするそうです。興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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