“統一”と“分裂”「IWGP世界ヘビー級ベルト」とウィル・オスプレイ

“統一”と“分裂”「IWGP世界ヘビー級ベルト」とウィル・オスプレイの動向について書きます。

新日本プロレスのアメリカ大会がいよいよ本格的にスタートしたんだなぁ。

大会が終わった後にぼんやりとそう思うほどに、2021年8月15日(日本時間)に開催された「カードファイト!! ヴァンガード overDress Presents RESURGENCE」が凄すぎたんです。

あんまり言葉にしにくいのですが、試合内容も連発されるサプライズも全てこんな新日本プロレスを見たかったと思わせるものでした。

色々と書きたいことはあるのですが、やっぱり声援が飛び交う会場はいいですね。

エンターテインメントに必要なのはファンから歓声なのだと痛感しました。

今回、石井智宏選手や棚橋弘至選手は2メートルクラスの大男と「アメリカの地」で激突したわけですが、本人たちの実力も相まってか会場からのコールが印象的でした。

会場から響く「イシイ!!!イシイ!!!」や「タナハシ!!!タナハシ!!!」コールを聞いているだけで胸が一杯になりました。

早く日本でも声を出していい状況にならないかと本当に願います。

「RESURGENCE」で一番大声が出たのはウィル・オスプレイ選手のサプライズ登場でしょう。

自身のエントランスミュージックが流れる中、スーツで姿を現したウィル・オスプレイ選手。

「G1クライマックス」にはエントリーしない。

鷹木信悟選手は暫定のチャンピオンだと言い切り、もう一つの「IWGP世界ヘビー級ベルト」披露したのです。

 

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「ここに来られて嬉しいとでも言ったほうがいいか? でも、俺はロサンゼルスなんて大嫌いだ。俺が今日ここに現れることも予想してなかっただろうけど、会社に一つもの申したい。復帰する準備はできた。もうすぐ『G1』が始まるよな? なら、ここでハッキリ宣言させてもらおう! ウィル・オスプレイは今年の『G1』に出ない! もっと言うと、日本のリングには戻らない! 俺はニュージャパンのためを思い、自分を犠牲にしてでもベストを尽くしてきた! なのに俺がたった4カ月の休養を頼んだら、会社はその代償として俺からIWGPのベルトを取り上げた! ジョン・モクスリーの野郎は一年以上もUSベルトの防衛戦もしていないっていうのに、なぜここまで身をボロボロにして全てを捧げてきた俺にそんな仕打ちができるんだ! ここで俺から一つ要求がある。シンゴ・タカギ!(ファンが拍手をすると)そうだよな、オマエらファンはタカギが大好きだよな? でも俺は首を負傷していながら、あいつに勝ったんだ。たしかにいま、アイツがベルトを巻いているかもしれないが、アイツは”真”チャンピオンではない! あくまでも”暫定”チャンピオンだ! その証拠にベルトは今俺の手元にある(ベルトを取り出す)。俺は一度も負けてない! だからここから誰が相手でも、ニュージャパン以外の選手でもいい、俺がこのベルトを防衛していく!”禁断の扉”だってこじ開けてやる!(ファンがAEWと叫ぶ)黙れ! AEWなんかに俺と対等に闘える奴はいない! 今日から俺がこの『STRONG』を制覇する! LA道場の雑魚ばっかりだった『STRONG』のマットにもようやくホンモノのスターが登場だ」

出典:新日本プロレス

 

ユナイテッドエンパイア動く

さらにバックステージでは、改めて自らこそが「IWGP世界ヘビー級王者」であると宣言。

LA道場のヤングライオンたちに対して、挑発行為を繰り返したのです。

オスプレイ「俺からIWGP世界ヘビー級のベルトを取り上げといて、タダで済むと思ったか? ベルトは今でも俺のものだ! 俺はニュージャパンを盛り上げるため、誰よりも自らを犠牲にし会社に忠誠を尽くしてきた。ニュージャパンリングの主役はこの俺だ、そして今日からこのSTRONGマットでも俺が主役に君臨する。俺に日本のマットに戻ってきて欲しければ、たった今から、タカギを”暫定”チャンピオンに訂正しろ。ウィル・オスプレイこそが”真”のIWGP世界ヘビー級王者だ。クラーク・コナーズとカール・フレドリックス、用心しろよ。このベルトが欲しければ、俺が相手になってやる」

出典:新日本プロレス

ウィル・オスプレイ選手に連動し、グレート-O-カーン選手も本格的なスタンバイを宣した。

ウィル・オスプレイ選手だけでなく、グレート-O-カーン選手、ジェフ・コブ選手、アーロン・ヘナーレ選手ら“ユナイテッドエンパイア”の新展開がはじまるのは間違いありません。

また、アメリカの地で新メンバーが誕生する可能性も...。

 

分裂問題に関して

今回の1件で「IWGP世界ヘビー級ベルト」が2本に分裂しました。

ウィル・オスプレイ選手が返上した瞬間を誰も目にしていないため、いつから2本存在していたのかも定かではありませんし、どっちが本物なのかは職人と本人たちのみぞ知ると言ったところでしょう。

ウィル・オスプレイ選手のサプライズ出場は「STRONG」への参戦を表明するものであり、「STRONG」で「IWGP世界ヘビー級選手権試合」を行うというものです。

“三代目”鷹木信悟選手に対して全く不満も不安もないのですが、やはりウィル・オスプレイ選手に2連敗していることの暫定感は否めないのが現実問題としてあります。

通常であれば復帰からの挑戦表明がベターな流れなのですが、実は鷹木信悟選手の場合、飯伏幸太選手とタイトルマッチも中止(延期)となっているため、ウィル・オスプレイ選手だけでなく、飯伏幸太選手とも戦う必要があるのです。

改めてウィル・オスプレイ選手と分裂した「IWGP世界ヘビー級ベルト」に関してですが、この復帰スケジュールが事前に出ていれば返上する必要がなかったように思うのです。

ただ、ウィル・オスプレイ選手の言い分であるジョン・モクスリー選手の件に関しては世界的な状況もあり、不測の事態の故しょうがないよなと思いつつ...。ウィル・オスプレイ選手からしたらまぁそう思っても不思議ではないよなぁといも思いつつ。

「IWGPヘビー級ベルト」で分裂なんかしたら超絶大事件になったと思いますし、新設されたばかりの「IWGP世界ヘビー級ベルト」だからできたことだとも思います。

これからの新日本プロレスは日本VSアメリカが加速していく。そして、アメリカは他団体とも積極的な争いが行われていく。そんな気がしています。

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