新日本プロレスファンに届けたい「お耳に合いましたら。」の魅力
新日本プロレスファンに届けたい「お耳に合いましたら。」の魅力。
かなり久しぶりなこの企画で筆を取ってみる。
2021年7月8日からテレビ東京系列で毎週木曜日の深夜0時30分に放送されている「お耳に合いましたら。」。
テレビ東京と音楽ストリーミングサービス「Spotify」がタッグを組んだドラマとPodcastを連動させた新しい作りが話題を呼んでいる。
このドラマが非常に面白い。個性豊かな登場人物はどこか生っぽさを感じるし、物語の中軸にあるエピソードも秀逸なものが続く。
少しだけ物語の触りを書くと、主人公の高村美園(伊藤万理華さん)はチェンメシ(飲食チェーン店のご飯)をこよなく愛するOL(漬物会社)である。
一見すると喋り下手なように映るが、自分が愛する“チェンメシ”になれば話は別。普段のちょっも自信無さがな雰囲気から一転し、饒舌かつウィットに富んだ表現で目の前にある食事を表現する。
何よりも美味しそうに喋るし、食べる。
彼女は「好きなコトは誰かに伝えないと、好きという気持ち自体が薄れて、なくなってしまう」と耳にしたところから、Podcast配信をはじめている。
僕が注視したいのは好きな気持ちを誰かに伝える大切さについてだ。
自分だけが好きなものよりも誰かに教えて一緒にコンテンツを楽しんだ方が「いい時間」になると思うのだ。
昨晩の第6話エンディング映像⋆͛📢⋆#お耳にダンス 💃ジョナサンver.#伊藤万理華 × #桜井玲香 ꔛ♡
— お耳に合いましたら。公式🎧木曜深夜0時半 (@tx_omimi) 2021年8月20日
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好きな気持ちを発信すること
好きな気持ちを吐き出し、誰かが共感してくれる。これはオフライン、オンライン問わない。
日常の自分から離れた場所にいる人が毎日(毎週、毎月)楽しみに待っている。
直接お話ししたことはないし、顔も知らない。それなのに何故かつながっている気持ちになれる。
そんな細いんだけど強い糸の関係が僕は好きだ。
2018年。僕がどうしようもなかった時に、2人の先輩が「プロレスそんなに好きなら発信しなよ。ブログ書こうよ」と言ってくれたお陰で今がある。
そんな初心を「お耳に合いましたら。」は思い出させてくれた気がする。
好きなことを発信する。勇気は必要だが、僕は素晴らしいことだと思う。
そして、このドラマが秀逸だったのはキラキラした部分だけを描くことに特化しなかった点にある。
ネガティブなコメントへの心構え
2021年。正しくは2010年代くらいか。一歩踏み出す勇気を持って配信や発信をはじめるとおおよそ以下のことが起こるりがちだ。※ブログで例えている。
- そもそもあまり読まれない
- 少しずつ読まれ始めてファンができる
- ファンと同時にアンチなコメントも増える
- 賛否の「賛」は日常に溶け込むが「否」は発信されやすい
- 「否」の声がやたらと気になる
- 配信・発信のテンションが下がる
- 一方で「賛」のメッセージがたまに届くとめちゃくちゃ嬉しい
以前であれば2ちゃんねる(5ちゃんねる)に書き込まれていたことが、ダイレクトアタックで本人に飛んでくるようになった。
見るのが自己責任から仕事上見なければいけないところに見ない方がいいモノを投げられる感覚。厄介なのはコレとプレゼントが同じ場所に並んでいる状態なっていることだろう。
アーティストやアイドルの有料ファンクラブサービスが増えているのはそうした背景がある。彼ら彼女らもメンタル的に限界なのだ。
僕もスタートして4周年目に突入したこの新日本プロレスのファンブログだって、色々なことがあった。
こっちの都合を知らない(まぁ知るはずもないんだけど)人がボロクソにTwitterで書いてきたり。
その影響でエゴサをやめたため、基本的にTwitterでの交流は控えるのが僕のスタンスになった(メンタル的にキツい時にそれが来てもう辞めてやろうと思った時にもストップをくれたのは、普段読んでくださっている人たちの熱いコメントだった。いつもありがとうございます)。
そんなネガティブなコメントに対して、主人公の高村美園は「サビ抜き」することを提案した。
詳細は本編を見ていただきたいので割愛するが、ネガティブなコメントに対して、寛大な心で接するというスタンスだ。
※それでも限界はあると本編中でも示されている
ネガティブなコメント(強めな伝え方)の影響で、本当に大切なことを見逃してしまうのは勿体ない。
いい意味での賛否両論を呼ぶのが良いコンテンツであるべきだし、考えさせたり、影響のあるモノが僕は素晴らしいと思う。
何の気なしに見たドラマでここまで心を動かされた結果、僕はこうして筆を取っている。
レガシーを進化させる
思えば主人公の勤め先が「漬物会社」であることにも意味がある。
「漬物」はレガシーな食べ物だ。どちらかと言えば高齢者のイメージがある。
高村美園や須藤亜里沙(井桁弘恵さん)、佐々木涼平(鈴木仁さん)らは日々、らっきょうなどのキャンペーンを企画し、販促を考えている。
実際のところ「漬物」は音声メディアのメタファーなのだろう。
テレビからYouTubeなどの動画が躍進する中で、音声メディア(ラジオ)はブレイクスルーの機会をずっと伺っている。
形を変えずに新しいモノに変化する。
僕は今の時代に必要なのは暖かさだと思っている。
瞬間風速ではなく、継続的浸かれる温泉がいい。
僕が好きなラジオ番組はみんなそんな印象だった。
次々と新しいモノが生まれる時代。「お耳に合いましたら。」の協力に音声メディアの「Spotify」が入っていることだって新しいチャレンジなのだ。
色んなチャレンジする。そんな気持ちが詰まった番組だからなのか。何故だかハマってしまった。
ラジオってやっぱりいいよね
最後に。
僕がは子どもの頃からラジオが好きだ。
極楽とんぼやくりぃむしちゅー、ナインティナイン...。
色んなパーソナリティがテレビで魅せる姿とちょっと違う「素」な雰囲気が楽しめるあの空気感は音声ならではだと思っている。
2021年まで時代が進むと僕たちの子どもの頃と比べて動画の配信コストが段違いになったし、特別な訓練を受けたり、オーディションで選ばれなくても誰でもインターネットの海にコンテンツを流せるようになった。
音楽だけで言えば、いわゆるストリートミュージシャンがいきなり全世界に自分の曲を発信できる状況。裾野は広がりまくったし、チャンスは無限大に広がった。それは素晴らしいことだ。
一方で、飽和しすぎたコンテンツから自分が好きな物を見つけることができても、自分の枠を広げるような新しい発見はしにくくなってきている。
よく見るYouTubeチャンネルは既存の枠の中で常に楽しい物を提供してくれるが、決して枠から出ない。そもそも枠外であれば見ない選択も取れる。
そんな時代でラジオ(Podcast)は動画と比較しても情報量が少なく、さらに時間も長尺になりがちだ。
ただ、それがいい。ラジオ(Podcast)は既存の自分を広げる役割をしてくれる。
全然知らなかったようなことにたった一言で興味を持つことだってあるし、知らなかった音楽と出会うことだってある。
好きを追求して、その枠内で楽しませてくれる「動画」。
新しいことに興味喚起するキッカケになる「ラジオ(Podcast)」。
「お耳に合いましたら。」をAmazonプライムで見終わった時にそんな感想へたどり着いた。
ぜひ、お時間のある方は見てみて欲しい。
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