本間朋晃とタイガーマスクのバックステージが心に沁みた

本間朋晃とタイガーマスクのバックステージが心に沁みた。

結果が出ない自分、弱い自分とどう向き合うのか。

この日、小島聡選手が放つ“剛腕”の前に沈んだ本間朋晃選手を待っていたのはタイガーマスク選手からの厳しい一言だった。

現在、新日本プロレスの台所事情を考えると正直に言ってかなり厳しいことが想定される。

とても分かりやすい例が2021年7月25日に開催された『映画『ゴジラvsコング』Presents WRESTLE GRAND SLAM in TOKYO DOME』だろう。

東京ドーム大会と言えば、ド派手な演出がウリであり、花道を歩くレスラーを見るだけで胸が躍る一番のお祭りである。

だが、現実は来場者数5,389人。セットも演出もかなり控えめなものになっていた。

そもそもで客を入れられない上にチケットの販売タイミング自体も厳しい。対戦カード数自体も第0試合を入れて6試合。2021年以前は約10試合が行われていたことを考えると、興行自体が縮小されているのが現状だ。

好転しない社会状況。毎日のように発生しているSNSでの炎上。久しぶりに誰かに会いたいと思っても「今は無理ですよね...」と諦めてしまう日々。

ストレスが山のように積み重なったり想像もしていなかったアクシデントが発生したり。なんかもう全部どうでもいいや。全部捨てて田舎に帰るか、なんて。

自分の人生でこれまで思ったことがないことも頭によぎったりした。

そんなことが頭のどこかにありつつ、新日本プロレスワールドを見て、いつものように新日本プロレス公式スマホサイトを覗いたらタイガーマスク選手が本間朋晃選手に強いメッセージを送っていた。

 

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みんな怪我しているぞ

この日、タイガーマスク選手は本間朋晃選手とタッグを組み、小島聡選手&マスター・ワト選手と激突した。

新日本プロレス本隊同士の一戦。GK金沢さんの言葉を借りるのであれば、テーマのない試合に見えがちだ。

ただ、実際はそうじゃない。僕がリング上にあるテーマを読み解けていないだけだった。

www.tokyo-sports.co.jp

このニュースを覚えているだろうか。本間朋晃選手はフリーのレスラーであり、新日本プロレス所属ではない。そのため、試合に出場しなければ収入がないのだ。

事実は違うかもしれない。ただ、一瞬頭をよぎったのはなぜ、真壁刀義選手はこの日、解説席に座っていたのだろうということである。

真壁刀義選手はいくらバラエティで人気があると言ってもその中身はプロレスラーだ。

相手を叩きのめす快感を知っている“暴走キングコング”がなぜ、試合に出ないのか。

そんなことまで考察してしまう。

タイガーマスク選手は本間朋晃選手に火の玉ストレートを投げた。「リングの上で結果を出すしかない」と。

タイガー「本間〜! (※本間をバックステージに呼び込み)本間一つ。おまえ怪我してるかもしれないけど、みんな怪我してるぞ。みんなどっか怪我してんだよ。それカバーしてやってんだよ、みんな。いいか、おまえだけじゃないぞ。おまえはしっかりもう復帰もしてるし、お客さんの前で試合もしている」
本間「言い訳しないっす、もう」
タイガー「言い訳とかそういうんじゃない」
本間「分かってます」
タイガー「もうリングの上でオレたち結果出すしかないんだよ」
本間「そうっすね」

タイガー「そうだろ、オレたちキャリアたいして変わんないんだよ。結果出すしかないんだよ。リングの上で動くしかないんだよ。相手がジュニアだろうがヘビーだろうが関係ない、やるしかないんだよ」
本間「負けたままじゃいられないっす、オレだって」
タイガー「絶対やれよ! オレも負けることあるよ。でも、オレは絶対にくたばんねーぞ。おまえも腐るなよ。わかった? 頑張ろう!」

出典:新日本プロレス

 

エリートたちへの言葉

新日本プロレスのヤングライオンは世界中を見渡してもトップエリートと言って遜色ないはずだ。

歴史と伝統のある団体で“新卒”としてデビューを飾る。プロレス漬けの毎日を送ることができるし、先輩たちも超一流のレスラーばかり。厳しくも学びの多い環境であることは間違いない。

新しい一歩を踏み出した若獅子2人に対して、本間朋晃選手は「ライバルじゃなくても負けねぇぞコノヤロー!」と語った。その姿勢がなんだかカッコいいなと思った。

本間「先輩に言われなくたってわかってんだよ。結果だよ結果。オレは言い訳しねえ。1戦1戦、必至に戦っていくだけ。負けたかもしれない、負けたかもしれない。でも言わせてもらう! メットライフドーム、“IWGPタッグ3WAY”。やっぱりオレと真壁入れて4WAYしかねーだろ。オイ、負けたから言う権利がない? んなこたあ分かってんだよ。でもよオレは、言ってやる! 実現するまで言ってやる! オレはこのままで終わんねえ。あと1つ、今日の第1試合、大岩と藤田、デビュー戦おめでとう。またライバルが増えちまったよ。でも、藤田、大岩! 今のこの時代にどんだけ、どんだけ、ここまでやるかってぐらいの練習やって、デビューまでこぎつけたんだ。 おまえら、もうそれだけで胸張っていいよ、誇りに思え。あと、新日本でデビューできた、新日本が出発、それだけでおまえら、エリートだぞ。でもオレは雑草かもしんねえ、でもオレは絶対このままじゃ終わんねーから。藤田、大岩もライバルじゃなくても、負けねえぞコノヤロー!」

出典:新日本プロレス

 

もがきながら生きていく

2021年8月17日の後楽園ホール大会でグレート-O-カーン選手に敗れた本間朋晃選手は、「G1クライマックス31」へのエントリーが絶望的になった。

ただ、本間朋晃選手はそこでも諦めないと語っている。

諦めが悪い男がある意味で一番怖い。100回やっても勝てないなら101回目を戦えばいい。そんなスタンスが一番厄介なのだ。

そして、そんなスタンスが人として最も美しいのだ。

映画『ロッキー』でロッキー・バルボアは何を乗り越え、何を手に入れたのか。

この日の本間朋晃選手とタイガーマスク選手の試合とバックステージを見ていて、そんなことを考えてしまった。

自分もカッコよく生きていきたいな、と。

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