飯伏幸太が棚橋弘至にぶつけるのは“闘争心”であり“愛”である

飯伏幸太が棚橋弘至にぶつけるのは“闘争心”であり“愛”である。

2021年9月4日、いよいよ新日本プロレスに“ゴールデン☆スター”飯伏幸太選手が帰ってくる。

2021年のイッテンヨン、イッテンゴで東京ドームのメインイベントになり、「IWGPヘビー級」、「IWGPインターコンチネンタル」W王者に君臨。

ここからが凄かった。

新日本プロレスの歴史を大きく塗り替えた「IWGP世界ヘビー級」ベルトの初代王者へ。

賛否両論。いや、明らかに「否」の声が大きい中で、飯伏幸太選手は団体のトップとして矢面に立ち新時代の創生に向けて動いてきた。

そんな彼をアクシデントが襲った。

新日本プロレスの公式発表は「誤嚥性肺炎」。

本来であれば決定していた“3代目”鷹木信悟選手との一騎打ちに臨むことは叶わず、約2ヶ月間の欠場となった。

体重は10キロ落ちた。インタビューの内容を見ると、心肺機能に影響がありこれまでと同じトレーニングがこなせなくなっているらしい。

“天才”を襲った悲劇。ファンの深い悲しみ。さまざまなネガティブなことが起きる中で、僕はこうも思っている。

飯伏幸太選手の魅力がどんどん増しているのではないか、と。

ベビーフェイスには人知らない哀愁も必要だ。

飯伏幸太選手が完全無欠のチャンピオンになるために必要な2ヶ月間だった。

そういった前向きな目線で新日本プロレスワールドに投稿された“復活劇”の動画を見ていきたい。

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新日本プロレスワールド

飯伏幸太選手は2021年7月2日の辻陽太選手戦を最後にほぼ動くことができていなかった。

9キロ落ちた肉体は完全にジュニア時代の体格に戻っていた。

明らかに細い。パンパンに筋肉を膨らませることで“ヘビー級の飯伏幸太”を作り上げていたことが改めて分かる。

第一弾のタイトルは〜練習再開初日 戻らぬ闘争心〜。

約1ヶ月振りの練習はキックボクシングからスタート。

だが、少し動いただけで息切れを起こしてしまう。

シャドーボクシングをしていても、感覚が全然違うと溢す。

声を張り上げながらサンドバックを殴る、蹴る。

その結果、判明したのは「気持ちが完全に折れている」ことだった。

プロレスの為だけに捧げてきた何かが折れてしまっている。

そのことを自覚してしまった。

息が上がっているのは言い訳。気持ちでカバーしていたところができていない、と。

 

根性とは技術

「これからは気持ちを鍛えていく」飯伏幸太選手がこの言葉を残した時に浮かんだのは佐山聡さんの顔だった。

「根性というものにも理論的なものがある。根性を科学的に分析してほしい」

数十年前にそう語っていた初代タイガーマスク。飯伏幸太選手は根性を鍛え直すためのトレーニングにここから向き合うのだ。

パート2のタイトルは〜闘争心を取り戻す 立ち返る“原点”〜。

友人である前口太尊さん(元キックボクサー。プロレスにおいては飯伏プロレス研究所所属)とラウンド・時間制限なしのスパーリングへとの臨む。

あの飯伏幸太選手がスパーリングでやられまくっている。正直、なかなかショッキングな映像だった。

飯伏幸太選手はどこか浮世離れしていて、何をやっても完璧なイメージがあったためだ。

ただ、このスパーリングを経て、闘争心がメラメラと燃えてきたことが動画を通じても伝わってくる。

既に初回の動画と比較して目つきが違う。

 

完全復活へ

最後の動画はタイトルマッチのの3日前に撮影されている。

飯伏幸太選手は4週間で己を取り戻した。

受け身やリングでの動きを確認していても、第一回のような雰囲気はない。

ただ、回復したことで課題も見えてきた。

爆発的なパワー。

これまでの鬱憤を社会的な鬱々とした雰囲気を全て弾き飛ばすような輝きを解き放とうとしているようにも見える。

感覚を取り戻した飯伏幸太選手は棚橋弘至選手についてこう語っている。

やはり“神”である、と。

「飯伏しっかりしなさい」

「棚橋さんしっかりして下さい」

棚橋弘至選手と飯伏幸太選手の関係はベビーフェイスのパートナーであり、いわゆるライバルではない。

YOH選手とSHO選手が遺憾マッチだとするのであれば、今回のタイトルマッチは“飯伏を最高の形で復帰させる”ことが目的の試合だ。

ただ、最高の形で戦線復帰した飯伏幸太選手から勝利することで逸材はその価値を爆発的に高めることができる。

一方で、飯伏幸太選手は「IWGP USヘビー級ベルト」を戴冠すれば「日本」の新日本プロレスのシングルタイトルはグランドスラムになる。

新日本プロレスの外交官として飯伏幸太選手がアメリカへと遠征を繰り返すことでAEWもまた新しい動きを見せてくるのは間違いない。

どちらが勝っても負けても最高のエンディングが約束されたタイトルマッチ。いい意味でここまで安心してメインイベントを見ることができるのは久しぶりかもしれない。

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