ロビー・イーグルスのプロレスをじっくりと見てみた結果...

ジャパニーズ・ドリームを掴んだ男・ロビー・イーグルスについて今日は書いていきたい。

正直言って、予想外だった。ロビー・イーグルス選手の天下はここまで、再び高橋ヒロム選手が時代の中心となり、ジュニアの新しい歴史生み出すために邁進していくのだと勝手に思い込んでいた。

赤い髪の男が改めて、ベルトさんと再会する日になるのだ、と。

現実は甘くなかった。欠場明けの高橋ヒロム選手を待っていたのは、スナイパーによる情け容赦のない狙撃だったのだ。

棚橋弘至選手も解説席で語っていたが、ロビー・イーグルス選手は影の実力者として認知はされていた。

事実上の解散状態にあるウィル・オスプレイ選手との“バーズ・オブ・プレイ”に関してもベルトやリーグ戦制覇などの実績こそないものの、最強のジュニアタッグチームの一角であることは間違いなかった。

また、ロビー・イーグルス選手はタッグでも凄いがその本質はシングルプレイヤーであることは、2019年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」ですでに証明されていたのだ。

影の実力者が新日本プロレスジュニアの主役2人(光と影)を撃破。今度は「IWGPジュニアタッグ」のベルトも視野に入ってきた。

 

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ロン・ミラー・スペシャルの恐ろしさ

ロビー・イーグルス選手のロン・ミラー・スペシャルが猛威を振るっている。

ジュニア選手の武器は機動力ある。スピードでかき回すタイプや飛び技を得意とする選手。そのすべての推進力を担っている脚を攻め続けることで、肉体的なダメージを与えると同時に、機動力をも奪う。

金丸義信選手が一点攻撃が効率的だと何度も解説席で説いている。

ロビー・イーグルス選手は脚への一点攻撃を狙うことで、一挙両得を得ているのだ。

だが、少し考えてみると分かるが対戦相手もそんなことは百も承知なはず。

ロビー・イーグルス選手の必殺技がロン・ミラー・スペシャルで、脚攻めを徹底してくるのであれば、対策を立てればいいだけだ。

 

戦い方を変えてくる

改めてロビー・イーグルス選手の試合を見てみた。序盤から中盤に掛けて脚を攻めていない。正確には攻撃を散らすことで、対戦相手の脚攻めへの集中を解いているようにも見えた。

彼の試合運びは序盤から中盤に掛けて攻撃を全体に散らす。

避けられない、よけにくいシーンで脚への攻撃を開始している。ダメージを受けて倒れている高橋ヒロム選手の膝を踏み、蹴りはじめたのが合図だと僕は解釈した。

この後はターボバックパックなどの大技を見舞いつつ、随所で脚攻め。そして、ワープ4.5を敢えて脚に見舞った後、最後はロン・ミラー・スペシャルで仕留める。

ロビー・イーグルス選手のウエイトだとワープ4.5がフィニッシュにならない可能性がある。ただし、脚への攻撃だと思えば、絶大な効果のあるフィニッシュへのつなぎ技になるのだ。

改めて彼の試合運びを見ていたら“スナイパー”の文字が浮かんできた。

獲物を仕留める前にまず追い詰める時間がある。

ロビー・イーグルス選手が“スナイパー・オブ・ザ・スカイ”と呼ばれているのはこういうことなのだと合点がいった。

そんな彼の実力を認めているからこそ、エル・デスペラード選手はリスクを承知で名乗り出たのだ。

イーグルス「じゃあ乾杯の時間だ。(※ZIMAを開ける)もう靴に注いだりしないから、大丈夫だ。それに新たなベルト(タッグ)の可能性まで見えてきた。ヒロム…まず初めに…(※ZIMAを一口呑んで)キツかった。オマエはジュニアの力を見せたいっていつも言ってるが、オマエの力の強さはヘビー級並みだよ。オマエほどの力で俺にかかってくるやつは今までいなかった。それにオマエのそのクレージーさは他の誰にも真似できない。オマエは毎試合リングで文字通り全てを捧げ勝負に挑んでる。そこがオマエのいいところで俺は好きだ。でも今日俺はオマエに勝って、このベルトに恥じないチャンピオンだと証明した。だから、ヒロムさん、サンキュー。もう大きなケガをしないよう十分に気をつけてくれ。だって俺はこれから何度でもお前と闘っていきたいと思ってるから」

イーグルス「俺にベルトを獲られた男がリングに上がってきたな。アイツの手、骨折しててもおかしくない。俺だってアイツがベルトを獲った瞬間に挑戦宣言をしてるから、これでおあいこだな。まぁ俺の方はビデオメッセージだけで実際には登場してなかったが。でもオマエがIWGPジュニアタッグのベルトを懸けるって言ったからには受けないわけにはいかない。なんだか俺とオマエは不思議とギブアンドテイクの関係で成り立ってるのかもな。だから、礼を言うよ。リングでも言ったがもう一度言う。お前の挑戦を受ける。パートナーはもちろんタイガーマスクだ。『SUPER Jr. TAG LEAGUE』でもかなりいいところまで結果を残せたしな。しかも次はリーグじゃない、1回勝てばベルトを獲れる。デスペラード&カネマル組にはリーグで一勝してるし、次も絶対に勝てる。(次の防衛戦で)そしてシングルとタッグのジュニア2冠王としてこれまで一度も見せたことのないロビー・イーグルスの闘いを築いていく。俺とパートナーは20歳近く年が離れてるけど、彼は他でもないレジェンドだ! フライング・タイガーズが次期IWGPジュニアタッグチャンピオンだ! シングル、タッグ、どっちが先でも構わない。そこはデスペラードが決めればいい。でもタイトルマッチまでに万全のコンディションに戻してくれよ。(前回の)トーキョードームを超える闘いをぶつけてきてくれ。その上で俺はこのZIMAのボトルのようにお前をクシャッと潰す。(※ZIMAを飲み干す)お前はこのスナイパーに降伏するんだ。アリガトウゴザイマシタ。一本もらってくよ(※と、置いてあったZIMAの残りを一本持って控室へ)」

出典:新日本プロレス

 

実力で黙らせる

人が認められるためには大きく2つの道があると思う。

一つは共感を得ること。“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”をつくった内藤哲也選手だったり、バックステージで色々な表現を交えながら正論を説きつつ、ファンを楽しませるKENTA選手だったり。

自分に素直にまっすぐ生きている様子や誰かのために振り切っている姿。そんな生き様が共感を生み、誰からも認められる者になる。

もう一つが実力で黙らせること。

最近だとロビー・イーグル選手、ジェフ・コブ選手が完全に実力でファンを黙らせ、認めさせている。

オカダ・カズチカ選手と高橋ヒロム選手が負けたのだ。ヘビーとジュニアのトップ2人が数年前は影の実力者と言われていた“ガイジン”レスラーに敗れたことは新日本プロレスとしてもエポックメイキングな出来事だろう。

余談だが、EVIL選手がSNSでやいのやいの言われているのをよく目にするが、この2つから逸脱していること、“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”時代にはあったファンが妄想でユニット内の関係性を埋めるということができなくなっていることが大きいと思う。

反則・介入では共感性が生まれない。実力も一対一じゃないから分かりくい。だから認められない、受け入れられない、好きじゃないとなるわけだ。

ヒールとしては120点。だが、会場以外の場所で文句を言うのはそろそろ控えた方が“これからのファンのため”だろう。

話が逸れた。

新日本プロレスジュニアで今、最も輝いているのはロビー・イーグルス選手である。日本語も解禁したことで、ベビーフェイスとしてさらに人気が出てくるのは間違いない。

ジュニアヘビー級でストップ・ザ・ロビーを成し遂げるのは誰か。個人的にはどこかのタイミングで“マーダー・マシン”と化したSHO選手が出てくるような気がしてならない。

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