なぜ、鷹木信悟は新日本プロレスのトップに立つことができたのか?
なぜ、鷹木信悟は新日本プロレスのトップに立つことができたのか?
『“3代目”IWGP世界ヘビー級王者』鷹木信悟選手。新設されたタイトルということもあり、現在は最長保持記録を更新中。
2021年の新日本プロレスを牽引するトップレスラーだ。
2018年に“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”6人目のパレハとして新日本プロレスマットに参戦した時から鷹木信悟選手は一味違う感じを出していた。
機動力とパワーを活かした圧倒的にクオリティの高い試合。会場の空気を盛り上げるパフォーマンス。
さらに試合後からバックステージに至るまで、饒舌かつインパクトのある「言葉」。
その全てがハイレベルにあり、気づけば新日本プロレスに欠かせない漢になっていた。
だが、ここまでのハイスピードで頂点に立つと予想していた人は少なかったと思う。
2019年にジュニアから無差別級、ヘビー級へと戦場を移しながら、徐々に己の力を証明。
ベルトが主役と言われる(僕が勝手に言ってる)「NEVER無差別級」の申し子とまで言われる存在になると、彼への期待値は爆発的に高まった。
そもそも「NEVER」は「IWGP」の冠は無くとも、試合内容では凌駕してしまう瞬間が度々あった。
棚橋弘至選手を「NEVER」の世界へと引き摺り込み「NEVER」に対する愛情、真心を語る。
敗れはしたものの、次の目標を「IWGP世界ヘビー」に定め、天下取りへと打って出た。
結果、ウィル・オスプレイ選手に敗れてしまったのだが、彼がなんと負傷によりベルトを返上する事態へ。
元々時期チャレンジャーとして内定していたオカダ・カズチカ選手を打ち破り、“3代目”を襲名した。
なぜ、鷹木信悟選手はここまでのスピードで新日本プロレスの頂点に立つことが出来たのだろうか。
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— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年9月15日
「『G1』を初制覇し完全復活した姿を見せる!」
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82年組の存在
試合内容、パフォーマンス、言葉。この3つが高次元にあったことが前提。その上で鷹木信悟選手には一つの強みがあった。
それは新日本プロレスのトップレスラーかつ今の新日本プロレスのトレンドにいた2人がいたことである。
“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”内藤哲也選手、“ゴールデン☆スター”飯伏幸太選手。
特にアクションを起こさずとも同級生かつ以前から関係があったため、早々にライバル関係の構図ができた。
また、ジュニア時代には石森太二選手との同級生対決&“闘龍門”・“ドラゴンゲート”対決という歴史が彼のバックボーンにはあった。
解説席に座っているミラノ・コレクションA.T.さんとの親交も深く、彼がどれだけの実力者なのかは第三者的にも語られることが多かった。
プロレスは1人ではできないスポーツ。必ず、対角線に立つ相手、ライバルが必要なのだ。
その意味で内藤哲也選手、飯伏幸太選手、さらに同門対決という意味でSANADA選手、(離脱したが)EVIL選手とも強い何がある。
さらには同時にヘビー級の世界へと打って出たウィル・オスプレイ選手は最高の相手とも言えるほどに手が合い、ベストバウトを産むことができる存在だ。
ライバルを作れるだけの実力。ライバルがいた巡り合わせ。これが鷹木信悟選手には備わっていた。
新日本プロレスで頂点を目指すと必ず棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手にぶち当たる。
その2人を退けた今、鷹木信悟選手の目には2人のレスラーが浮かんでいる。
――また、同じAブロックにはかねてより同い年として意識しあう内藤哲也選手、飯伏幸太選手もエントリーしています。内藤戦(9.26神戸)は2年前の『G1』での初対決以来となりますね。
鷹木 そのときは俺が負けてるからな。まあ、同じユニットだし、内藤がトップを走ってたときに俺はべつに敵対心はなかったんだけど、逆に内藤はいまの俺に対して、なんかおもしろくなさそうなんだよ(笑)。
――一応、内藤選手も「いまの鷹木はすごい。L・I・Jの序列が変わった」と称えるコメントを出されてますが……。
鷹木 でも、本音はべつで、思うことがあるんだろうな。ただ、これまでの実績でいえば内藤のほうが上だし、アイツと五分の関係にするには、まず勝敗を五分にしないとなって思ってる。
ザ・ドッグ事件
そして、もう1人。今回の「G1クライマックス」で注目の試合は鷹木信悟選手からすれば一勝一敗となるKENTA選手だ。
――そのほか、気になる公式戦は?
鷹木 KENTA(9.30後楽園)とは今年の『NEW JAPAN CUP』の初シングルで俺が勝ったけど、アイツはあんなもんじゃないと思ってる。俺はアイツに「オマエは“DRAGON”じゃなく“HAWK”だろ」って突っ込まれたけど、俺からすれば「オマエは“ヒデオ・イタミ”じゃなく“KENTA”だろ」って。
――ヒデオ・イタミはKENTA選手が海外で名乗ったリングネームですね。
鷹木 海外を経て、いまはノラリクラリとしたファイトスタイルだけど、俺を2008年に蹴りでKOしたときのKENTAはどうしたんだ? いまのスタイルで来るかぎり、俺は全く引くつもりはない。
鷹木信悟選手の指摘通り、“バレットクラブ”移籍後のKENTA選手はノラリクラリとしたファイトスタイルを信条としている。
相手のリズムを崩し、そこに得意の打撃を見舞うスタイルだ。
ただ、その奥に眠っている“あの頃のKENTA”がいるのは紛れもない事実。試合の終盤に時折り出てくる“KENTAのプロレス”が鷹木信悟選手の手によってどれほど引き出されるのか。ここに注目している。
今回はチャンピオンとしてライバルたちを迎え撃つ立場にある鷹木信悟選手。
新日本プロレスのトップとして、「G1クライマックス」制覇となるか。まだまだ熱さの続く秋になりそうだ。
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