新日本プロレスの「乱入・介入」へ僕が思うこと
棚橋弘至が新日本プロレスの「乱入・介入」へ提言。納得しかかなかった。
いよいよ本日、2021年9月18日から新日本プロレス“秋の最強戦士”決定戦『G1クライマックス31』がスタートする。
それに先駆けて配信された『棚橋弘至のPODCAST OFF!!』と『G1 CLIMAX 31 2021年9月17日 新日本プロレス G1 CLIMAX 前夜祭!』で棚橋弘至選手。
メインは『G1クライマックス』についてなのだが、それぞれの番組内で現在の新日本プロレスで危惧している点について語っていた。
「乱入・介入」についてだ。
新日本プロレスの公式Twitterやレスラーのリプ欄などがとにかくこの話題で荒れがち。
今回、棚橋弘至選手が指摘したのはYahooのコメント欄である。
逸材は自身について書かれた東京スポーツ記事がYahooに転載されていたのを見た。
そのコメント欄には自分の試合とは全く関係のない新日本プロレスの「乱入・介入」についてのコメントであったという。
先程、僕も目を通してきた。
Twitterで寄せられる意見とはちょっと角度が違う。まぁそうだよねと納得してしまう点も事実としてあった。
今日はそんな「乱入・介入」について僕が思うことについて書いていきたい。
「棚橋弘至のPodcast Off!」更新!
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年9月17日
今回は
・怒涛のメットライフドーム2連戦を振り返る!
・リング上の飯伏選手に言った“ある言葉”とは?
・開幕寸前!『G1』Aブロックを自ら徹底分析!!
コチラから!(音でます)
⇨https://t.co/To5Qoj1o8C#タナポ #G131 @tanahashi1_100 pic.twitter.com/WuM5mk8NGs
逸材の持論
まず、棚橋弘至選手の持論から。100年に一人の逸材はプロレスにおける「乱入・介入」についてアリだと語っている。
全員ぶっ飛ばして勝つ俺がカッコいいから、と。
それも分かる。ベビーフェイスはヒールの攻撃を徹底的に受ける。
受けて、受けて、反撃の機会を待つ。「乱入・介入」はその中でもとびっきりの攻めにあたる。
素人が見てもやり過ぎ。1対1でも十分戦える相手が1対nに走るのだがらベビーフェイス側は圧倒的に不利となる。
その逆境を跳ね除けて勝つ。このカタルシスが堪らない...。これが一つの楽しみ方である。
棚橋弘至選手の意見、ごもっともだ。
プロレスは一つの大会で色々な試合を観れるという楽しみもある。
最初から最後までバチバチとした試合では少し胃もたれするのも事実だ。
ただ、とにかく「乱入・介入」についてネガティブな意見が多いのも事実。その理由について少し踏み込んでみたい。
いつ新日本プロレスにハマったか
たった今、プロレスファンになっても、10年前から好きでも、数十年前からのファンでも一緒。
みんなプロレスファンだ。
その前提で目を通して欲しい。
2016年以降。つまり、“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”と“バレットクラブ(3代目ケニー・オメガ期)”が台頭した時代にプロレスへハマった人が「乱入・介入」についてアレルギー反応を起こしているのではないか。
僕はそんな解釈をしている。
この時期はバチバチと激しい試合やアスリートプロレスが台頭し、「乱入・介入」はなりを潜めていた。
「乱入・介入」がなかった訳ではない。
ただ、試合の流れ相手を痛めつけるものではなく、スパイスとしてセコンドについて来る、タオルを投げるなどが中心だった。
内藤哲也選手とケニー・オメガ選手。2人の共通はヒールにはじまり、ダークヒーロー(ベビーフェイス)へと変化したことだ。
ビジュアルは黒を基調としているし、ユニットはヒール色があっても反則行為を途中から全くしなくなった。
正々堂々と激しい試合で決着をつける。そんな印象があるのではないだろうか。
30分、40分を超える試合は当たり前。頭から落とす危険技のオンパレード。
アスリートプロレスは人々の心を刺激し続けていた。
最近の新日本プロレスを観ているとあの当時と同じかそれ以上の“激しさ”はない。アスリートプロレスはとにかく危険すぎた。
2019年に棚橋弘至選手が流れを変えた。これは英断だった。
あの時期は本間朋晃選手、柴田勝頼選手、高橋ヒロム選手らが大きな怪我を負ってしまった時期でもある。
あんな悲しい出来事は二度と起こってほしくはない。
ヒールの時代を作る
ダークヒーローVSベビーフェイス。この構図では「乱入・介入」が発生していなかった。
当時(2017年以降)のヒールは鈴木みのる選手がトップを張る“鈴木軍”。
彼のカリスマ性とファンは反則行為に対して、特に何も言わなかった。“鈴木軍”とはそういうものだと受け入れていた印象がある。
鈴木みのる選手もタイトルマッチではあまり構成員の「乱入・介入」を行なっていない(ノーコンテンダーマッチは除く)。
当時から反則はあれど「乱入・介入」や金的がメインイベントで何度も繰り返される傾向はなかった。
おそらく「IWGP」の戦いでセコンドをガンガン稼働させること自体、あまり例がないのではないだろうか。
この急激な変化にあの時期以降、ファンになった人々がアレルギー反応を見せている気がしている。
僕が思っているのは、とにかく出されたものを楽しむ。そういった視点を育んでみるのはどうだろう?ということだ。
※ちなみに僕がハマったのは2017年。序盤に気持ちは分かると書いたのはそのためだ。
これ以降はいつもの視点とは違った形で執筆するので、そういうメタな視点が苦手な人はここで読むのをやめた方がよいかもしれない。
新日本プロレスの苦労
2016年以降に存在していたヒール(ダークヒーロー)が正々堂々戦う文化。
この時代に戻すのは簡単だ。「乱入・介入」を一切止めればいいだけなのだから。
ただ、アスリートプロレスを禁じた(度重なるレスラーの怪我)今、違った形でお客を盛り上げなければならない。
全日本プロレスの四天王プロレスが劇薬であったように2016年以降の新日本プロレスも同じ状況に陥っているのだ。
現在の新日本プロレスは過去に類を見ないほどに苦労していると思う。
集客では大苦戦。チケットの価格の引き上げは、半数しか埋められない中での損益分岐を考えた結果だろう。
全席埋められるなら、昔の値段に戻すに決まっている。
“ガイジン”レスラーも簡単に召集できない。対戦カードはどうしてもマンネリ化してくる。その中でレスラーもスタッフも戦っているのだ。
今のテーマはアスリートプロレスではなく、ダークヒーローでもなくヒールの時代を作ること。
本来、ベビーフェイスで天性の主人公性を持つSHO選手が“バレットクラブ”へ加入したのは、彼を中心として徐々にユニットの色を変えていくことも狙いの一つだろう。
「G1クライマックス」で“ハウス・オブ・トーチャー”はどんな動きを魅せてくるのか。
EVIL選手、高橋裕二郎選手の試合に注目したい。
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