なぜ、KENTAは高橋ヒロムを丸め込みで倒したのか?

なぜ、KENTAは高橋ヒロムを丸め込みで倒したのか?

“go 2 sleep”でも“GAME OVER”でもない。敢えてのスクールボーイで勝利。それは石井智宏選手を破った形と全く同じ流れだった。

戦前から高橋ヒロム選手は対ヘビー級路線を掲げた先輩であるKENTA選手へ何かを求めていた。

ヘビーとジュニアの境界線が曖昧になった今から、あなたが考えるヘビーとジュニアの違いとは何ですか?と。

そんな迷える子羊に対して、かつて“Black Sun”と呼ばれた男は今の自分を貫くことで、その質問に答えた。

昔の俺にも誇りを持っているし、今の俺にも誇りを持っている、と。

試合を見てみるとVSジュニアだからといった動きは特になく、いつも通り“KENTA2021”で高橋ヒロム選手を打撃と技術で圧倒した上で倒した。

見ているこっちがこりゃ勝てねぇなぁ...と思う試合内容だ。

高橋ヒロム選手は相当悔しかったに違いない。

実際、“ジュニアのKENTA”を引き出そうとしていたシーンもあった。

真正面から蹴りも張り手も受ける。

ジュニアのサイズでヘビー級で戦っている男の攻撃を真っ向から受ける機会はなかなかない。

ヘビー級で戦うとは何か。その意味を知るために痛みを求めていた。

そんな高橋ヒロム選手に対して、「こんな負け方かよ...」と思わせるような丸め込み勝利。

“go 2 sleep”でも“GAME OVER”でもない。

とことん悔しさが募る敗北。

その裏側には「また遊んでやるよ」って気持ちと「今のKENTAを見せつける」意味があったように思う。

 

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ヘビー級を盛り上げる男

高橋ヒロム選手を倒した後、おそらく“過去のKENTA”を期待していたであろうファンへ自論を述べた。

続いて自分たちで盛り上げろ、と。

自分はもう対ヘビー級を掲げてるジュニアの選手ではない。完全にヘビー級の人間。

ヘビー級はヘビーの試合を盛り上げる。それだけ。

実際、KENTA選手が言っているのは正論だ。

新日本プロレスの公式YouTubeチャンネルの動画を見ると、常にKENTA選手の動画が再生数を伸ばしまくっている。棚橋弘至選手も内藤哲也選手もオカダ・カズチカ選手も飯伏幸太選手よりも再生数を稼ぐ。

これが今のKENTA選手の実力なのだ。

KENTA「(※しばしの無言ののち)ちょっと座らせて(※と言ってフロアにあぐらをかく)。これが“KENTA 2021”。なんか文句ある? 誰にも文句言わせねぇよ。たとえお前が言ったところで、お前らがどんなに批判しようと、これが俺だよ。これが俺の今。俺は、対ヘビーでやってきた2000年代、二千何年かもう細かい……あの時代のことも誇りに思ってるし、今の自分にも俺、誇りに思ってるよ。お前がなんと言おうと、お前らがどんだけ俺を侮辱しようとも、俺たちは関係ねぇよ。俺たちっていうか、なんでお前もこっち側入ってきてんだよ、俺たちって! 俺には関係ねえよ。ま、ヒロム、俺が思ってること変わんねぇよ、やる前から。

まずテメェんとこ、まずテメェんとこ盛り上げろよ。ほかのヤツもそうだよ。俺が発したことにかみついてきて、お前、俺を火種にしてどうすんだよ? テメェらでそれやれよ。違う? テメェらがそれ作って面白くすんだろうよ? 仲良しこよしはいいんだよ。な? (いら)ねぇんだよ。まずそれやれよ。ちょうど次、ジュニアの……『(BEST OF THE)SUPER Jr.』あんだろ? 最高に盛り上げてみろよ。(石森)太二と金丸義信いんだろ? “ONE OF THE BEST”が2人もいて、面白くならねぇわけねーだろ? (その2人を)うまく使えよ。ほんで、次は、誰だ? ザック? ザックね。アイツがまだペーペーだった頃から知ってるけど、ずいぶん調子こいてちゃって。

なあ? 最近、調子乗っちゃって、バックステージも滑らかなご様子で……ええ? まあ、俺しかいねぇだろ、ザック止めんの? なあ次……完全に、ガッチリ、ザック止めてやるよ……いや、もう止まってんだよ! トモ(石井)が止めてんだろ! ツッコめよ! ハァ……止まってんだよ、もう。でも、ここ俺、ザックもいただくぞ。やってやるよ、ザック。ザック、ザック、ザック、ザック……。(※ゆっくり立ち上がりながら)まあ結局、俺がなに言いたいかっていうと……高橋ヒロム、面白ぇじゃねーか。これからまだまだやってやるよ」

出典:新日本プロレス

 

“ONE OF THE BEST”

今回のバックステージコメントで一番目を見張ったのはKENTA選手が2人の名前を出したシーンではないだろうか。

(石森)太二、金丸義信と。

石森太二選手の名前を出すのは分かる。同じ“バレットクラブ”だ。アイツならやってくれる、と。

ただ、KENTA選手が名前を出したのは“バーンソルジャー”としての石森太二選手というよりも、プロレスリング・ノアを共に盛り上げた盟友として石森太二選手、金丸義信選手の名前を出した。

“ONE OF THE BEST”と。

GHCジュニアヘビー級ベルトの最多戴冠記録は今でも金丸義信選手であり、最長保持記録は石森太二選手のままだ。

“GLOBAL HONORED CROWN”で偉大な記録を持つ2人が新日本プロレスのジュニアにはいる。

表面的にではなく2人の奥にあるものを上手く使え。

これがKENTA選手から贈られたアドバイスだ。

 

火種を俺に求めるな

敢えて厳しいことを書く。敢えてだ。嫌味ではない。KENTA選手の指摘をそのまま受け止めて、そのまま書く。

KENTA選手の言葉に反応したDOUKI選手。彼のTwitterのいいね数やリツイートの数がKENTA選手絡みだと反応が大きい。

「俺を火種にしてどうする?」

この言葉の裏には自分たちでジュニアを盛り上げろ、ヘビー級の俺は知らん。そんなメッセージがあるような気がしている。

万が一この試合で高橋ヒロム選手が勝利していたら、「お前ジュニアに来い!」が成立したが完敗した状況では何も言えない。

ジュニアはジュニアで盛り上げる。それだけなのだ。

最後に。

試合の途中、内藤哲也選手のためになんて1ミリも思わずに戦っていた高橋ヒロム選手に対して、内藤哲也選手のパフォーマンスをKENTA選手が見せつけた。

あの挑発には、ファンが求めているのは何だ?お前のエゴなのか?そんなメッセージが込められていた気がする。

「KENTAのプロレスお見せします」

あの言葉かは2年。KENTAのプロレスが新日本プロレスで爆発している。

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