成田蓮の「ストロング無差別級」が神試合だった

成田蓮の「ストロング無差別級」が神試合だった。

LA道場の成田蓮選手は守破離の「守」の真っ只中にいた。

本来、ヤングライオンが海外遠征へと旅立った場合、「破」に移行するケースが大半だ。

例えば、高橋ヒロム選手はカマイタチになったし、YOH選手とSHO選手は風神・雷神になった。

岡倫之選手がグレート-O-カーン選手だとするのであれば、「破」を通り越して、「離」に達しているため、彼だけが例外である(規格外たる所以はそこにある)。

成田蓮選手と同時に旅立った海野翔太選手も#Shooterとしてヤングライオンから「破」の領域で戦っている。

成田蓮選手は野毛道場からLA道場とこれまでの新日本プロレスでは類の無い形の海外遠征を選んだ。

ヤングライオンのままスケールアップして強くなるしばらくはそんなイメージだったが、ここに来て「破」に移行した。

ヤングライオン時代とは全く異なるファイトスタイルへと変貌。柴田勝頼イズムを感じさせる昭和の香りがするレスラーとして変貌しつつある。

柴田勝頼選手に対して、強くなりたいと懇願してから2年が経った。

もう2年だ。

海外遠征の期間はおおよそ2年。

規格外に長い高橋ヒロム選手の3年4ヶ月はあるが、概ねこんな感じ。約2年以内に戻ってくるケースが多い。

つまり、そろそろ成田蓮選手も海野翔太選手も戻ってきてもおかしくない時期になってきた。

が、これまでの海外遠征と2人の海外遠征は少々毛色が異なる。

社会状況の変化により、海外遠征の恩恵を受けられない日々が続いていた。

オカダ・カズチカ選手曰く、強くなるだけなら日本でもいい。

海外に行くことで知らなかった文化に触れ、新しい景色を見る。これが海外遠征の醍醐味である。

海外で“柴田勝頼”を全身に浴びている成田蓮。彼の成長が非常に面白い。

 

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心技体ではなく心体技

LA道場のヤングライオンに蹂躙された「ヤングライオン杯」。

成田蓮選手と海野翔太選手は野毛道場を代表する身として負けられない気持ちが強かったはず。

ただ、結果は惨敗。プライドを砕かれた。

その後、LA道場へと身を委ね、柴田勝頼選手の元でイチからプロレスを学び始めると、成田蓮選手の課題が明らかになっていった。

明らかなシングルマッチでの経験不足。

第三世代の隣で試合をすることが大半で、どこか遠慮する癖がついてしまっていた。

ゼロから学ぶよりも癖を抜く。ここから上を目指すためには、そういった闘い方の癖から変える必要があったのだ。

ただ、心が変わると全てが変わる。

成田蓮選手は柴田勝頼選手の元で心を変えた後、肉体を一回りビルドアップし、新しい技術を習得している。

その結果、NJPW STROGのトップ選手をシングルマッチで連続撃破に成功。

クリス・ディッキンソン選手やフレッド・ロッサー選手、因縁のカール・フレドリックス選手からの勝利した。

そして、現在「STROG無差別級」のタイトルへと挑戦するまでに至ったのだ。

 

永田裕志が絶賛

タイトルマッチに姿を現した成田蓮選手。

黒パンツ一丁のスタイルはヤングライオン時代と同じ。だが、日焼けした分厚い肉体と髭。少し伸びた髪はこれまでと全く違うオーラを放っている。

見た目はそこまで変わっていないはずなのに、別人に見える。

相当厳しい鍛錬、いや修行なしではたどり着くことができない境地に成田蓮選手は辿り着いたのだ。

永田裕志選手も「首の絞め方一つとっても柴田に似てきた」とコメント。

フィジカルギフティングの身体の柔らかさと柴田勝頼イズム。昭和の香りがプーンと漂ってくるいいレスラーに仕上がってきた。

ヘッドロックやアキレス腱固め。

ライトヘビー級が一世風靡する現在の新日本プロレスにおいて完全に地味。地味だが、メチャクチャ面白い。

背中を蹴られて痛いのに「来い!来い!」と煽り、さらには胡座をかく。

柴田勝頼イズムが骨の髄まで浸透しようとしているのが伝わってくる。

さらに飛びつきのヒールホールドを披露。その後もとことんスリーパーにこだわり、コブラツイストを見舞う。トドメに四の字固め。

なぜか試合を見ていたら感動で泣けてきた。

結果、試合には敗れたものの、成田蓮選手の成長いや“進化”が見えた。

今の新日本プロレスに足りないピースを持った成田蓮選手が「喧嘩を売りに来る日」も徐々に近づいてきているように思う。

柴田勝頼イズムの継承者として、彼を彷彿とさせるではなく、新しく成田蓮ブランドを確立させていく。その領域が「離」になる。ここからが本当のスタート。

新しい成田蓮選手をこれから応援し続けていきたい。

 

あの日から2年

最後に。

強くなりたいんです。柴田勝頼選手の元でプロレスを教わりたい。膝を床についての懇願。あれから2年だ。

改めて、あの日のバックステージを振り返ると胸が熱くなってきたので、ここに掲載しておく。

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成田「柴田さん(※と言ってコメントスペースに入って来ると、フロアに両ヒザを着いて)、お願いします。僕をLA DOJOで、LA DOJOに連れて行ってください。このヤングライオン杯、彼らとやって、僕は柴田さんの下で、プロレスを教わりたい。そう思いました。もっと強くなりたいんです。お願いします(※と言って床に頭をつける)」
柴田「よし、顔上げろ、顔上げろ。立て」
成田「ハイ!(※と言って立ち上がる)」
柴田「一つ言っておくぞ。俺の練習、メチャクチャ厳しいから」
成田「ハイ」
柴田「(※右手を差し出しながら)よし、ついてこい」
成田「(※柴田が差し出した右手を両手で握りしめながら)お願いします!」
柴田「よし! (※フレドリックスを引き寄せて3人並び)みんなでね……。こういう化学反応が起きてね、私もうれしいです。成田……」
成田「ハイ」
柴田「1からプロレスを教えてやる!」
成田「お願いします!」
柴田「よし! (※フレドリックスを握手を交わして)サンキュー。ザッツ、イット! 以上!」

出典:新日本プロレス

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