柴田勝頼が復帰宣言！「おかえりなさい」と「待ってたよ」
柴田勝頼が復帰宣言！「おかえりなさい」と「待ってたよ」。
新日本プロレスのリングに柴田勝頼が帰ってきた。こんなに嬉しいことはない。
Yes, my sweet, Yes my sweetest.
2021年10月21日。新日本プロレス“秋の最強戦士決定戦”「G1クライマックス31」の最終日だ。
優勝決定戦は飯伏幸太とオカダ・カズチカの2人。
「IWGP世界ヘビー級王座」の騒動を経て、誤嚥性肺炎に。ただ、棚橋弘至との「IWGP USヘビー級選手権試合」を経て、不死鳥のように蘇った飯伏幸太。
“レインメーカー”の帰還を宣言し、リーグ戦で圧倒的な実力を披露し、優勝決定戦へたどり着いたオカダ・カズチカ。
近年の成績は東京ドームの「IWGPヘビー級選手権試合」で、オカダ・カズチカ。2020年の「G1クライマックス30」で飯伏幸太と五分。
そんな二人の優勝決定戦への機運が高まる中、新日本プロレスは仕掛けてきた。
マックス・ザ・マックス。
限界の中の限界へ挑んだ秋に、新日本プロレスは切り札を出してきた。柴田勝頼だ。
5分1本勝負スペシャルエキシビションマッチ～グラップリングルール～。
柴田勝頼VSザック・セイバーJr.。
この日、ザック・セイバーJr.はタイチの負傷の影響で対戦カードが組まれていないのだと思っていた。
最近では滅多に目にすることがなくなった白でリングに入って来た時はなんか発表するのか？くらいの気持ちで見つめていたが、この直後「Takeover」がヒットしたことで、事態が急転した。あの男がこれから入場するのだと、直感的に思った僕は、「マジか...」と漏らし、目頭を熱くしていた。
誰が想像しただろうか。彼が再びリングの上で戦っている瞬間を。
誰が予想していただろうか。「G1クライマックス31」の最終戦でこんなサプライズが用意されていると。
この日、日本武道館に入った来場者数は3,861人。集客に苦戦している状況は中々好転しなかった。
いくつか理由があるのは素人でも分かる。
声を出して観戦ができない。飲食もできない。試合数が少ない。それにも関わらずチケット代は同じ。
今じゃなくてもいいかと思うのは人の性だ。ただ、現地に行けばよかったと本気で後悔した。それだけの価値が柴田勝頼にはあるのだ。
サプライズ登場のザックが、バックステージでコメント
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年10月21日
「（日本語で）オソイヨ！ オマエ！ 俺は（柴田）カツヨリとの試合を6カ月も前から要求してた！」
「おまえがやりたいなら、また相手になってやるぞ？」
コメント全文は
⇒https://t.co/eR9h07WQtC#G1FINAL pic.twitter.com/27BlBprjS3
僕と柴田勝頼
柴田勝頼が負傷欠場に入ったのが2017年。僕がプロレスにハマった直後の出来事だった。オカダ・カズチカとの「IWGPヘビー級選手権試合」は今もなお心に残る激闘だ。
あれから4年。あれから4年だ。僕の状況も大きく変わった。
怪我からLA道場のヘッドコーチとして動き始めた時計の針がさらに加速しようとしている。
柴田勝頼について、僕はこんなにも記事を書いていた。沢山書いていたので、時間のある時に目を通してくれるとありがたい。
その瞬間瞬間で起こったエピソードがここには眠っている。
10月の闘魂ショッピングに柴田勝頼が登場。明日の19時は必見だ！
オソイヨ！
試合後、ザック・セイバーJr.は柴田勝頼とのエキシビジョンマッチを半年も前から要求していたことが分かった。
半年前。2021年3月頃ということは、柴田勝頼が欠場してから4年目を迎えた時期が近い。つまり、復帰の話が裏では進んでいて、そのスタートは自分であるとザック・セイバーJr.は要求していたのだ。
5分間。300秒の間、肌を合わせる2人。険しく真剣な表情の中ですごく楽しそうで充実している時間を過ごしていることが伝わってくる。
柴田勝頼が卍固めに成功したところでエキシビジョンマッチは終了。夢のような時間だった。
ザック「（日本語で）オソイヨ！ オマエ！ オレはカツヨリとの試合を6カ月も前から要求してた！（日本語で）サンガツカラ！ まあ実現しただけまだいいけど！ カツヨリがこの先どうするのかオレにはさっぱり分からないけど、エキシビションマッチでもグラップリングマッチでも、ヨーロピアンスタイルマッチでも、ティドリー・ウィンクス（イギリスの伝統的なボードゲーム）でも、麻雀でも、モノポリーでも、競争でも、詩のコンテストでも何でもいいが、おまえがやりたいなら、また相手になってやるぞ」
ザック「オレはこのリングでおまえを待ってるからな、ダーリン。あいつがどう思ってるかは知らないが、オレたちの間には切っても切れない縁がある。オレは2016年のロンドンの試合でカツヨリに敗れブリティッシュヘビー級王座から陥落した。そのことがキッカケとなってオレは鈴木軍の加入を決めた。確かにシバタ相手にベルトを失ったが、オレはそれからたくさんのものを得た。だからアリガトウ、ダーリン。シバタ、待ってるよ、ダーリン」
いつか未来で
髪型はトレードマークのオールバックではないし、上半身は裸だが、下半身はハーフパンツにレスリングシューズ。
戦闘態勢ではあるものの、プロレスラーとして試合をしているわけではない。そんな風に考えていた。
正直に言おう。
僕は「残り時間」の話をはじめた棚橋弘至が現役を引退する時、柴田勝頼も選手としての幕を正式に閉じ、コーチ業に専念すると思っていた。
彼が追った怪我は想像を絶するものであるし、実際、視界が狭くなっているとも本人は語っていた。
日本にいたらずっと塞ぎ込んでしまう。そんな想いからLA道場のヘッドコーチを買って出た。
そこで鬼コーチしての手腕を発揮し、次々と優秀なレスラーを発掘、育成していく。
柴田勝頼が率いるLA道場軍団が日本の新日本プロレスに襲来し、大きな流れを作る。
柴田勝頼がリングに戻ってくる日は来ない。
あの日、満開の桜が舞い散る中でオカダ・カズチカと激突したのが最後の戦いにある。
そう思っていたのだ。
だが、そんな人の予想を一気に覆す一言が飛び出した。
「次、このリングに立つときはコスチュームで。以上！」
明確な復帰宣言だった。
盟友2人が彼の帰還を祝った。
高校の同級生であり、永遠のライバルであり、パートナー。後藤洋央紀。
おかえりなさい!! https://t.co/eDuxny0qOf
— 後藤 洋央紀 Goto hirooki (@510njpw) 2021年10月21日
共通の技を使うソウルメイト。柴田勝頼に誘われ、新日本プロレスへとやってきたKENTA。
#柴田待ってたよ pic.twitter.com/KaP3THq2BJ
— KENTA aka Lil’K (@KENTAG2S) 2021年10月21日
単純に1試合だけするのであれば、こんな大掛かりなサプライズは用意しない。
ザ・レスラーが新日本プロレスのリングに帰ってくるのだ。
まだ、先のことは考すぎないようにしよう。ゆっくりと、じっくりとプロレスを魅せてくれたらそれでいい。
柴田勝頼が帰ってくる。あの春の続きではなく、新しい男の根性を見せつけて欲しい。
一晩が経ってそんな風に思うようになった。
そして、また次の試合がはじまるのです。
※今回、文体のため全て選手に対して敬称を省いた。
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