YOHの1勝とSHOの一敗。課題と成長、変化
YOHの1勝とSHOの一敗。課題と成長、変化について書きたい。
ようやくだ。ようやく。ようやく勝てた。
「スーパージュニアタッグリーグ2021」から続いていた負のスパイラルに一つのピリオドができた瞬間だった。
「感情が見えない」
そう“先輩”に指摘されたYOH選手が同じ“CHAOS”で元ジュニア二冠王から勝利した瞬間、これまでの気持ちを爆発させた。
場外で喜びを爆発させるとエプロンをバンバンに叩く。
負け続けて悔しくないわけが無い。この人はずっと勝ちたかったんだ。悔しかったんだ。
真っ白になったからこそ見える気持ちがある。
新日本プロレスジュニアの未来を担う完全無欠のベビーフェイス。YOH選手が新しい一歩のための勝利を掴み取ったその日、“元相棒”もヒールマスターと激突し、現実の厳しさを体験した。
そして、こう叫んだ。「おのれ!義信」と。
プロレスをエンジョイしているSHO選手。
プロレスでもがき苦しみ光を得ようとしているYOH選手。
2人の1勝と一敗について今日は振り返っていきたい。
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— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年11月26日
「技のチョイスに関しては、べつに悪くないとは思うけど、いかんせん間が悪い。
今回、YOHにはシンドいシリーズになるなって、俺は思ってる」
12.3所沢で激突!
デスペラード選手に直撃インタビュー!!
★記事はコチラから⇒https://t.co/A69kFM6qbr#njpw #njbosj pic.twitter.com/n4wtSGrSTX
ホワイトナイトが染まる時
新日本プロレス公式スマホサイトで、現「IWGPジュニアヘビー級王者」エル・デスペラード選手のインタビュー記事が公開された。
「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア31」に懸ける意気込み、参戦レスラーに対する所感を語った骨太の前後編インタビューだ。
そこでエル・デスペラード選手はYOH選手についても語っていた。
YOH選手のプロレスは間が悪い、と。
“間”。
この言葉一つにどれだけの深さがあるのか検討も付かないくらいだ。
エル・デスペラード選手はKENTA選手を引き合いに出し、独特な間を持っているけど、惹かれる魅力があると付け加えている。
そう。今、思うとKENTA選手が“バレットクラブ”に加入する前、「G1クライマックス」にエントリーした時は、正直“間”が悪かった。
これは当時のブログを掘り返してもらうと分かるのだが、僕にしては珍しく厳しいことを書いている。
極論、なぜ彼がG1に選ばれているのか分からない(鈴木みのる選手が未エントリーのため)とまで書いた。
それくらい試合が面白くなかったのだ。
だが、“バレットクラブ”へ加入後、スタイルをヒールにしたKENTA選手は完全にブレイク。
リングとリング外の両方で新日本プロレスのトップレスラーへと躍り出た。
“間”が悪いから独特な“間”へ。
この“間”が上手くハマった時こそ、YOH選手が完全に覚醒する時だ。
ならず者からの期待
ただ、技がどうこうの次元の話ではない。
ピアノの調律のように繊細。それでいて一音一音の音の高さや響きまでを考慮する。
分かりやすく自分の間に相手を引き込むのがヒールのプロレス。
ベビーフェイス(棚橋プロレス)はその流れを計算しつつ、最後には自分が輝くことを指す。
相手がどんな色で来ても中和できるのが白であり、染まるのも白だ。
YOH選手持ち前の器用さを敢えて封印し、相手の世界に飛び込み続けることで何かが見える気がする。
ロビー・イーグルス選手からの一勝はその足掛かりだ。感情が見えないと言われ、負け続けた男が所構わず感情を爆発させた。
まだまだ一歩。でも、大切な一歩を踏み出した。
――YOH選手との試合をおもしろく感じない理由というのは?
デスペラード 技のチョイスに関しては、個人の好き嫌いや向き不向きも踏まえて、べつに悪くないとは思うけど、いかんせん間が悪い。これは観る側にニュアンス的に伝わるかわからないけど、俺は気持ちよく攻めたいし、気持ちよく攻められたいんだよ。
――YOH選手は自分にとって攻防がスイングしにくい相手だと?
デスペラード そういういうこと。ブッ飛ばされて「クソッ!」と思いつつ、どこか楽しい自分がいるのが、俺のやりたいプロレス。たとえばKENTA選手は独特な間を持ってるけど、何か惹きつけられるものがある。だから、YOHも独自の間を持ちながら、惹きつける何かを身につけたときには、ものすごいことになるんだろうなとは思うけど、いまのところはまだまだ。
プロレスをエンジョイしている
一方でSHO選手。最近の試合を見て、評価を改めている方も多いのではないだろうか。
先輩にも後輩にも気を使う必要がなく、とにかく自由に振る舞っている。
既に一度目の脱皮を見せた。
正統派なコメントが多かったバックステージに変化があった。
「タグ漬け」や「カツオBUSHI」。さらには「おのれ義信!」ときた。
「おのれなんて言う人久しぶりに見たわ」と思うのはさておき、リングの中も外も表現が豊かになってきている。
プロレスをエンジョイしている。
黒く染まったのは誰にも、何にも染まらない自分の覚悟があったから。
確固たる自分を手に入れるための黒。
そんな黒をまとい、新日本プロレスのジュニアでは非常に重要な役割を担う金丸義信選手を相手にとうとう一敗目を喫した。
敢えて言うが、まだまだ差がある。金丸義信選手が本気を出せば10分も必要とせず石森太二選手から白星を挙げられるほどなのだから。
試合時間に関係なく、最高の満足感を生む。ヒールにも関わらず「うめぇぇぇぇぇ」と唸らせる。
ヒールマスターは今のSHO選手にとって最高のお手本なのかもしれない。
奇しくも“ロッポンギ3K”時代に何度もタッグベルトを懸けて戦った相手がシングルでも立ち塞がってくる。
YOH選手とSHO選手をそろそろセットで語ること自体が無粋かもしれない。ただ、僕の中では道が違えど2人の糸が切れたとは思っていないので、これからもこの目線を捨てることなく、応援していきたいと思う。
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