鬼才・金丸義信がエル・デスペラードへ挑戦宣言!

鬼才・金丸義信がデスペラードへ挑戦宣言!

とんでもないものを見た。この日のセミファイナルはこの言葉に尽きる。

“ヒールマスター”金丸義信選手が文字通り、本気を出すと「ここまでとんでもないのか」という試合だった。

エル・デスペラード選手は現在の「IWGPジュニアヘビー級王者」であり、新日本プロレスジュニアの顔だ。

月から“黒い太陽”へと変貌した“ならず者”は実力者である石森太二選手やロビー・イーグルス選手と激戦を繰り広げ、今回の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア31」でもライバルである高橋ヒロム選手と30分引き分けの死闘を繰り広げた。

今やジュニアのトップを走るエル・デスペラード選手。

そんな彼を相手に金丸義信選手は「(こういう試合)好きなんだろ?」と自信の刀を抜いてきた。

正直、天才って彼のためにある言葉なんだなと思った。

「スゲー!」「スゲー!!!」と言い続けていたら、なぜか涙が出てきた。自分でも理解できない。ただ、ボロボロと涙が止まらなかった。

金丸義信選手とエル・デスペラード選手の一戦はそんな試合だった。

 

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ヒールマスターの真髄

マスター・ワト選手とSHO選手のグランドマスターを目指す者にとってのキャリアハイに終わった。

激闘の余韻さ冷めやらぬ中、「好きです」「好きなんだろ?」と威風堂々スマイルで登場したのがこの日の主役・金丸義信選手だった。※この時点で流れが一気に変わった。

“鈴木軍”の同門対決。そわそわする気持ちを抑えきれないのか、エル・デスペラード選手は入場のルーチンを全てぶっちぎりリングイン。

股割りもお辞儀もなし。金丸義信選手と早く肌を合わせたい気持ちだけでリングに上がり、戦闘態勢を取った。

すると、“ヒールマスター”はいきなり動く。

「オマエに勝ち点やるからよ、このまままで決勝進め」リングを下りる。場外カウントを促す。

「めんどくさいペイントまでやってるんだからちゃんとやりましょうよ!」、「これで決勝行ったってしょうがないんですよ!」

カウント15でリングに戻ろうとしたエル・デスペラード選手を鉄柵にぶつけて自身はリングに戻る。

ここから“シングルでの金丸劇場”がはじまった。

 

首一点攻め

片エビ固めでフォール勝ちを狙った次は、ヘッドロックで攻めまくる。

改めて試合を見るととんでもないことに気付く。ヘッドロックをしているだけなのに、目が釘付けにされて、全く退屈しないのだ。

現代の新日本プロレスはスピーディーな展開がウリである。

トップアスリートの身体能力を駆使した激しい試合展開。これが醍醐味であり、ウィル・オスプレイ選手や鷹木信悟選手など機動力をストロングポイントに持つレスラーがトップ戦線で活躍している。

だが、金丸義信選手は高すぎる身体能力を持ちながらもヘッドロックだけで、試合を成立させている。

これがジャイアント馬場さんが遺した“王道”なのか。

熟成された技術は見るものの目を奪う。これが金丸義信の本気なのだ。

タイチ選手も思わずざわついたのがフライングヘッドシザーズ。

僕も思わず「なんじゃこれ!」と叫んだ。

エル・デスペラード選手が切り返すも、ネックロックから膝を叩き込む。

首投げを喰らえばすぐさま同じ技で切り替えす。

ただし、自身が首投げを行った直後に首四の字固めを仕掛け、追撃を許さない。

このシーンを見返すと、エル・デスペラード選手は技を仕掛けた直後に腕のロックが離れてしまっている(金丸義信選手が外している)のに対して、金丸義信選手は頭をグッとホールドしている。

細かく見るとこんなことをやっているのかと驚かされる技術の応酬。僕のような素人でも流石に分かる。

金丸義信はプロレスが上手すぎる。

エル・デスペラード選手は現在のチャンピオンだ。そのチャンピオンがまるで若手のようにいいようにやられまくっている。これは現実なのか。こんな怪物がまだ新日本ジュニアのいたのかと驚かされる。

派手な技はナシ。基本技のみ。言ってしまえばよく見る技しか両者ともに使っていない。それなのに普段の試合とは景色が違う。

「なんじゃそりゃ!!!」と何度も叫んでしまう。

マフラーホールドを遠心力で切り返し、体固めでカウントを取りにいく。

しまいにはレフリーまでを巧みに使い、ムーンサルトで舞う。

最後は紙一重でエル・デスペラード選手が勝利を掴んだが、この日ファンの目を最も奪ったのは鬼才・金丸義信だったのは間違いない。

デスペラード「(※崩れ落ちるようにフロアにヒザを着き)ああ、ハハ……ハハ、ハハ……(※自然と笑いがこみあげてくる様子)。ハァ、ハァ、クソッ、すげぇーーーー。すげぇーーーーーーーーー! クソーーーーーーッ! (※フリアに仰向けになり)ああ、すげぇ、ハハハハッ……。痛ぇーーーー! クソー-----ッ! でもすげぇーーーーーッ! ああーーーーッ! すげぇな。こっちが出た分引いて、こっちが来ねぇのか思って1歩引いたら、3歩詰めてくるな。なんじゃ、ありゃ! ハッハッハ……。すげぇーーーーッ! ハッハッハ……。パートナーでよかったぁーーーッ! ハァ、ハァ、ハァ、ああ痛ぇ……。シングルであれだけ余裕ありゃ、そりゃそうだ、俺が何やってようと全部見えるさ。ああビックリした! クソッ。でも、もしかしたら、(※ベルトをカメラに向かって突き出しながら)横にいるより、対角にいた方が面白いかもしんない。(※立ち上がって)勉強になりました。(※控室に歩を進めながら)クッソーッ……ああ痛ぇ……。(※ポツリと漏らすように)楽しかったぜ……」

出典:新日本プロレス

 

天才のさらに上

金丸義信選手が凄いことは知っていた。知っていたが、ここまでとんでもないとは知らなかった。

なんでここまでの怪物が新日本プロレスジュニアのシングル戦線に出てこないのかと試合が終わった直後に思ってしまうほどだったのだ。

だが、パートナーとの試合を終えた金丸義信選手はいよいよをもってグランドスラムへ名乗りを上げる。

本当に限られた者しか受賞できていないプロレス大賞の新人賞を受賞している数少ないレスラー。

世界ジュニアヘビー級王座、GHCジュニアヘビー級王座。

ここにIWGPジュニアヘビー級王座が加わる時が来たのか。

鬼才・金丸義信が狙うは現王者エル・デスペラードとの一騎打ち。そして、王者取りだ。

金丸「やっぱ、シングルチャンピオン強ぇな。もちろんだけど、数年前とは全然違うわ。オイ、そしてなデスペラード、お前がベルト持ってるうちにな、挑戦させろよ、オイ。テメェが持ってる時じゃないと意味ねぇんだよ。オイ、わかったか?」

出典:新日本プロレス

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