新日本プロレスの実況席に感謝を伝えたい
新日本プロレスの実況席に感謝を伝えたい。
プロレスにおける実況の重要性を改めて魅せつけられた。
2021年12月15日。新日本プロレスの日本武道館興行の満足度がとてつもなく高かったのは、この男の力もあったためだと心から思う。
テレビ朝日の野上慎平アナウンサー。かつては“鈴木軍”飯塚貴史さんと抗争(一方的にやられていたわけだが)を繰り広げた実況アナウンサー。
レスラーが花道を歩くシーンでの浪花節の効いた口上はもはや一つの“作品”である。
彼が発する言葉はレスラーの心境を代弁しているかのよう。
このリングにたどり着くまでの軌跡を野上慎平アナウンサーが言葉で表現し、レスラーは神妙な面持ちで歩く。
この時間だけで目頭が熱くなり、これから始まる試合への気運が爆発的に高まる。
僕が新日本プロレスを好きになったキッカケの一つに野上慎平アナウンサーの実況があったのだと改めて思わされた。
僕がベストバウトに上がる試合の大半が野上慎平アナウンサーが実況を担当したものなのである。
実況&解説は試合を掛け算で盛り上げる。1.0なのか1.1なのか。それとも0.9になってしまうのか。
今回、多くの人々の胸を打った高橋ヒロム選手とYOH選手の実況を通じて、改めて実況の大切さについて考えてみたい。
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— njpwworld (@njpwworld) 2021年12月16日
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伝説の口上、再び
「柴田勝頼、37歳。生まれた時から新日本!今が一番強い!」
「夢を語らなくなった内藤にファンが夢を見始めている!」
「強さってなんですか!IWGPってなんですか!?柴田が考えるものとは違うかもしれない。だが、いつの時代も絶対普遍の価値観は揺るがない!強くあり続けなければ、この熱狂は守れなかった!」
伝説の試合には伝説の口上がある。まずは、この日の口上から振り返ってみたい。
まずはYOH選手。
「10年前、YOHが新日本プロレスの門を叩いた時、一番身近な先輩が高橋ヒロムでした。
やがてヒロムはブレイクし、遠ざかっていくその背中を盟友・SHOと一緒に必死に追いかけていきました。
しかし結果は伴わず、昨年10月には左膝前十字靭帯を断裂。大怪我もしました。
復帰後、まもなくSHOの裏切りによって信じていた絆も失いました。
苦しみました。もがきました。真っ暗になりました。自信をなくしました。時間をもらいました。時間を返しに来ました。這いつくばりました。何かが、吹っ切れました。そして、ここまで来れました。
皮肉にもSHOに勝ってケジメをつけることによってはじめてたどり着いた優勝決定戦の舞台です。
胸を叩いた。真っ白なコスチュームで初めて歩む『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』優勝決定戦の花道です。
SHOと2人で同じ夢を見た10年。そこで積み上げて全て。怒りすらも己の力に変えて。ここから先は1人で行く。
さようならSHO!俺は必ずヒロムを倒してみせる!覚醒したYOHが『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』を獲りに行きます!!!」
...ヤバくないですか?この口上。この時、僕既に目頭熱くしてますから。
やっと言えたじゃねぇか
続いては高橋ヒロム選手の口上です。
「両国であなたを必ず倒します。そう口にしたYOHに対し、高橋ヒロムは言いました。
『やっと自分の口から自分の気持ち、言えたじゃねぇか』。
同じ時代に同じ窯の飯を食った1人の後輩は昔からポーカーフェイスだったから、想いや熱と交わることはないだろうと感じていたといいます。
時を経て、しかしその後輩は大怪我をして裏切りにあい、それでも前を向き、はじめて自分の感情を口にしました。
高橋ヒロムはそれをどう受け止めたでしょうか。
4年前。初めて『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』を制した時、『これが俺たちのスーパージュニアだ!』と叫びました。
攻略本を手にいつもと同じように歩む。連覇を狙う優勝決定戦の花道です。
誰よりも新日ジュニアに誇りを持っています。だからこそ、俺とデスペラードだけじゃない。YOH!お前も上がって来い。感情を出せ!本気でぶつかって来い!
その上で、俺がお前をぶっ潰す。高橋ヒロムの心意気!!
さぁ、ミラノさんに攻略本を手渡した。(本当の友だち募集中 2回目です!)開幕戦と同じメッセージ!
敢えて!あの時とお前は変わったのか!どうなんだ!そんなメッセージなのかもしれません。
ヒロムにしてみれば、感情むき出しのYOHを待っていた!10年待ち侘びたシュチュエーションがいよいよ今宵実現する!
勝てばタイガーマスク以来、16年ぶり2人目の連覇です。
28度目の頂上決戦。ディフェンディングチャンピオン!高橋ヒロム!憧れに肩を並べ、新日ジュニアを更なる高みへ導くか!今、優勝決定戦のリングに降り立ちました」
2人分の文字起こしましたが、言葉が無いですね。もう完璧です。
本当の友だち募集中
改めて気付いたのが高橋ヒロム選手がYOH選手に送っていた「本当の友だち募集中」って、SHO選手を失ったYOH選手の心情ではなく、高橋ヒロム選手からYOH選手へ向けた「俺のライバルになってくれ」というメッセージだったのではないでしょうか。
最近はそういった言葉の深読みすら忘れ、ただただ目の前のプロレスを見ているだけの日々になっていた気がする。
それでダメなんてことはないんだけど、もっとじっくり見ることで見えてくるものが沢山あるよなと気付かされた。
高橋ヒロム選手とYOH選手の関係性と物語を野上慎平アナウンサーが伝えたからこそ思い出したことが沢山ある。
プロレスにおける実況と解説は一つの試合を伝えるだけでなく、その試合の魅力を掛け算で高めるものなのだ。
言葉で戦う男の本気に心が揺れた日になった。
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