スターダムがとんでもないことになっていたので少し書く
スターダムがとんでもないことになっていたので少し書く。
キッカケはTwitterだった。女子プロレス団体「スターダム」に関するツイートを見ることは決して珍しくないのだが、この日はなんだか毛色が違うように見えた。
目に飛び込んでくるワードは「デスマッチ」や「ハードコア」。
「明るく、激しく、新しく、そして美しく!」を信条とするスターダムにおいても、中々見ることが無いようなワードばかり。
「これは一体なんなのだ」とスターダム公式や所属レスラーのSNSアカウントを見るととんでもないことになっていることが分かった。
2022年1月29日。『hoyu professional presents 創立11周年記念 NAGOYA SUPREME FIGHT 2022 ~名古屋どえりゃ~!スターダム~』。とにかく話題満載の興行。中でも、僕の目を奪ったのは「プロミネンス」の乱入騒動である。
ドンナ・デル・モンドとプロミネンスがバックステージで大乱闘!#STARDOM pic.twitter.com/rwpL1WVbAT
— スターダム✪STARDOM (@wwr_stardom) 2022年1月29日
分かってんのかコノヤロー!
ジュリア選手率いるドンナ・デル・モンドとプロミネンスがバックステージで大乱闘を繰り広げる展開へ。
と、その前に“プロミネンス”についてだったり、この日のハイライトについて記載しておく。
同ユニットは昨年末にアイスリボンを退団した世羅りさ、鈴季すず、藤田あかね、宮城もち、柊くるみによって結成された。その5人は、この日の第1試合終了後に入場ゲートから現れてリングイン。マイクを持った世羅が「ハードコア女子プロレスユニットのプロミネンスです。今日はこのリングに興味があって、わざわざ名古屋にやって来ました。おいジュリア、聞いてるんだろ。来いよ」と挑発した。
これに2019年に同じアイスリボンを電撃退団しスターダム入りしたジュリアから「久しぶり。よくここまできたな。すず、会いたかった。アンタたち『プロレスでハッピー』じゃなかったの?」と〝古巣〟のキャッチフレーズで挑発返しをされる。
すると鈴季が激怒。ビンタを放ち「ジュリアさん、いやジュリア。お前が私を裏切ってからあの団体、どんどんボロが出て今やあの始末だよ。私はお前のことを信じてたのに。私にどれだけ迷惑かけたか、分かってんのかコノヤロー!」と涙目でブチギレた。
えっと...これヤバくない?アツすぎない?以前の後輩が独立してケンカを売りに来たのだ。
※プロミネンスは2022年2月18日に旗揚げ興行の開催を発表している。今回の一件で興味を持った方は会場へ足を運んで欲しい。
【大会情報】
— プロミネンス (@prominence2022) 2022年1月27日
2月18日(金) 開場18:30/開始19:00
「プレ旗揚げ戦〜破〜」
@ライブハウス 新宿グラムシュタインhttps://t.co/55kcNAXjDY
4月24日(日) 開場17:30/開始18:00
「プロミネンス旗揚げ戦〜はじまりの紅炎〜」
@新木場1stRINGhttps://t.co/k8TPxHBLSj#プロミネンス #PROMINENCE pic.twitter.com/notEfDyEO7
主人公の物語
現実は小説よりも奇なりだが、少し少年漫画で置き換えてみよう。
自分のやりたいことをやるために所属団体を移籍!新しい団体で新しい仲間たちと切磋琢磨しつつ、自分の新しい目標へ向かっていたら...捨てたはずの過去が迫ってきた。
ハードコア、デスマッチ。こうしなければ生き残れなかったんだと言わんばかりのスタイル。そんな後輩を見て、先輩は一体何を思うのか...。
アツすぎる...!
この展開はもう見るしかないでしょう。
久しぶりに先輩に挨拶したら、完全に上から目線でバカにされた。
ひょっとしたらユニット間で何かの同盟関係を築くなどの未来もあったかもしれない。
ただ、そんな未来は一瞬で崩れ去った。
「私はお前のことを信じてたのに。私にどれだけ迷惑かけたか、分かってんのかコノヤロー!」
この言葉だけで十分だ。それなのにまだ先がある。
これにジュリアからは「ホントに迷惑かけたね、すずには。でも、私のおかげであんたもここにいるんでしょ?」。この言葉に今度は世羅が激高し「調子に乗ってんじゃねえよ! 3月の両国国技館大会、ぶっ潰してやる!」と3月26、27日の2日連続で行われる東京・両国国技館大会への襲撃を予告した上で5人でジュリアを攻撃した。
ジュリア選手の言葉にプロミネンスのメンバーが激昂し、襲撃騒ぎにまで発展したのだ。
あの頃は、新人は弱そうに振る舞えと指導されてたからな
— ジュリア=Giulia (@giulia0221g) 2022年1月30日
でもアンタは違ったな。
記憶に微かに残ってるよ。
本気のジュリアに勝てると思うなら挑戦して来いよ、先輩 https://t.co/pzJoSwnrX5
後輩だけじゃなくて、先輩からも石を投げられる。
このやり取りが深夜1時に行われているのだ。もうちょっとこれは今後の展開を見るしかない。今、スターダムが一番熱いと言っても決して過言ではない!
プロレスの醍醐味
プロレスの面白いところは物語が二重構造になっている点である。
“スターダムのジュリア”がリングの上にいる一方で、ヘアメイクの専門学校を卒業後、アイスリボンの練習生となったジュリアも確かに存在する。
「とにかく変わりたかった。自分で自分を止めることができないくらい、限界に来ていました。なりふり構ってられないくらい"どん底"だったんです。すべてを変えるか、引退するかの二択でした」
スターダムに正式入団し、11月28日に都内で会見を開いたが、風当たりは強かった。
すっかり忘れていたが、ジュリア選手がスターダムへ参戦した際、色々言われていた気がする。
アイスリボンを綺麗にやめたわけではない。それが伝わっていたためだ。
極論、僕たちは未来しか変えられない。過去に囚われるばかりでは、新しい世界は見えてこない。
ただ、かつての仲間たちが“あの頃”の自分がいなくなった場所で戦ってきた後輩が、牙を剥いてきた。
「スターダム」で受け入れられた“話題のお騒がせ女”の前に現れたかつての仲間たち“プロミネンス”。
誰しもが消えない、消せない過去を持っている。
そんな消えない何かとジュリア選手はどう向き合うのか。
これからのスターダムから目を離すことができない。
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