エル・デスペラードが本当に闘いたい相手とは?

エル・デスペラードが本当に闘いたい相手とは?

高橋ヒロム選手を東京ドームで倒したインパクトや新日本プロレスのグッズ売上で5位以内に入る功績。

栄枯盛衰の激しいプロレス界で一気にスターダムを駆け上がることは至難の業である。

ヤングライオンが凱旋帰国後、すぐに結果を出すことは決して珍しいことではない。

この10年でも“レインメーカーショック”を筆頭に“タイムボム”が“タイムスプリッター”を葬ったことや“3K”のインパクト、“スイッチブレイドショック”など数多くの事件が巻き起こった。

ただ、中々結果が出せずにもがき、苦しむタイプもいる。

エル・デスペラード選手はとにかく出遅れてしまった。僕が新日本プロレスを見始めた2017年の段階では“鈴木軍”の構成員の一人という印象。飯塚高史さんを引率する役割を担っていた記憶はある。

そこから高橋ヒロム選手と因縁があるらしいことが分かってくると、少しずつ興味がではじめた。

ただ、敢えて書くが試合に安定感がなく最高の試合をした次の試合であれ?みたいなことも珍しくなった。

それが2022年ではどうだ。

東京ドームで高橋ヒロム選手を破り、若手で伸び盛りのヤングライオンに“最高の挫折”を与えた。

そして、次のチャレンジャーは...。新日本本隊でも、CHAOSでもバレットクラブでもロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンでも鈴木軍でも、ユナイテッドエンパイアでもない。

おそらく他団体のレスラーが新日本プロレスのリングにやってくる。

エル・デスペラード選手は新日本プロレスジュニアに対して、強い危機感を覚えている。

“ガイジンレスラー”が参戦しずらい状況下で、タイトルマッチはマンネリ化。自分と高橋ヒロム選手の試合は多くても年に2回が限度。この状況で盛り上げつつ、自分をさらに高みに押し上げるには、誰も走ったことない地獄のデスロードへ挑む必要がある。

極上にして究極。最強にして最大の相手。金丸義信選手をチャレンジャーとして本気で指名する。

現在、IWGPジュニアの最多防衛回数は11回。ここにエル・デスペラード選手は挑むつもりだ。そして、V12の相手として金丸義信選手を指名する。

これがエル・デスペラード選手が描いた絵だ。

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フィジカルだけでは勝てない

マスター・ワト選手を頑張ったと見るか、すごかったと見るか、物足りないと感じるか。人それぞれに感じるところがある試合だったと思う。

フィジカルでは新日本プロレスジュニア随一。これはかなり前から分かっていたことだ。

凱旋帰国後、肉体が仕上がるにつれ“強さ”は増していった。ただ、足りない。まだ“強さ”以外が足りない。エル・デスペラード選手を倒すには、フィジカルの上に乗せるものが必要だった。

ただ、そこができるようになった時、マスター・ワト選手は“グランドマスター”に達する。

そのために必要な“黒星”だった。この試合がきっと未来につながる一戦になる。そう感じさせる試合だった。

 

「オイ、ワト、前哨戦でなんだかんだ嫌なこと言ってごめんな。あれ全部本心なんだわ。要はそこが足りてねえってだけ。いやあ、個人的にお前のこと嫌いだからさ、褒めたくないんだけどさ、フィジカルに関しては今新日本に上がってるジュニア勢の中でぶっちぎりだとは思ってんだよ。ただな、脳みそと練習量と考え方がちいーっと足りないかな? ノブさんについたらどうだ? お前、そこの二人(天山と田口)についてたって、結局この程度なんだろ? まあ嘘だけど。(解説席にいるヒロムに向かって)ヒロム、でも、あれそんなに時間かかんねえぞ。(今度はセコンドの金丸に向かって)ノブさん、言ってくれましたよね? 俺が持ってる段階で挑戦するんだったら意味があるって。でもさ、ちょっといろいろやりたいことあんすよ。リンダマンとかT-Hawkとかね、まだやったことがねえからさ、やってからの品定めしてからのになっちゃうんだけど、やりたい相手いっぱいいるんですよ。いつかやりましょうよ。この後に続くようなカッコいいこと言って終わりゃあいいんだろうけど、そういうの苦手なんで……でも、現IWGPジュニアヘビーウェイトのシングルチャンピオンは俺様です」

出典:新日本プロレス

金丸義信とのタイトルマッチ

例年どおりヘビーとジュニアのチャンピオンが旗揚げ記念日で激突するのであれば、エル・デスペラード選手は2年連続でメインイベントに上がることになる。

50周年のお祭り興行なので、少々カードが変わってくる可能性はあるものの、新日本プロレスジュニアのトップとしてリングに上がることだけは間違いない。

エル・デスペラード選手は一気に新日本プロレスジュニアのトップへと躍り出た。勢いではなく地力でたどり着いた。

だからだろうか。既にストップ・ザ・デスペラードという印象すらある。

 

そんな彼が本当の意味で自分をジュニアのトップだと思うためには、金丸義信選手を倒す必要がある。

白星を飾るだけではなく、本当の意味での金丸超えを成し遂げたい。自分にプロレスを教えてくれた、育ててくれた先輩であり“相棒”に恩返しがしたい。

そんな気持ちが伝わってくる“挑戦表明”だった。

「やりたい相手いっぱいいるんですよ。いつかやりましょうよ。」

マスクをつけていても表情が分かる。今じゃない。今このタイミングでやるべき試合じゃない。ここで指名すればタイトルマッチは組まれるかもしれない。

でも、それじゃ意味がない。

俺はあんたに勝ちたいんだ。だから、もっと強くなる。頑張るから待ってて欲しい。

少し微笑みながら、セコンドについていた金丸義信選手を見ているチャンピオン。その光景がとても美しかった。

「IWGPジュニアヘビー級選手権試合」

“王者”エル・デスペラードVS“挑戦者”金丸義信。この試合が実現することを願うばかりだ。

最後に

これまでずっと「IWGPジュニア」と縁遠かった金丸義信選手がいよいよシングル戦線に台頭する可能性が出てきた。

この流れを作ったのはエル・デスペラード選手であり、彼にしかできないことだったと思もう。

点と点がつながって線になる。

“ならず者”と“ヒールマスター”。彼らにしか描けない最高の星座を見る日が楽しみで仕方ない。

「IWGPジュニアヘビー級王者」としてV12を成し遂げたエル・デスペラード。

“ならず者”が本当に闘いたい相手は、自分が思い描く理想の自分なのだ。

・スターダムがとんでもないことになっていたので少し書く

・本当のプロレスファンとは何かについて考えみる

・棚橋弘至がKENTAとのノーDQマッチで考えていたこと

・新日本プロレスを応援することにおける経験価値

・鷹木信悟のテーマ作りに人生で大切なものを学ぶ

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