グレート-O-カーンの説教から学ぶこと
グレート-O-カーンの説教から学ぶこと。
「人は年齢を重ねるほどに怒られなくなる」
ミスを指摘されることはあれど、大人なんだからちゃんとやってよね?という一定のラインで終わってしまうことが多い。
僕のキャリアというか仕事っぷりを見ても最後に怒られた(説教された)のは遠い記憶まで戻る。
ここ数年は特に説教されたケースが限りなく少ない。
しっかりキッチリできていればそんな“おしおきだべ〜”的な時間は必要ないのだが、ちゃんとした上司が心から叱ってくれると自分の心にも残るものがある。
何かをした後輩を見捨てて、ハイハイと片付けるのではなく、真剣になって怒る。逆の立場になってみると、これは中々疲れるのだ。
ストレス解消に見えるかもしれないが、そんなことはなく「言い過ぎたかな...」と後から人知れず後悔することだってある。
そんな葛藤も承知の上で、グレート-O-カーン選手は“ヤングライオン藤田晃生選手を文字通り“叱りつけた”。
新日本プロレスにグレート-O-カーン選手あり。そんなメッセージを感じる言葉の連発に思わず心が動いた。
【2.16後楽園大会・第1試合】
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2022年2月16日
藤田晃生vsグレート-O-カーン!
今宵もオーカーンが実力差を見せつけ貫録勝利!
★試合の詳細は新日本プロレス・スマホサイトで速報中!https://t.co/b7g0IHwOvw#新春黄金シリーズ #njgolden pic.twitter.com/GUW8MwZVYs
どんな試合だったのか
よりにもよって新日本プロレスワールド後日配信の日だった。
この取り組みは本当に既存のファンを目減りさせるだけなので、今シリーズでやめてもらいたい。本当に悪手でファン側から見たらメリットがまったく無いので。
今シリーズ“鬼畜王の所業”を受け、地獄のシングル連戦を続けるグレート-O-カーン選手。
この日も第1試合でヤングライオンと激突した。
どんな試合だったのかは僕も確認できていないのだが、試合後のコメントがキレキレというか社会人として大切なものを伝える内容だったのだ。
オーカーン「(※持参したイスを置いて座ると、しばし後頭部を押さえて)藤田、テメーみてぇなザコとやるのはこれが最後だろう。だから教えてやるよ。テメーがいいのは、若さだけだ。だがなぁ、体がちっちぇぇくせに、ヤングライオンの中で一番元気がねぇってのはどういうことだ! ちいせぇからこそ、元気とか声とか根性とか、人一倍なきゃダメなんじゃねぇのかよ! まずはそこだろうがよ! プロレスの基礎の基礎だボケ、コラ! で、テメーもレスリングやってて、どう思ってんのか知らねぇよ。夢持ってんのか、自信持ってんのか知らねぇよ。誰かさんが、オリンピアンは高校生なんか知らないって言ってたけどな、ホントその通りだよ! 下なんかあえて誰が見るんだよ! 新日本に、(レスリングの)全日本チャンピオン、何人いんだよ。全日本獲った、レスリング(上がりの選手)、何人いんだよ。それでも第1試合なんかで割食ってるヤツもいんだよ。テメーはドローになって満足してんじゃねぇのか? 知らねぇよ、テメーなんかの心意気は。だが、スポンジ性がねぇよ、スポンジ性が! テメーもなぁ、上目指すんじゃねぇのか。高校で終わってるから、その程度か。オリンピアン見ねぇか、テメーは」
オーカーン「これも言っといてやるよ。後輩の指導とかそんなんじゃねぇぞ、コノヤロー! こっちもな、テメーみてぇなザコの相手なんかつまんねぇんだよ。少しは歯ごたえ持たしてくれよ。まぁやれねぇだろうけどな。これから5年後も10年後もスポンジがなきゃその程度だ」
メインイベンター級
グレート-O-カーン選手はすでにメインイベンター級(実際はどの順番でも関係ないほどの規格外性をもっているのだが、ここは敢えてメインイベンター級としたい)。
そんな漢とヤングライオンがシングルマッチを闘うことができるのは、ラッキーすぎる。
ただ、支配者の目から見て藤田晃生選手には明らかな課題があったようである。
高卒でデビュー。最年少で元気さ、フレッシュさがウリ。そのはずが、ヤングライオンで一番元気がない、と。
身体のサイズが小さい点も指摘し、だからこそ「元気とか声とか根性とか、人一倍なきゃダメなんじゃないか」と今の課題を突いた。
この発言はとんでもないことだったりする。ここまで若手に対して、キチンと指摘したレスラーは見たことがない。
もっと頑張って!まだまだだけど、将来は楽しみ!はあるが、具体的に今伸ばすべきポイントまで指摘したケースはあまり見ない(ジュニアはあるが、ヘビーではかなり稀な光景だった)。
プロレスの基礎の基礎ができなければそこに“+α”が乗せられない。上村優也選手が“あすなろ戦士”と一部で呼ばれていた。彼は徹底的にその基礎を磨いた結果、ヤングライオンのレベルを超えるに至ったのだ。
若いことだけで個性になる。その個性を最大限に発揮するためにはとにかく元気がひつようなのだ。失敗してもいい。とにかく気持ちを見せる。今はそれでいいのだ。
そして、将来は気持ちを表現する境地に達してほしい。
今回の説教を見て
「最近の若者は...」みたいな言葉すら陳腐化した現代。
ゆとり教育からさらに下の世代までいくと、もう付き合い方が分からないというケースもある。
ただ、全く同じではないが素直で自分のために言われた言葉を胸に刻み込む子はたしかにいる。
上の世代が頼りないから舐められてるのも多少はある。僕自身、冴えない先輩を見て「うーん」と思ったりしていたので。
だからこそ、カッコよく信頼を得られる人でい続けなければならない。
説教できる自分で居続けなくてはならないのだ。
グレート-O-カーン選手は新日本プロレスでいきなりベルトを戴冠していないキャリアながら注目度を高めることに成功した(ヘビー級でオカダ・カズチカ選手やジェイ・ホワイト選手などはすぐに結果が出たタイプ)。
彼から学ぶことが限りなく多いハズ。
生き様を感じさせる説教を見て、僕も毎日頑張らなきゃなぁと思ったのだった。
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