プロレスにおける前哨戦の意味
前哨戦。
プロレスを見始めた頃、前哨戦についてどんな意味があるのかぼんやりとしか理解できなかった。
来たるべきタイトルマッチに向けて、各地で何度も肌を合わせる。
タッグマッチで何度も何度も毎日のようにぶつかり、相手にダメージを与えていく。
クビや腕、脚。相手の弱点とする場所に日々ダメージを加えることで、タイトルマッチを優位に進めることができるし、今のクセやパターンも読めてくる。
ただし、ダメージとは肉体的なものだけではない。
心理的な揺さぶり。ここがなかなか大切なのだ。
相手の突かれたくないところ、痛いところに言葉を落とす。相手の想像を超えるテーマをぶつけてみる。
そうしたやり取りを経て、当日のタイトルマッチは大きく盛り上がる。
準備期間であり、作品ができるまでの大切なプロセス。これが前哨戦の魅力なのだと気づいたのはしばらくしてからだった。
ただ、今回、新日本プロレスの新春黄金シリーズは生配信、配信数がともに少なくなんだか僕の気持ちが準備できていない。
今朝起きたときですら、あぁ今日かという感じだった。びっくりした。ここまでプロレスと気持ちが離れてしまったのは、久しぶりだったからだ。
バックステージコメントは当日のうちに全試合チェックしているし、各レスラーのSNSも毎日目を通している。
それでも何か物足りない。この気持ちを探るために、探検隊は自分の心へと潜った。
【直前情報!チケットは当日まで販売!】
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2022年2月18日
2月19日~20日雪の札幌2連戦!
『LECクリンぱっ!Presents 新春黄金シリーズ』
北海道立総合体育センター 北海きたえーる大会に関するお知らせhttps://t.co/QJsnuixcZE#njpw #njgolden #njgoldenfinal #新春黄金シリーズ pic.twitter.com/YLBLbIjRSb
内藤哲也の一撃
まずは、今回の「IWGP世界ヘビー級選手権試合」について。
東京ドームで鷹木信悟選手、ウィル・オスプレイ選手を破り、新日本プロレス50周年を背負う覚悟を世界中に見せつけたオカダ・カズチカ選手。
挑戦表明した内藤哲也選手は「今の新日本プロレスで一番強い」と“レインメーカー”を表現。実際、今のオカダ・カズチカ選手に対して、2021年は全く結果が出なかった内藤哲也選手では厳しいという見方があった。
「G1クライマックス」全敗。「ワールドタッグリーグ」予選落ち。今の内藤哲也選手とオカダ・カズチカ選手では積み上げいる実績が違いすぎる。
ただ、そんな逆風を一撃でふっ飛ばすのだから内藤哲也選手は凄まじい。
内藤「(コメントスペースに現れるが、なぜか一言も発さずに一度引き上げる。そして再びやって来て)今、新日本プロレスで一番強い男を感じたい。その一番強い男を倒したい。そして2023年1月4日、東京ドーム大会のメインイベントに戻りたい」
これが今回、俺がオカダに挑戦する理由なんだけど、2月20日、札幌大会でオカダに勝ったら、きっと俺はリング上で我慢出来ず、あの男の名前を叫んでしまうんだろうな。2年前の旗揚げ記念日、対戦が決まっていたはずなのに、コロナの影響で中止になってしまった、あの男との初めてのシングルマッチ。この2年前に止まってしまった時計の針を進めることから、俺は始めようかな。まあ2月20日、札幌大会で今、新日本プロレスで一番強い男を倒したらの話だけどね」
内藤「じゃあ、次は2月19日、2月20日、札幌・北海きたえーるでまたお会いしましょう! アディオス!」
端的に言えば、高橋ヒロム選手を指名する。本来、二冠王だった内藤哲也選手とジュニアのチャンピオンだった高橋ヒロム選手が旗揚げ記念日にシングルマッチを行う予定だった。
師弟いや、兄弟いや“相棒(パレハ)”対決に多くのファンの注目が集まったが、結果は大会中止。その後、タイトルも動いたため直接対決が実現することはなかった。
一貫性のなさこそ制御不能
この発言を見た瞬間にそう来たかと思った。
一方で、内藤哲也選手は先々のことを考えず今を見るべきなんじゃないかと何度も対戦相手に提言したことがある。今回も、ifの話で締めくくっているが、ある意味でタイトルマッチの先にファンの目線を逸し、自分への注目を集めることに成功した事例だと言える。
内藤哲也選手は以前からこういった一貫性のないセリフを出すことがある。これがベビーフェイスであれば、いやいや言ってることが前と違うじゃないかとなるが、内藤哲也選手は“制御不能”である。なんでもアリの境地に達して今の魅力・輝きを手に入れた。
新日本プロレスで一番強い漢を倒す。有言実行として東京ドームのメインに返り咲く。ひょっとすると...。2022年は内藤哲也VSオカダ・カズチカの完全決着こそがテーマになるのかもしれない。
前哨戦の大切さ
正直、SANADA選手は「IWGP USヘビー級選手権試合」への機運を高めることができなかった。なんかふわっと突入した印象があるのは、棚橋弘至選手の指名からスタートした因縁だったからかのか。
試合が面白いものになるのは分かるし、見れば盛り上がるのも分かっているのだが、今朝の段階では何か一つ足りない感じがする。
タッグについては色々と話題があるが、やはり情報量が不足している。実際、後日配信では見る時間が捻出できないことが多い。
やはりライブ配信が持つ“謎の強制力”は強いのだ。
ワクワク感を作るのが前哨戦の役割。やはり前哨戦た大切なのだ。
★お休みの間にランキングが激落ちしたので応援お願いします★
→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】
★NJPWFUNのPodcastはじまりました★
→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】