オカダ・カズチカ選手の「“腐ったミカン”が自分からいなくなってくれた」 発言と3つの雨について
“腐ったミカン”が自分からいなくなってくれた――。
2018年年10月23日に開催された『九州三国志 presents Road to POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018~』のメインイベント終了後、バックステージにてCHAOSのオカダ・カズチカ選手が坂本金八の名言を引用し、ジェイ・ホワイト選手を遮断した。
オカダ・カズチカ選手が棚橋弘至選手と、東京ドームメインイベント挑戦権利書の懸けた一戦から一ヶ月が経った。
そう、『DESTRUCTION in KOBE』から早いものでもう一ヶ月が経ったのだ。
2012年以降6年間マネージャーを務めていた外道選手はオカダ・カズチカ選手の隣からいなくなった。
外道選手と半生を共にしている邪道選手はオカダ・カズチカ選手を救出に来たと思いきや、突如として反旗を翻した。
凱旋帰国後、いつも一緒にいたYOSHI-HASHI選手は負傷欠場中のまま。
2018年のイッテンヨン、3つの雨を公約したオカダ・カズチカ選手は今、何を思う。
“腐ったミカン”の2018年
オカダ「ジェイがリング上で言ってました。俺(ジェイ)が抜けたあと、CHAOSどうなってるの? 何が起こったんだ?ってな。ありがたいことに“腐ったミカン”が自分からいなくなってくれたので、後は残った美味しい瑞々しい甘いミカンで、新日本プロレスを盛り上げて行きます」https://t.co/lBmVRzVNho pic.twitter.com/IPT1f0bqcr
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) October 24, 2018
元々、ジェイ・ホワイト選手がCHAOSに加入したのは、オカダ・カズチカ選手のスカウトがキッカケだった。この時、オカダ・カズチカ選手はこう語っている。
オカダ「新しいCHAOSのメンバーのジェイ・ホワイトです。まぁ、ジェイは昨日『BULLET CLUBに入るのかな?』と思ったんですけども、ケニーとやりたそうだったんで、『だったら、こっちに来いよ』って、ボクが外道さんに『棚橋とやりたいんだったら、CHAOSに来いよ』って言われたのと同じような形で、『じゃあ、おまえもケニーとやりたいんだったら、CHAOSに来いよ』と誘って、CHAOSに来ました」
出典:新日本プロレス公式サイト
ここで分かるのはジェイ・ホワイト選手はケニー・オメガ選手を失墜させるために、『CHAOS』へ加入しているということだ。
振り返ってみると、2018年1月5日、ジェイ・ホワイト選手はケニー・オメガ選手から直接、『BULLET CLUB』へのスカウトを受けた。一度はTシャツを着用するも、そのまま「ブレード・ランナー」でケニー・オメガ選手を強襲。マットに沈める形で三行半を返した。この一件が、Cody選手とケニー・オメガ選手の対立構造に発展する引き金となっている。
2018年2月にジェイ・ホワイト選手は『IWGP USヘビー級選手権試合』に挑み、ケニー・オメガ選手を破った。
その後のリング上でCody選手がケニー・オメガ選手の関係が悪化。一気にリーダー争いへと発展した。この日、『ゴールデン☆ラヴァーズ』は復活した。
だが、AJスタイルズ選手が新日本マットを去った後、一時代を築いた『ザ・クリーナー』は消え去ってしまった。
その後、『BULLET CLUB』は『BULLET CLUB OG』と『BULLET CLUB ELITE』に分裂。
ジェイ・ホワイト選手、外道選手、邪道選手の加入後、『BULLET CLUB OG』は『BULLET CLUB』へと名称を変えた。
つまり、『BULLET CLUB』が現在の形になる影にはジェイ・ホワイト選手の影があったのだ。
自身ではリーダーだと語っていないものの、気づけば狙っていたケニー・オメガ選手と同じ立ち位置にヒールとして登り詰めた“Switch Blade”。新時代の幕を開けるために暗躍し、表舞台へと躍り出る1年となった。
レインメーカーの1年
2018年のイッテンヨン。メインイベントで内藤哲也選手に勝利したオカダ・カズチカ選手はこう語った。
いままでは、レインメーカーとして“カネの雨”しか降らせて来なかったですが、2018年、“感動の雨”“驚きの雨”“幸せの雨”、いろんな雨を降らせて行きたいと思います。でも! 1番は“カネの雨”。というわけで! 2018年も!! 新日本プロレスにー!! カネの雨が降るぞー!!(※大歓声)」
出典:新日本プロレス公式サイト
“感動の雨”。“驚きの雨”。“幸せの雨”。
この3つの雨について振り返ってみよう。まずは、“感動の雨”。これは前人未到のIWGPV12を達成したことで、どしゃぶりの雨が降ったと僕は思っている。対戦相手はV11の記録保持者である棚橋弘至選手。もう誰もオカダ・カズチカ選手を止められない。そう感じさせられた一戦だった。
続いて、“驚きの雨”。これはケニー・オメガ選手に敗れた後の変貌、そして外道選手の別れが示していると思う。ガウンを脱ぎ捨て身軽になった入場シーン。ベルトを巻いていない身軽さから来るリングイン。金髪から赤、オレンジと髪の色もイメージを変えた。
最後に“幸せの雨”だ。これについてはピンと浮かぶものがない。720日の間腰に巻いていた『IWGPヘビー級ベルト』はケニー・オメガ選手の元へ。自身がスカウトしたジェイ・ホワイト選手は離反し、恩人・外道選手は『BULLET CLUB』に加入した。
『IWGPヘビー級ベルト』を保有していない状況で初となるG1クライマックス優勝を逃し、10月24日時点で東京ドームの対戦カードも決定していない。
レインメーカーになって以降、初めてづくしの出来事が続いている。ある意味これが驚きの雨と言っても過言ではないだろう。
では、“幸せの雨”はいつ振るのか。今のオカダ・カズチカ選手に“幸せの雨”を降らすことができるのは、棚橋弘至選手だけなのかのかもしれない。
腐ったミカンの真意
伝説の教師・坂本金八先生は、自身の生徒(加藤)が腐ったミカンと揶揄されたことについて激昂し、涙を流し訴えている。前段にある腐ったミカンがあると周囲のミカンにも悪影響があるというイメージが強いが、実は自分の生徒を守るというエピソードが本筋なのだ。
生年月日から逆算するとオカダ・カズチカ選手がこのお話について正確に認識しているのかは疑問だ。だが、腐ったミカンと揶揄したジェイ・ホワイト選手は元々は自身がスカウトした期待の新人、“瑞々しい甘いミカン”だったはずだ。
「これからライバルになってほしい。そのために外道さんも利用すればいい」こう思っていても不思議ではない。それほどオカダ・カズチカ選手は大きく成長したのかもしれない。
“腐ったミカン”はCHAOSというチームにとってのジェイ・ホワイト選手を揶揄した言葉。一人のプロレスラーとしてはもっと力を付けてこい。これがオカダ・カズチカ選手の胸中なのではないか。
2018年も残すところ後2ヶ月。“幸せの雨”が降り注ぐ日を僕は楽しみにしている。
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