新日本プロレス田口隆祐選手に『パトレイバー』後藤喜一の姿を重ねる

普段は昼行灯を装い、締める所はバチッと締める。そんな男なら誰しもが憧れる一面を田口隆祐選手は持っている。

下ネタを連発しても“笑”で済まされるキャラクター、“尻”を巧みに操るファイトスタイル、口数が多いタイプではないが、誰からも愛されるほがらかな人間性。そのユーモアが輝かせるのは“本気”になった時の表情と動きだと思う。

ただのコミカルじゃない。ガチになった時は強い。それが新日本プロレス田口隆祐選手の魅力だと思う。

理想的な大人の男性。田口隆祐選手の姿に僕は『パトレイバー』後藤喜一の姿を重ねていた。

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後藤喜一とは

1998年にアニメが放送された『機動警察パトレイバー』。今では一般的になったメディアミックスを導入した初の作品である。原作は『機動警察パトレイバー』のために編成されたヘッドギア。原案・漫画はゆうきまさみさん、出渕裕がメカニックデザインを勤め、キャラクタデザインは高田明美さん、脚本は伊藤和典さん。そして、監督を押井守さんが務めるというオールスターメンバーが集った作品だ。

詳細はこちらからチェックいただきたい。

豪華スタッフが集結した『機動警察パトレイバー』に登場する特車二課第二小隊長が後藤喜一だ。声優はテレビドラマからアニメまで幅広く活躍する大林 隆介さんが務めた。

この後藤喜一という男は、大人になってから『機動警察パトレイバー』に触れると、とにかくカッコいいという言葉に尽きる。

飄々としてとらえどころがない普段の立ち居振る舞い。だが、その過去は“カミソリ後藤”、“本庁で有名な悪”と呼ばれるほどに一目を置かれてた人物だった。

一見すると無気力、無関心。にも関わらず部下からの信頼は厚い。レイバー犯罪という『機動警察パトレイバー』で社会的な課題に対し、自身が関係各所から直接メンバーをスカウトし、問題対策に当たっている。

アニメと現実を混在するのは単純すぎる思考だが、僕は田口隆祐選手に後藤喜一に似た憧れを感じてしまった。

“今”の田口隆祐選手が輝いた瞬間

『第69代IWGPJrヘビー級王座』に輝く以前の田口隆祐選手はどちらかと言えば地味な選手であった。中邑真輔選手、後藤洋央紀選手と同期入門を果たし、体力テストではぶっち切りの成績を残しているほどの身体能力の持ち主にも関わらず、キャラクターは地味だったのだ。

だが、『第69代IWGPJrヘビー級王座』に輝いた後に現在のキャラクターを確立した。“69”という数字にも強いこだわりを見せるようになった。

時には会場を沸かせる田口ジャパンの監督として、時には若手の壁として。その存在感をより強く発揮していった。また、俳優としても才覚を発揮。『パパはわるものチャンピオン』では助演男優賞ものの演技力を見せつけた。ボソボソと喋る普段とは異なり、声から違う。役者・田口隆祐にも期待せざるをおえない。

僕は2017年、髙橋ヒロム選手との『IWGPJrヘビー級選手権試合』で見せたファイトスタイルで田口隆祐選手という選手が完成したと思っている。

田口隆祐選手「あの子いいじゃないですか」という言葉を発し、新日本プロレスへの入団が許された髙橋ヒロム選手。恩人との一戦に対し、髙橋ヒロム選手は昔の強かった田口隆祐選手を引き出したいと語っていた。その試合中に現れた田口隆祐選手の姿は鬼神よう。圧倒的な技の豊富さと久しぶりに繰り出したドロップキックマスターは髙橋ヒロム選手を圧倒した。

必殺技のドドンを繰り出した後の表情を見たときは正直痺れた。

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この試合以降、『IWGPJrヘビー級選手権試合』には登場していないが、僕はまだまだ戦えると感じている。そして、2018年10月26日に行われた『九州三国志 presents Road to POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018~』後楽園ホール大会でその考えは確証に変わった。田口隆祐選手は強い。

セミファイナルとメインは違う

YOH選手と向き合った瞬間にはじまった初代・タイガーマスクのステップ。続いて、“無駄”に見えるロープワーク。一見すると、コミカルな時間を作ったように見える。事実、後楽園ホールも笑いに包まれた。が、これは田口隆祐選手の作戦勝ちだ。

セミファイナルに開催されたBUSHI選手&鷹木信悟選手VS石森太二選手&ロビー・イーグルス選手の一戦は『ドラゴン・ゲート』VS『登竜門』という煽りもあり非常にレベルの高い好勝負となった。

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 観客の熱狂冷めやらぬ中行われたメインイベントを自分たちに空気に変える。そういった意味を込めて、まずはコミカルな展開に持ち込んだ姿が印象に映った。

ロッポンギ3K結成前にはタグチジャパンTシャツを着たこともあるYOH選手の“受け身”も流石である。

試合後半、3つの見せ場

ACH選手とのタッチから珍しくジャンピング・リングインを行った田口隆祐選手。ここから彼の時間がはじまった。ここで僕が特に目を奪われた3点をお伝えしたい。

  1. ファイブスタークラッチの切り返し
    『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25』、『スーパージュニア・タッグリーグ』と勝ち星を積み重ねるYOH選手のファイブスタークラッチ。一撃必殺にも近いこの技を完璧な形で切り替えした。体重移動から押さえ込みへの流れ。まさに流れるようにという言葉が相応しい切り返しだった。トップレスラーが集う新日本プロレスにおいてここまでキレイな切り返しが見れるのはヘビー級では矢野通選手、ジュニアヘビー級では田口隆祐選手だけだろう。
  2. 敢えてのドロップキック
    久しぶりに飛び出した田口隆祐選手のドロップキック。オカダ・カズチカ選手がレインメーカーとなる前から、ドロップキック・マスターと呼ばれ入場曲も“MASTER OF DROPKICK”。その名に相応しいドロップキックを見せた。
  3. オーマイアンドガーファンクル前の表情
    そして、ドロップキックを見舞った後、ACH選手がSHO選手を分断した瞬間に見せた表情だ。この試合を終わらせる。久しぶりにマジな表情の田口隆祐選手が飛び出した。

最後はご当地スープレックスでフィニッシュ。まさに何度でも見たい好勝負だ。

マネジメント能力の高い上司

試合後のマイクで語った「勝つと思ってなかったでしょ?」は確かな自信の現れだ。ACH選手の69%、観客の30%、田口隆祐選手の4%で勝利を掴んだこの1戦。『ワールドタッグ・トーナメント』準優勝タッグの勢いは留まるところを知らない。

これまでもプリンス・デヴィット選手、リコシェ選手、ACH選手と“ガイジン”レスラーのポテンシャルを十二分に引き出す田口隆祐選手のマネジメント能力に、『パトレイバー』後藤喜一の背中を見えた。

やる時はやる。締めるところは締める。でも、ユーモアは欠かさない。

そんな田口隆祐選手が「大好きでーす!」

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