5つの名シーンで振り返る2018年の新日本プロレス

今月もありがとうございました!

今回は2018年12月のNJPW FUN 特別編として、僕の心を強く揺さぶった新日本プロレスの名シーン5選をお届けします。

ケニー・オメガ選手と飯伏幸太選手の『ゴールデン☆ラヴァーズ』再結成。髙橋ヒロム選手やKUSHIDA選手、石森太二選手たちが獣神・サンダーライガー選手勇退後の『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25』。

真夏の祭典『G1クライマックス28』での矢野通選手や棚橋弘至選手と柴田勝頼選手が魅せた優勝決定戦での夢の一時。

そして、感動という言葉では語り尽くせないエクストラとしてオカダ・カズチカ選手と外道選手の別れについてもお伝えします。

2019年のイッテンヨン『レッスルキングダム13』まで残すところ数日。どんな大会になるのか楽しみですね。

 

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愛に言葉はいらない。ゴールデン☆ラヴァーズ復活!

イッテンゴでケニー・オメガ選手がCody選手に蹂躙されそうな飯伏幸太選手を救出に入ったことから本格的にはじまった『ゴールデン☆ラヴァーズ』の再始動劇。

札幌の地でジェイ・ホワイト選手に『IWGP USヘビー級ベルト』を奪わるだけではなく、野心が表面化したCody選手には反旗を翻され、絶対絶命のピンチを迎えたケニー・オメガ選手。

その時、白馬に乗った王子が猛スピードで、彼の元に現れる。

自身のピンチだからこそ、彼は助けに来てくれた。そんなことは分かっていても、素直になれない。

恋人と別れ、『ザ・クリーナー』となることで強くなることができた。

カナダからやってきた“ガイジン”レスラーは前進することでしか自分を表現できなかった。

ただ、一番大切なものを犠牲にしてまで手に入れた栄光はあえなく崩れ去ってしまった。

ここで彼の手を取ってしまったら、今までの自分を否定することになる。『ザ・クリーナー』にも戻れなくなる。再び彼との愛(プロレス)に溺れてしまうから。

そんな葛藤を振り払うのに言葉は必要なかった。強引に振り向かせた王子様の前にケニー・オメガ選手は心を裸にした。

本当の意味での恋人の再会。言葉よりも大切なものが2人をつないだ。

そして、あの日舞った銀テープは10ヶ月後に雪となった。

2018年は恋人たちの再会が新日本プロレスの中心に存在した。

 

新世代が魅せたスーパージュニア

「これが俺たちのスーパージュニアだ!」髙橋ヒロム選手の初優勝で幕を閉じた2018年の『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』。

2017年で、長年新日本プロレスジュニアを牽引してきたレジェンド 獣神・サンダーライガー選手がジュニアの祭典を卒業した。

彼が積み上げてきた功績、彼がいないと盛り上がりに欠ける。そんなことは絶対にあってはならないも、全選手がこれまで以上にプライドを懸けたように思う。今大会でSHO選手は非常に価値を上げたし、エル・デスペラード選手も髙橋ヒロム選手との愛憎劇で、大きく存在感を増した。

そして何より、石森太二選手だ。髙橋ヒロム選手、KUSHIDA選手、ウィル・オスプレイ選手、マーティー・スカル選手で固まっていたジュニアシングルのトップ戦線に風穴を開け、決勝戦へ進出。髙橋ヒロム選手と好勝負を繰り広げた。

マイクを持った髙橋ヒロム選手が「俺の」ではなく「俺たち」と言ったことに出場選手たちによる不思議なキズナを感じさせた。

『G1クライマックス』に負けない!と宣言していたが、決して見劣るシリーズではなかった。来年、再来年がもっと!もっと!もっと!楽しみになると感じさせた名シーンである。

「一歩踏み出す勇気も大切だと思います」

レスリング火の国で鈴木みのる選手に勝利した内藤哲也選手が発した言葉は、新日本プロレスひいてはファンの心に残る名言になった。

変わらないこと、諦めないことは勿論大事。

でも、変わろうとする思い、変わろうとする覚悟、そして一歩踏み出す勇気も、俺は大事なことじゃないかなぁって思います。

だから、だから、我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンは、プロレスを通じて一歩踏み出す勇気を、皆様に与え続けていきたいなと思います。

出典:新日本プロレス公式

あの激闘を振り返ると、人と震災を表現したような戦いだったように思う。被災経験のない僕が言うのも烏滸がましいが、震災は多くの人の心に傷痕を残す。だからこそ、変わらないこと、以前の状態に戻すことが念頭に置かれる。だが、内藤哲也選手はそこから更に一歩踏み出す勇気の尊さを語った。

人はタチアガルことができる。これまで夢を語っていた男は人々に勇気を語るようになった。笑い話ではなく、あの日の内藤哲也選手はアンパンマンだったと思う。

心の平和を守るために、お客様のためにリングへと上がる。そう彼はプロフェッショナルなのだ。

YTRが悪質タックル発動

アメリカンフットボール日本大学フェニックスの選手による悪質タックル問題は多くの物議を醸し出す事件となった。また、日本アマチュア・レスリング協会でもパワハラ問題が浮上するなど、スポーツ界の暗部が露呈された1年だったという見方もある。

そんな年に立ち上がったのが日大レスリング部出身の矢野通選手だ。

『G1クライマックス28』の記者会見でフェアプレーを宣言すると、序盤戦は反則行為を一切侵さないという、ヤングライオン卒業後の彼からは想像も付かないクリーンなファイトを連発した。だが、勝てなかった。名誉挽回を狙ってフェアプレーに邁進しても結果が付いてこなければ意味がない。

「絶対に勝たなければならない」そんな精神状態に矢野通選手が陥った時、目の前に居たのは飯伏幸太選手だった。彼の背後に立ったその刹那、矢野通選手は背後からタックルをぶちかました。

この時、僕は下を向くことの無意味さ、自由の素晴らしさを知った。

 

G1クライマックス優勝決定戦

棚橋弘至選手と飯伏幸太選手が真夏の最強選手決定戦に望んだ両国国技館。今振り返れば、入場シーンでその日の勝利は決まっていたのかもしれない。

棚橋弘至選手はLA道場のヘッドコーチ・柴田勝頼選手をセコンドに招集。その姿が目に飛び込んだ瞬間、会場全体から柴田コールが巻き起こった。

この時、棚橋弘至選手は流れを手に入れた。下馬評では飯伏幸太選手の初優勝を願う声が大きかったように思う。『G1クライマックス』の優勝者は東京ドームメインイベントで『IWGPヘビー級王者』への挑戦権利を得る。

『ゴールデン☆ラヴァーズ』の2人が東京ドームのメインイベントでぶつかり合う。この光景を期待する声が大きかったのは事実だ。だが、棚橋弘至選手は柴田勝頼選手と組むことで、その思いを一蹴した。新日本プロレスで最も愛される男の登場はそれほどのインパクトがあったのだ。

当然のように棚橋弘至選手と飯伏幸太選手の試合は大きく盛り上がった。年間ベストバウトの候補にも入ったほどに。だが、僕が最も涙を流したのは試合後、柴田勝頼選手が棚橋弘至選手を肩車したシーンだ。

何度もぶつかってきた2人が笑顔で一枚の写真に収まる。こんな素敵な景色が見れるとは思わなかった。

カネの雨を降らせた2人の別れ

この先の未来に「名シーン」として語り継がれることを期待して、オカダ・カズチカ選手と外道選手の別れについても触れておきたい。勿論、棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手の合体劇も名シーンではあったし、インパクトも十分だったが、約6年8か月の間共にチャピオンロードを歩んだ2人の決別に心は揺らいだ。

世界屈指のヒールレスラーである外道選手が、何度も行ってきたはずの背後から椅子を振り抜く行為を上手くできなかった。正確には振り抜けなかった。

心はジェイ・ホワイト選手との新時代に向かっている。だが、身体が言うことを聞かなかったのではないか。人との別れは突然だ。だからこそ、再会に感動がある。

2019年、新しい復活があることを更に期待したい。

2018年の終わりに

このブログがはじまったのが、8月なので約4ヶ月間皆さんと時間を共有していることになります。毎日ブログを書くのは楽しく、実は簡単じゃない日もあります(笑)。ただ、僕が一番好きなことを世の中に向けて発信することで、反応があるのは本当に嬉しいです。

新日本プロレスの年内興行が終了した12月16日以降、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、第1試合を除き全試合について僕が思っていることを執筆しました。試合についてや特定の選手への期待など様々です。

まだ確定ではないのですが、僕はイッテンヨンを会場で見ることができなそうです。ただ、その時は「新日本プロレスワールド」で観戦したいと思います。

改めまして今年一年、本当にありがとうございました。あなたのおかげでNJPW FUNは運営することができています。来年もよろしくお願いします!

PS.先日、投げ銭付きファンレターサービス「ofuse」というサービスを運営している友人と飲む機会があり、僕も登録してみました。いわゆるファンとクリエイターをつなぐサービスなのですが、もしもお金が集まったらNJWP FUNとしてのステッカーやノベルティでお返ししたいと思っています(お渡しは会場で...!遠方の方は郵送します...!)。ちなみに来年は記事以外での活動も粛々と準備中です!来年もよろしくお願いします。

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