YOSHI-HASHIと本間朋晃という応援したくなる才能のベストマッチ

YOSHI-HASHIと本間朋晃という応援したくなる才能のベストマッチについて書いてみたい。

「NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2019(ファンタスティッカマニア)」も残すところ、3大会を残すのみ。華やかなお祭りが終わると、『THE NEW BEGINNING』。新しい始まりがスタートする。

その初日となる2019年1月26日に埼玉・ウイング・ハット春日部で開催される試合の対戦カードを改めて見てみると度肝を抜かれた。

メインイベントの棚橋弘至選手×オカダ・カズチカ選手×田口隆祐選手×KUSHIDA選手も十二分に魅力的だ。

満を持して真壁刀義選手と矢野通選手が2人だけでタッグを組む。うん、これは別の機会に書こう。

そう、問題は第4試合である。YOSHI-HASHI選手&本間朋晃選手という新日本本隊とCHAOSの越境タッグだ。

正直に言えば違和感がある。ほぼ因縁もなければ、チームを組む必然性もほぼ感じられない。

しかも相手は前『IWGPタッグ王者』のタマ・トンガ選手&タンガ・ロア選手である。

グッドガイ宣言をしてラフファイトがないと言っても急造タッグでは連携面でも勝ち目はも薄い。

だが、不思議とこんな気持ちにさせられた。

「頑張って欲しいな」と。

これがYOSHI-HASHI選手と本間朋晃選手の魅力なのだと改めて合点がいった。

 

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YOSHI-HASHI選手の魅力

YOSHI-HASHI選手と本間朋晃選手。2人の魅力を分析していくと、応援されるプロレスラーという才能が特出していることが分かる。

YOSHI−HASHI選手は未だ新日本プロレス入門から12年目に入ったが、未だベルト戴冠の経験はない。つまり、プロレスラー・YOSHI−HASHIという見方をすれば、全く結果を出せていないことになる。

推しの選手には当然勝って欲しいし、ベルトを持って欲しいと思うのがファン心理としては当たり前に働くものである。だが、YOSHI−HASHI選手はその想いに応えることができない。にも関わらずファンから非常に愛される存在なのである。

この才能について改めて考えてみると、現代型の個性だということが分かる。

前もって説明しておくが、これはジャンボ鶴田さんと戦うことで「やられの美学」や「受けの達人」という新境地に達し、異次元の凄さを引き出すことに成功した“火の玉小僧”菊地毅選手とは異なるものになる。

YOSHI−HASHI選手のプロレスを紐解いていくと、明らかに強者側のプロレスではない。

弱者が強者に一矢報いるためにはどうすればいいか。彼の試合を見ているとそんな気持ちにさせられる。

これって現実の僕なのだ。決して強くない。精神的にも肉体的にも弱い。でも負けたくない。そんな心を投影しているのが、YOSHI−HASHI選手のプロレスなのである。

強くてデカくてカッコいい。そんなプロレスラー像が以前にはあった。だが、人が憧れられるだけが魅力ではない。

現代人の心に沿っと寄り添い、不甲斐ないところを魅せつつも歯を食いしばる。そんな彼のプロレスは現代の新日本プロレスに絶対に必要な個性なのである。

 

みんなのこけし。その“愛”

一方で本間朋晃選手はその出自からして、YOSHI−HASHI選手とは全く異なる。大日本プロレスのデスマッチで名を挙げ「蛍光灯デスマッチを流行らせた」人物の1人なのである。

みんなのこけし。愛くるしいこけしの過去にはそんな歴史があるのだ。

フリーランスを経て、全日本プロレスへ。余談だがここで『鈴木軍』のタイチ選手と出会っている。そして、高校2年生の時に入門テストを受けた新日本プロレスのリングへとたどり着いた。

真壁刀義選手率いる『GBH』へ加入。ラフなファイトスタイルにはブーイングが飛び交っていた。今では全く考えられないが、本間朋晃に歴史ありというものだろう。

その後、『CHAOS』が結成され『GBH』は実質的に壊滅した。だが、全員が矢野通選手、中邑真輔選手と共に新ユニットを選ぶ中で、本間朋晃選手だけは真壁刀義選手を選んだ。

これが今でも2人をつなぐ心の鎖であり、圧倒的な絆となっているのだからプロレスとは面白い。

そう、過酷な戦いを経てたどり着いた愛すべき真壁刀義選手というパートナー。そういった歴史が彼に声援を送るポイントになっているのだ。

明るくて、何言ってるか分からなくて不器用。でも、そのにじみ出る朗らかな人柄は、修羅場をくぐり抜けてきたからこそ出る本当の優しさだ。

2つの共通点

新日本プロレス出身のYOSHI-HASHI選手。実質、大日本プロレス出身の本間朋晃選手。2人は2つの共通点がある。

まずは、アニマル浜口道場出身だという点だ。

内藤哲也選手、EVIL選手、BUSHI選手、鷹木信悟選手など『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』の過半数以上を輩出したプロレスラーの登竜門的道場である。

YOSHI−HASHI選手は2度受験し、新日本プロレスに合格。本間朋晃選手はみちのくプロレスに入門後、アニマル浜口道場に出戻り、大日本プロレスに入門した。

あまり公になっていないが、アニマル浜口道場での兄弟弟子という関係があるのだ。

 

怪我からの復帰

そして、もう一つの共通点が怪我から復帰したという点にある。現在の新日本プロレスはトップレスラーが群雄割拠する特別な舞台である。

怪我をして少しでも休もうものなら、次の選手がその椅子を狙いに来る。過酷なサバイバルレースの中で彼らは戦っているのだ。

本間朋晃選手は試合中の事故。YOSHI−HASHI選手は救出に入った際の事故でそれぞれ中長期の欠場に入った。

本間朋晃選手に至っては選手生命すら危ぶまれるほどの大怪我だった。復帰を果たした今も動きは本調子にはまだ戻っていない。

だが、プロレスは心でやるものである。

プロレスを通じて人に何を届けられるのか。この点がプロレスラーにとって最も重要なことなのである。

怪我をしてよかった。これは絶対ない。

だが、棚橋弘至選手が東京ドームのマイクで叫んだ「柴田選手!!本間選手!! 多くの仲間が! エネルギーをくれました!」

この言葉が出たのは、本間朋晃選手が怪我を経て更に強くなったことに他ならない。

応援されて、勇気を届けられる。

どうだろう。このタッグチームがとても魅力的に見えてこないか。

越境タッグというブランド力

本間朋晃選手は新日本本隊であり、YOSHI−HASHI選手は『CHAOS』に所属している。そのため、このタッグを経た後でも対角線に立つ機会は当然としてある。

タッグを一度組んだ。相性が良くベルトを狙おうと思った。大いに結構ではないか。2人に今、必要なのはライバルである。

YOSHI−HASHI選手と本間朋晃選手。2人がこれから魅せる景色は新日本プロレスがより多くのファンを獲得するために、必要な一手になるのかもしれない。

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