田口隆祐に新日本プロレスの楽しみ方を改めて学ぶ

2018年2月11日の『THE NEW BEGINNING in OSAKA』で開催される『IWGPジュニアヘビー級選手権試合』に向けて田口隆祐選手と石森太二選手の争いが激化している。

「まずは相手を知ることから。」

Twitterでこのメッセージと共に投稿されるそれぞれの個性をオマージュした画像の数々は、タイトルマッチに向けてファンの気持ちを高めると共に、楽しく愉快な時間を生み出している。

そして、本日田口隆祐選手が投稿したのは石森太二選手が所属していた「登龍門X」のパンフレット画像である。

ここに「キープオンジャーニー」の答えがあると同時に若かりし頃の石森太二選手が眠っている。

僕はこの投稿を見た瞬間ハッとした。

田口隆祐選手の一挙手一投足を通じて、石森太二選手の歴史を知ることで、どんどん石森太二選手に夢中になっていることに。

プロレスはもちろん目の前の試合を見るだけでも十分に楽しい。ただ、選手それぞれの歴史を知ることで更に面白くなるというのが魅力である。

田口隆祐選手は挑戦者として、石森太二選手の歴史を紐解くことで、現在の『IWGPジュニアヘビー級王者』の人気を高めようとしているのではないか。

そして、十分に実った果実に勝利を掴むことで、約4年振りの王者に輝こうとしているのではないだろうか。

僕は、田口隆祐選手にプロレスの楽しみ方を改めて学んでいる。

f:id:yukikawano5963:20190123134325p:plain

石森太二の弱点

新生ボーン・ソルジャーとして突如『BULLET CLUB』入りを果たし、新日本マットに姿を現した石森太二選手。登龍門Xを経てプロレスリング・ノアに入団。ジュニア戦線で多くの功績を残してきた選手である。

リング上での石森太二選手は華麗で美しい。完璧な肉体美を誇り、圧倒的なスピードとパワーを誇る。新日本プロレスに本格参戦して初の『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』で準優勝を果たしたことでも話題を生んだ。

更にはリング上とは真逆とも言ってもいいほどに不器用なバックステージでコメントは、ヒールにも関わらずなぜか憎めない存在感を醸し出した。

ただし、一つ足りないものがあった。

前述した歴史の部分が石森太二選手は弱かったのだ。勿論、キャリア的に弱いという意味では決してない。インターネット黎明期にデビューを飾っているだけにネットに残っている情報が少なかったのだ。

リングで魅せる試合の裏にある彼のバックボーン。ボーンソルジャーとして新生する前の彼はどんな姿だったのか。その秘密に田口隆祐選手は着目し、一気に彼の魅力を引き出している。

「セーラーボーイズ」

「キープオンジャーニー」

本人は黒歴史と語っていたが、最高の経験ではないか。ちなに、楽曲を聞いてみたが、個人的には嫌いじゃない。

 

鷹木信悟が一気に馴染んだ理由

石森太二選手は新日本プロレスしか見ていないファンから見れば、試合は面白いが過去がよく分からない選手だった。

鷹木信悟選手が一気に新日本プロレスに馴染み人気選手になっているのは、彼自身の魅力も大きいが、内藤哲也選手との歴史がすでに語られている点も大きいと思う。

『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』制御不能のカリスマとアニマル浜口道場以来の友人。歴史だけで言えば10年以上の交友関係があるということにある。

内藤哲也選手は生粋のプロレスファンだけあって、ファン心理を読むのが得意中の得意である。

自分という媒介を通じて鷹木信悟選手の歴史を伝える。そうすることで、新日本プロレスに馴染むまでのスピードが早かった。

KUSHIDA選手がイッテンヨン『レッスルキングダム13』の調印式で石森太二選手に苦言を呈していたのもこの点が大きいように思う。

「変わったといいつつ、変わっていない」

変化とは変化前と変化後のギャップがあるからこそ引き立つものである。変化前を知らなければ変化したことは誰にも伝わらないのである。

 

ファンキーウエポンの一撃

田口隆祐選手は以前、タグチジャパンプレゼンツ!月刊69#10で新日本プロレスで入門時に教わったことを説いていた。

それは「フィニッシュまでの組み立てを考えろ」ということだったという。

一つの試合の中に物語がある。その物語をどう紡ぐのか?ここが新日本プロレスのレスラーとしての吟侍なのだ。

田口隆祐選手が今回行っている、石森太二選手への挑発は非常に面白い。

試合で完璧なフィニッシュを作るために、前哨戦の段階で彼の過去を暴き、これまでにない人間味のある石森太二選手を引き出そうとしているのだ。

youtu.be

「試合が面白いし、凄いのは知ってるよ?でも、それだけじゃ新日本プロレスジュニアのベルトには相応しい男とは言えないよ?ジュニアのシングルベルトを巻くとうことは、新日本プロレスに所属しているジュニア選手たちの中心に存在するということ。背負う実力があるのは評価しているけど、ちょっと魅力に欠けるんじゃない?それじゃ、お客さんは楽しめないでしょ?僕がしっかりとあなたがまだ新日本プロレスで見せていなかった魅力を引き出してあげますよ」

田口隆祐選手はユニークであり狡猾だ。魅力を引き出した上で勝利を掴むことを虎視眈々と狙っている。

棚橋弘至選手が『IWGPヘビー級』ベルトを約4年ぶりに戴冠した。田口隆祐選手にも返り咲くチャンスは十分にある。

そして、ゴキブリマスクとギンバエマスクの2人がなぜかベルトを巻いて出てくる試合があっても面白いのではないだろうか。

→人気プロレスブログはここからチェック!

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら