石井智宏はNEVER無差別級王座の長期政権を築くか?

石井智宏はNEVER無差別級王座の長期政権を築くか?

「鈴木軍」“愛を捨てた聖帝”タイチ選手を「DOMINION 6.9」で打ち破り約4年振りの「NEVER無差別級王座」に輝いた石井智宏選手。

新日本プロレスで明確に“名勝負製造機”と呼ばれはじめてからそろそろ一年が経とうとしているが、その二つ名に相応しいベストバウトを連発している。

「ニュージャパンカップ」でのYOSHI-HASHI選手やタイチ選手、オカダ・カズチカ選手との因縁深い対決。新日本プロレスへの挑戦というワードも飛び出したEVIL選手との激闘。その全てが印象深い好勝負である。

相手の感情を引き出し、相手の本性を曝け出し、相手の魅力を120パーセントに引き出すことができるのが石井智宏選手のプロレスだ。

だからこそ、彼の試合は常に印象に残る。YOSHI-HASHI選手との試合を例に挙げてみよう。

リング外では大らかな雰囲気で魅力を放っているYOSHI-HASHI選手。その内面に存在した真のファイティングスピリットを石井智宏選手が引き出したことで、YOSHI-HASHI選手の「応援したくなる才能」と同等の魅力が表面化したのだ。

タイチ選手もそう。スタンドマイクとアイアンフィンガーフロムヘルを投げ捨て、タイチ選手の根っこの部分に説いた。

「本当は真っ向勝負がやりてぇんだろ?」

石井智宏選手の真っ直ぐでブレないハートに、多くのレスラーがリングの上で言葉ではない本音を叫び続けてきた。

言葉にならない声で叫び続けたのだから、石井智宏選手には試合後のマイクパフォーマンスも必要ないのだ。

さて、本題に入ろう。石井智宏選手の「NEVER無差別級王座」についてだ。まずは、これまでの戴冠歴を振り返る。

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新記録更新を目指して

石井智宏選手の「NEVER無差別級王座」戴冠記録は今回で4度目となる。第3、5、7、9、26代チャンピオン。

石井智宏選手から柴田勝頼選手へ「NEVER無差別級ベルト」が移って以降、石井智宏選手は「NEVER無差別級」としばしの別れを告げた。

柴田勝頼選手は石井智宏選手から引き継いだベルトを宝に第三世代と1人世代闘争を繰り広げるなど、新しいNEVER王者像を築いてきた。

一方で石井智宏選手はというと、2016年以降はブリティッシュヘビー級ベルトや「IWGPヘビー級ベルト」戦線が中心になっていた。

「ベルトはどのベルトかというよりも、誰が巻いているかが大切」とその心情を語る石井智宏だけに、ある意味で「NEVER無差別級王者」としてやり尽くしたという気持ちがあったのかもしれない。

そんな石井智宏選手を再び「NEVER」つまり終わらない道へと誘ったのが聖帝だった。

この2人のライバル関係は今後も続いていく。そう感じさせる予感は「暗黒四天王」という言葉が新設されたことでも明らかだ。

 

戦って欲しいレスラー

では、石井智宏選手の防衛戦で戦って欲しいレスラーにも3人ほど触れてみたい。

まずは、SANADA選手。オカダ・カズチカ選手のライバルとなったSANADA選手だが、その実新日本プロレスでのシングルベルト戴冠経験はなし。また、石井智宏選手とは2018年の「G1クライマックス」で僕的なリーグ戦のベストバウトを受賞している対戦カードである。

次に、鷹木信悟選手だ。「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」でリーグ戦全勝を成し遂げたドラゴン。スピード、パワー、テクニック、スタミナ。全てが規格外のジャイアンであったが、石井智宏選手と対峙した時に更なる引き出しが開きそうな気がしている。

最後に、うん。ここはやっぱりタイチ選手だ。リマッチ権の強制行使をしてでももう一度見たい。やはりこの2人は非常に手が合って試合が面白いのだ。

SANADA選手、鷹木信悟選手、タイチ選手の名前が浮かんだが、真壁刀義選手や高橋裕二郎選手など名レスラーとの試合も見てみたい。

現在、「NEVER無差別級王座」の最多防衛記録は4回。

この記録を打ち破るのは石井智宏選手しかいないだろう。

 

言葉の重み

石井智宏選手がタイチ選手を破った後、バックステージでこうコメントを出していた。

タイチ選手が「ニュージャパンカップ」のリベンジに失敗したこと。真っ向勝負に特化すればもっと強くなれるということ。もう、このベルトは誰にも渡さないということ。

この3つが石井智宏選手ならではの言葉で語られている。

 

言ったろ? “岡山アゲインだ”って。これが俺のプロレスだ。それと同時によ、タイチ。テメーのよ、本来やりたいプロレスでもあるじゃないのか、オイ。いまのオメーはよ中途半端なんだよ。わかるか? アレ使ってなんなんだよ。マイクスタンド使って、アイアンフィンガー使って、イス使って。あんなもん使ってよ。勝ったところで、クエスチョンが付くんだよ、必ず。これからどうするか、アイツ次第だけどな。今日の試合が素直に悔しいって思うなら、まだ伸びしろがあるんじゃないのか? (NEVERのベルトを持って)あと新日本、直しとけこれ。もう壊れる心配ないから

出展:新日本プロレス

常に真っ向勝負。誰にも渡さないとまでの愛着をもったベルトを持ち石井智宏選手はどんな防衛ロードを見せていくのだろうか。

今後の石井智宏選手にさらに期待したい。

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