YOSHI-HASHIの「オイ!」は仲間たちの心の叫びだったのか

YOSHI-HASHIの「オイ!」は仲間たちの心の叫びだったのかもしれない。

「G1クライマックス29」はこれまで当たり前のようにあったレスラーの名前が消え、新規参戦レスラーが25%以上を占めるという選出結果になった。

「G1クライマックス」に向けて、己の炎を燃やし、深く闇の中で力を蓄えているEVIL選手。

修行の旅に出たっきり、Twitterの更新は止まったまま。また、新日本プロレス公式スマホサイトの日記が休載になるなど姿をくらまし、何かを懸けている後藤洋央紀選手。

いよいよシングル戦線で覚醒した才能を弾けさせようとしているランス・アーチャー選手。

それぞれの想いが交錯する中、落選した選手の動向が新日本プロレスで今最もホットな話題ではないだろうか。

YOSHI-HASHI選手と鈴木みのる選手である。

前者はVSザック・セイバーJr.選手をテーマに、自身のプライドを懸けた試合を連発している。

一方で鈴木みのる選手のテーマはVS新日本プロレスにあると思う。

新日本プロレスのオフィスに対して「一体何を考えているのだ」と問題定義を行なっているのである。

選ばれなかった者たちの叫びがこだまするセルリアンブルーのリング。真夏の最強戦士決定選手が始まる前段階から、非常に熱い展開が繰り広げられている。

ここからはYOSHI-HASHI選手の変化について考えてみたい。

ザック・セイバーJr.選手を前に自分がオールオアナッシングを求めたあのエピソードだ。

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“ガイジンキラー”

YOSHI-HASHI選手は凱旋帰国後、長らく「G1クライマックス」とは縁が薄い状況にあった。

初参戦は2016年。ここから連続でエントリーを果たしていたが、この記録が潰える結果になってしまった。

2019年の「ニュージャパンカップ」では同じ「CHAOS」の石井智宏選手を前に好勝負を行うなど、これまでのYOSHI-HASHI選手から何かが変化してきている機運は感じていた。

これは仮設だが、流石に落選するとは思っていなかったのではないだろうか。ちなみに僕ならそう思っていたに違いない。

2018年の「G1クライマックス」ではバッドラック・ファレ選手、マイケル・エルガン選手、ハングマン・ペイジ選手を退けた。

YOSHI-HASHI選手が“ガイジン”レスラーに立ち向かう姿は素晴らしい。圧倒的な実力差でも立ち向かい勝利をもぎ取る姿勢はファンの心にぶ刺さるものなのだ。

そう、YOSHI-HASHI選手は“ガイジンレスラー”に滅法強い。ザック・セイバーJr.選手であっても一筋縄ではいかない可能性は十分にあるのだ。

 

永田裕志のコメント

「G1クライマックス」から勇退した永田裕志選手のコメントが胸に残ったのでしっかりと伝えていきたい。

実力、コンディション的にはまだまだ戦える実力を持つ永田裕志選手が「G1クライマックス」を卒業したのは2016年のことである。

自分が退くことで一つの枠を空ける。その枠に本来入ってきて欲しかったのは誰だったのか。その答えを切実に語っていた。

また、本間朋晃選手もそう。バックステージで今回の選考基準に対して、不満の色を隠さなかった。

鷹木信悟選手、ウィル・オスプレイ選手については分かる。ただし、KENTA選手は納得がいかない、と。

以前も書いたがこの声が挙がる理由は分かる。鷹木信悟選手は優勝こそ逃したものの、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」でリーグ戦全勝という金字塔を打ち立てた。

ウィル・オスプレイ選手は現「IWGPジュニア王座」に輝いている。

この2人の強さと主張は認めるが、KENTA選手は確かに「出ます」と言っただけで、新日本プロレスでの実績はほぼゼロに等しい。

新日本プロレスのオフィス側は未来あるヤングライオンや心身ともに漲っている若手層よりも、元WWEのブランドを選んだ。そう思われても不思議ではないのだ。

だからこそ、永田裕志選手のコメントが心に響くのである。

久しぶりに昨日からシリーズに参戦させてもらって、何か昨日の『G1 CLIMAX』のメンバー発表を見ていろいろ思うところがあって。メンバーがすごく新鮮で、『G1 CLIMAX』ラストにするのがもう2年遅かったらなと、ちょっと思っちゃいました。ま、昨日の人選についていろいろ賛否両論なり、いろんな意見が出てますけども、いち選手としては、この『G1 CLIMAX』で自分を見せてやるという思いも強いだろうし、いろんな思いがあるでしょう。ただ会社としては、循環というか、若返りというか、そういうものも必要なんでね。こうやって新しく出場する選手もいれば、外れる選手もいるでしょう。会社的な意見も分かっちゃう自分がいるんで。2年前に自らラストと宣言したのも、もっと新しい……本当はこういう(※横にいる海野の背中をポンポンと叩く)新しい力が参戦してくれることを願って辞退したのもあるんで、そういう部分でちょっと不満はありますね。やっぱり外のいろんな目新しい選手が来るのもいいけど、若手をどんどん表に出すってこともしないとどうなのかなって、ちょっと思っちゃいましたね。俺が『G1 CLIMAX』外れてちょうど丸2年。そろそろ若い芽も出てきてほしいなと。翔太みたいな選手に出てきてほしいなと思いました。(※海野に)来年頑張れよ!

出典:新日本プロレス

 

自分の立ち位置を賭ける

ザック・セイバーJr.選手に対して、ベルトだけではく「G1クライマックス」の出場権利を賭けるように言い放ったYOSHI-HASHI選手。

今回の「G1クライマックス」の選出基準について、新日本プロレス専属のレスラーたちは不満の声を挙げている。

前述した永田裕志選手は勿論、本間朋晃選手も不満の声明を挙げている。

納得できるはずがないのは、トーア・ヘナーレ選手も同じことだろう。

そんな男たちのためにYOSHI-HASHI選手が立ち上がった。

求めるのはザック・セイバーJr.が持つブリティッシュヘビー級ベルトとG1クライマックスへの切符だ。

 

今(リング上で)言ったとおり、ザック・セイバーJrが、それだけ余裕で俺に勝つっていうのであれば、ベルトと、『G1 CLIMAX』の、アイツの出場権をよこせ。これはオフィスが決めることであって、何ともわかんないけど。あと、ザック・セイバーJr、アイツがホントにビビってないのなら、懸けろって。そして、次の仙台で俺がアイツからベルトを獲れば、チャンピオンとして『G1 CLIMAX』に臨む……と言いたいところだったけれども、俺が思うに、今回、選考から漏れた人いるでしょ? 仮に俺が勝って俺だけ出たら、その人たち、不満でしょ? 俺が仙台でもしアイツに勝って、アイツの出場権をいただくとしたら、今度の『G1 CLIMAX』の開幕戦、ダラス、第1試合前のダークマッチでもいいからさぁ、バトルロイヤルで決めたらいいんじゃない。不満がある人が出て。俺はそう思うけどね。どうだろうか。まぁとりあえず、次の仙台、アイツからベルト、獲ってみせます!

出典:新日本プロレス

YOSHI-HASHI選手がぶち上げたバトルロイヤル構想は実現するのか。僕たちが想像していた未来が変わるのは、一瞬なのかもしれない。

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