YOSHI-HASHIの要求が等価交換であると思った理由

YOSHI-HASHIの要求が等価交換であると思った理由について書いてみたい。

ベビーフェイスのYOSHI-HASHI選手とヒールのザック・セイバーJr.選手。

その構図は等価交換が成立していないと思われるYOSHI-HASHI選手の野望により、逆転していたように思う。

理不尽な試合を引き受けた「鈴木軍」ザック・セイバーJr.選手が正しい。

何も懸けていないYOSHI-HASHI選手はおかしい、と。

確かに多少の違和感はあると思う。

ただ、チャンピオンとは頂点に立つ者とはチャレンジャーよりも大きなモノを懸け続けなければならい。

チャンピオンベルトを失うだけでなく、真夏の最強戦士決定戦へのチケットも手放すことになる。

YOSHI-HASHI選手は全てを手に入れ、何も失わない。

新日本プロレスのリングで行われる一戦は余りにも理不尽な試合に映った。

そして、YOSHI-HASHI選手は散った。

新日本プロレスでのデビュー後初となるシングルベルト戴冠を逃した。

「G1クライマックス」へのエントリーはなくなった。

そして、全てを失った。

ザック・セイバーJr.選手の要求を飲むことになれば、「CHAOS」を離脱し、「鈴木軍」に加入することとなる。

「物事は変わるのは一瞬」

今回も変わることははかったのか。僕はそう思わない。

他のレスラーが持たないYOSHI-HASHI選手唯一無二の才能「応援したくなる力」爆発的に働いた試合になったためである。

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物事が変わるのは一瞬

ここでYOSHI-HASHI選手が敗れてしまった場合、とてつもなくダサいのだ。

新日本プロレスの生え抜きとしてデビューし、未だベルトの戴冠経験はゼロ。

同じ日に新日本プロレスへと凱旋したオカダ・カズチカ選手のキャリアと比較すれば余りにも差が生まれてしまっている。

あの日の一敗がオカダ・カズチカ選手が棚橋弘至選手へと挑戦する機会を生み、「IWGPヘビー級」V12という前人未到の記録を生み出す第一歩となった。

今回も自身のファン以外勝利を願っている人は少ない。

そんな逆境の中で何かを変えるために必死でもがき苦しんでいる。

「ヤングボーイになれ」だなんて、鈴木みのる選手から「鈴木軍」第一指名を受けた中邑真輔選手と比較すれば最大の侮辱なのだ。

勝利した時のリターンは確かに大きい。だが、明らかな逆風の中で試合の臨まなければならない。

例え勝利を手にしたとしても、自分が浴びるのは声援なのかブーイングなのか分からない。

このプレッシャーと戦うYOSHI-HASHI選手を誰が非難できるのだろうか。

おそらく自分に浴びせられている言葉の数々を認識していたと思う。

全ての想いを受け止め、YOSHI-HASHI選手はメインイベントのリングに上がった。

 

半々のコール

SNSでの反響とは裏腹に試合開始の声援は半々。

今シリーズでは「CHAOS」のYOH選手が話しかけづらい空気をまとっていたらしい。

試合開始序盤からバタフライロックを仕掛けるなど、これまでとは異なる試合運びを進めるYOSHI-HASHI選手。

場外戦で劣勢となり、ここからはザック・セイバータイムが始まった。

「頑張れ」と言いたくなる試合

ダイビング式のヘッドハンターからバタフライロック、そしてショルダーバスター。

徹底的に肩を攻め続け、YOSHI-HASHI選手はザック・セイバーJr.選手からタップアウトを奪おうとしていた。

そして、バタフライロックが決まる。

惜しくもロープエスケープに終わったものの、効果的なダメージを与えることに成功した。

 

石井智宏選手との「ニュージャパンカップ」で魅せた感情むき出しのファイトとは異なる試合展開でファンの心を味方につけていく。

ただし、ここで無常なるPKが試合の流れを変える。

一撃のダメージがあまりにも大き過ぎた。

余裕がなくなったザック・セイバーJr.選手の攻撃がYOSHI-HASHI選手を追い詰めていく。

ここでふと思った。

この2人が新日本プロレスのリングでメインイベントを飾る日が来るとは想像すらしていなかった。

目の前の試合は確かな好勝負。

決め技を連発し、物事を一瞬で変えようとするも、最後はザック・セイバーJr.選手の前に散った。

KIZUNA ROADの主役

新日本プロレス公式スマホサイトでの日記が更新された。

彼がどんな想いでリングに上がっていたのか。お父様のご冥福をお祈りしつつ、YOSHI-HASHI選手の覚悟を見た気がする。

YOSHI-HASHI選手の行動は一歩踏み出す勇気であり、言葉にしなければ誰にも何も伝わらないものだった。

内藤哲也選手との試合に敗れたあの日からYOSHI-HASHI選手の中で何かが変わり、とうとう表に出たシリーズだったのかもしれない。

これからザック・セイバーJr.選手のツケビトとなるのか。

それとも、申し出に対して無視を決め込むのかは分からない。

ただ、これだけは言える。

「KIZUNA ROAD」の主役はYOSHI-HASHI選手だった。

 

 

帰還

最後に。

覇道を歩んできた混沌の荒武者・後藤洋央紀選手が新日本プロレスのリングへ帰還した。

言葉はもう必要ない。全ては「G1クライマックス」の開催を待つだけだ。

以上!

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