新日本プロレスの今を見る。2019年6月のNJPWFUN
2019年6月のNJPWFUN。このコーナーを書くのは何だが久し振りな気がしている。
そして、文体もいつもとは違うですます口調で書いていたはずが、普段通りの記述になつまている。
まぁ、細かいことは気にせずに今月も新日本プロレスを振り返っていこうじゃないか。
2019年6月の新日本プロレスは「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の終盤戦、そして優勝決定戦で幕を開けた。
ウィル・オスプレイ選手が無敗の“ザ・ドラゴン”鷹木信悟選手を打ち破り2度目の優者を達成。そのマイクで両国国技館に幸せの雨を降らせた。
ジョン・モクスリー 選手が姿を現しジュース・ロビンソン選手から「IWGP USヘビー級ベルト」を奪還したのもこの日。
また、新日本プロレスのエース棚橋弘至選手が短パン姿での復帰宣言からいよいよリングに帰ってきたものの、ジェイ・ホワイト選手の前に散ってしまった。
メインとセミ、スペシャルシングルマッチだけでこの盛り上がりである。
続く大阪の「DOMINION」では、オカダ・カズチカ 選手VSクリス・ジェリコ選手の「IWGPヘビー級選手権試合」や飯伏幸太選手と内藤哲也選手による4度目の激闘。
そして、「髙橋ヒロムが帰ってくるまで負けない」と語ったドラゴン・リー選手からリーグ戦を制した勢いでウィル・オスプレイ選手が勝利を掴んだ。
ここから更に「KIZUNA ROAD」まである。
2019年の上半期、日本国内での興行が終了した新日本プロレス。
ここからは、6月をもう少し振り返っていきたい。
僕的MVP 鷹木信悟
熾烈な戦いが続いた「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」のAブロックを全勝で勝ち上がった功績はあまりにも大きい。
ストップ・ザ・鷹木信悟は標語になり、全レスラーから意識される中で勝ち続けてきた全勝ロードは僕の心に深く残った。
特に好勝負となったのはSHO選手、ドラゴン・リー選手、マーティー・スカル選手、石森太二選手との試合である。
いや、やはりSHO選手か。万全のコンディションで臨んだ開幕戦で行われた激戦は今後の2人を占うような試合になった。
SHO選手はどんどん鷹木信悟選手を意識するようになった。
自分が新日本プロレスで初となる鷹木信悟選手からの完全勝利を奪うと心に決めた。自分以外には負けて欲しくないという複雑な想いも浮かんでいたようである。
その結果、同じ「CHAOS」のウィル・オスプレイ選手が優勝決定戦で鷹木信悟選手から勝利を掴むと、そのバックステージでは非常に複雑な顔を浮かべていた。
「鷹木信悟から初勝利を奪うのは俺のはずだった」
露骨に顔に書いてあるのが分かる。
その後、鷹木信悟選手は小島聡選手らを破り「G1クライマックスへ」へのエントリーが決定。ウィル・オスプレイ選手と共にジュニアを代表して真夏の最強戦士決定戦へと臨む。
来年、これからも続く鷹木信悟選手とSHO選手の因縁が楽しみで仕方ない。
NEVER無差別6人タッグ
真壁刀義選手、矢野通選手、田口隆祐選手の「NEVER無差別6人タッグ」が素晴らしい。
古今東西のリングで結果を残してきた猛者たちが集まる新日本プロレスのリングにおいて日本の道場で育った3人の男たちが防衛ロードを突っ走っている。
今回、「バレットクラブ 」を退けたことで、防衛回数は3になった。
EVIL選手、SANADA選手、BUSHI選手が作った「NEVER無差別6人タッグ」の最多防衛記録に並んだのである。
パワーとテクニック、そしてズル賢さ。
ヤングライオンとして積み重ねてきた基本に、それぞれの個性が上乗せされ、非常にバランスが取れている3人。
次の防衛を果たし、「NEVER無差別6人タッグ」の最多防衛記録を更新することに期待している。
ザック・セイバーJr.
非常にプレッシャーの懸かる試合の中でYOSHI-HASHI選手を下し、見事ベルトと「G1クライマックス」のエントリー権を死守したザック・セイバーJr.選手。
YOSHI-HASHI選手からの過剰な要求を受け入れ、複合関節技で見事その思いを断ち切った。
この試合を見ていて物事が変わるのは本当に一瞬なんだと考えさせられた。
ザック・セイバーJr.選手が2018年の「ニュージャパンカップ」で内藤哲也選手を完封して勝利を掴んだあの日。
あの試合から流れが大きく変わった。飯伏幸太選手、棚橋弘至選手などのトップ選手らを軒並み倒すほどの実力者として認知されるようになったのだ。
大切な試合に勝ち、勢いに乗れるかどうか。運命の分かれ目も体験したザック・セイバーJr.だからこそ、ここで負けることがどれだけの意味につながっていくのかを知っていたのかもしれない。
GODが大手
最後に、タマ・トンガ選手とタンガ・ロア選手のGODがある大記録に大手をかけている。
それは「IWGPタッグ王座」戴冠記録である。
現在の記録は5。トップの記録は6なのだ。
つまり、後2回「IWGPタッグベルト」を2人で戴冠できれば記録更新となるのだ。
現在の最多戴冠記録タッグチームはテンコジ。
いよいよ帰ってきた天山広吉選手と小島聡選手の未だ衰えを知らぬ名タッグチームだ。
GODとテンコジがぶつかり合う日を楽しみにしつつ、今月の振り返りをここまでにしたい。