鷹木信悟と石井智宏の不死身対決とライガーの「自信を持て」発言
鷹木信悟と石井智宏の不死身対決とライガーの「自信を持て」発言ついて、しっかりと書き残しておく必要があるだろう。
「G1クライマックス29」日本武道館三連戦直前の重要な局面となった横浜大会。
メインイベントのリングに上がったのは石井智宏選手と鷹木信悟選手だった。
改めて石井智宏選手に対する会社の信頼度は半端じゃない。
この日も「IWGPインターコンチネンタル 王者」内藤哲也選手と「IWGP USヘビー級王者」ジョン・モクスリー 選手を抑えてのメインイベントとなる。
“名勝負製造機”に試合を預ければ必ずお客様は満足する。
この予想通り、全ての試合で例年以上の激闘を僕たちに魅せつけてきたのだ。
そして、もう一人。いよいよ優勝戦線の最前線に躍り出た男がいる。
「ソロモンよ!私は帰ってきた!」アナベル・ガトーよろしく後藤洋央紀選手が夏男として結果を出す直前まできたのである。
後藤洋央紀選手、内藤哲也選手、ジェイ・ホワイト選手、ジョン・モクスリー選手が現在勝ち点10点。
後藤洋央紀選手が最終戦に勝ち、ジェイ・ホワイト選手が内藤哲也選手を降した瞬間。後藤洋央選手の修行が実る結果となるのだ。
獣神サンダー・ライガー選手は試合中に何度も叫んだ、わ「自信を持て」、「お前は強い」と。
そう、2016年から3年振りに夢の舞台が近づいてきたのだ。
では、ここからは鷹木信悟選手と石井智宏選手について書きたい。
好勝負が約束された対戦カードだったが、いやはやここまで素晴らしい試合になるとは思わなかった。
プロレスラーはいつでも僕たちの予想を遥かに超えてくる。
この日の2人はまさに人を魅了するためのエンジンがトップギアに入っていたように思う。
“名勝負製造機”と対峙する“龍”
鷹木信悟選手はこの日の試合にある望みを懸けていたように思えた。
ウィル・オスプレイ選手がJr.選手として「G1クライマックス」にエントリーしたことと対照的に、鷹木信悟選手は無差別級での旗を上げた。
つまり、鷹木信悟選手にとって最も欲しいベルトは「NEVER無差別級王者」なのではないだろうか。
鷹木信悟選手は前哨戦のバックステージでこうコメントを残していた。
石井のおっさん、相変わらず元気いいな、オイ。まあ、残念ながら俺は、内藤に負けたからな、決勝に行く可能性は、ほぼゼロかもしんねぇ。だけどな、その腹いせと鬱憤はすべて、石井のおっさんにぶつけようじゃねぇか。あいつかまだ可能性があんのかどうかは知んねぇけどよ、オイ、石井、ちょうどいいぜ、勝ち負けなんか関係なく、とことん潰し合おうじゃねぇか。もちろん、最後に立ってるのは、この俺だ
不退転の道を歩むことを決めた鷹木信悟選手は、龍と鷹の気高さを持ち、裏ではいい意味での狡猾な一面を持っている。
KENTA選手の「G1クライマックス29」エントリーに対して、様々な声が飛び交ったが、同じく“新日本プロレスのヘビー級”では何の実績もなかったはずの鷹木信悟選手には歓声が巻き起こった。
これは「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」でリーグ戦全勝という記録を作り上げ、その後小島聡選手を一騎打ちで破ったことが大き過ぎる布石になっている。
ヘビーでもジュニアでも戦える唯一無二の無差別級。
その個性を手にするために、鷹木信悟選手は参戦から1年間実績を残し続けてきたのだ。
その気持ちがいよいよ結果に結びつく時が来た。
鷹木信悟選手が石井智宏選手を破るという番狂わせを見せたのだ。
不死身の龍が魅せたもの
鷹木信悟選手は大きな大きな一勝を勝ち取った。
激しすぎるラリアット合戦やフィニッシュに至るまでの展開。その全てにヘビーのパワーとジュニアのスピードを感じさせた。
まさに無差別級と言えるハイブリッドな試合は、これまでとは異なる面白さがヒシヒシと伝わってきた。
エグいまでに決まったパンピングボンバーとラリアットをカウント1で返す2人。
いつどこで試合が終わってもおかしくない。それでも肩を上げ続ける2人にはこれが新日本プロレスの“無差別級”なのだといつ意地が感じられた。
毎試合毎試合、負け試合だよ。なめてたわけじゃねぇけど、石井、ホント半端ない。全部、強烈だよ。一発一発、重いし、スタミナもあるしな。ヤバイと思った。ホントにヤバイと思った。だが、俺もずっと、連敗するわけにはいかない。『SUPER Jr.』終わってデカイ口叩いて、『G1』に殴り込んだんだ。悔しいのはよ、もうすでに、負け越しが決まってるから。それはホントに悔やむところだ。だが、俺はすでに大阪の内藤戦で、負けながらも、こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、負けながらも、自信をつけた。そして、今日、苦しかったが、勝って、自信をつけた。残り1つ、(対戦相手は)後藤洋央紀か。ちょっと試合直後で(自分で)なに言ってるのかわかんないけど、後藤に対して俺は言いたいこと、たくさんあるからよ。それは改めて、そうだな、武道館の初日にでも言うわ。とにかく、まぁ、新日本としては横浜文化体育館、おそらく最後の開催かもしれない。同じドラゴンの先輩、ましてや大先輩、藤波辰爾さんがここでな昭和か、昭和何年だ、60……まぁ、昭和の時に、アントニオ猪木さんと60分フルタイムで伝説を作ったが、俺は今日の試合は、伝説とまでは言わないが、(※ゆっくり立ち上がりながら)同じドラゴンを名乗る者として、有終の美を、飾れたと思った。令和のザ・ドラゴン、こんなもんじゃ、終わらせねぇからな
“名勝負製造機”散る
そう、今回の試合結果により石井智宏選手のリーグ戦敗退が決定してしまった。
最終戦の相手は負け越しが決定してしまったタイチ選手。
昨日の試合で金丸義信選手と不協和音が生まれたため、暗黒四天王同士による真っ向勝負が予想される。
ここで石井智宏選手を破れば「NEVER無差別級」への挑戦権利が生まれる。
タイチ選手な最終戦に勝つ意味は余りにも大きいのだ。
ただし、タイチ選手は石井智宏選手が求める「結果、内容、インパクト」を実現する相手でもある。
2人の対決がメインイベントを凌駕する。そんな展開を楽しみにしている。