新日本プロレスのスーパーJカップ2019で注目する3つのカード
新日本プロレスのスーパーJカップ2019で注目する3つのカードについて書いておきたい。
「G1クライマックス」以上の盛り上がりを生む出すとと各選手が熱を持ったファイトを魅せた「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア29」。結果的に優勝決定戦に進んだのは、ウィル・オスプレイ選手と鷹木信悟選手だったが、各選手が例年以上の実力を魅せ、一日、1試合たりとも目が離せない公式戦が続いていた。
新日本プロレスにおいて、ヘビー級とジュニアヘビー級の大きな違いにシングルベルトの少なさがある。そのため、普段はタッグプレイヤーとして特化しているレスラーたちの姿もある。
真っ先に浮かぶのがロッポンギ3KのSHO選手とYOH選手だろう。ただし、タッグ屋だからといって、シングルプレイヤーとしての実力がないかと言えば必ずしもそうとは限らない。
YOH選手とSHO選手はシングルとタッグで闘い方すらガラッと変えてくるのである。
また、ロビー・イーグルス選手のように、シングルマッチで真価を発揮するタイプのレスラーだっている。
シングルマッチとタッグマッチ。そのどちらでも違った魅力がある。これもプロレスの醍醐味だと言えるだろう。
そんな新日本プロレスジュニア戦士たちのシングルマッチを再び見ることができる機会がやってきた。
今回、僕が一回戦で楽しみにしているカードを3つ紹介しつつ、最後に優勝候補の名前を挙げてみたいと思う。
では、まずスーパーJカップとは何か?この点から触れていきたい。
SJCとは?
1990年代は、インディー団体にメジャー団体の選手と比べても比類ない力を持ったジュニアヘビー級のレスラーが数多く登場していた。
そうした状況を受け、新日本プロレスの獣神サンダー・ライガー選手は団体の垣根を超えた大会を提案した。
1994年に第一回となる「スーパーJカップ」が開催されると、TAKAみちのく選手らを筆頭に新しいスターが次々と現れた。
今回は通算7度目の開催となっており、新日本プロレス、ROH、CMLLの3団体が中心となっている。
では、本題に入ろう。僕が注目する3試合は以下だ。
ロビーVSファンタズモ
正直、ロビー・イーグルス選手こそ、2019年の新日本プロレスでジャパニーズドリームを掴んだレスラーの代表格なのではいだろうか。
2018年「バレットクラブ」に加入後、石森太二選手のパートナーとして「スーパジュニアタッグリーグ」にエントリーしたロビー・イーグルス選手。
正直、この当時はスピードがある器用なレスラーという印象が強かった。だが、「ベスト・オブ・スーパジュニア26」で、本質的にはシングルプレイヤーであることが徐々に周知されていく。
ロビー・イーグルス選手は、「ベスト・オブ・スーパジュニア26」の優勝者となったウィル・オスプレイ選手をリーグ戦で破った。
正々堂々と以前からのライバルを変えたかった。だが、エル・ファンタズモ選手がその勝負に水を差した。
その結果が、オーストラリア・メルボルン・フェスティバルホールでの「IWGPヘビー級選手権試合」へとつながり、ロビー・イーグルス選手の「CHAOS」加入へという結果になった。
エル・ファンタズモ選手の暗躍がなければロビー・イーグルス選手が「バレットクラブ」を離脱することはなかっただけに、因縁過ぎる対決だと言えるだろう。
前回の一騎打ちではエル・ファンタズモ選手が勝利。今回は一体どうなるのか。試合内容も因縁も渦巻く2人なだけに、非常に楽しみな対戦カードとなる。
YOH対ドラゴン・リー
「僕のスタイルはドラゴン殺法っすね」
「ベスト・オブ・スーパジュニア26」からはドラゴン殺法を主軸に取り入れ、ジュニアヘビー級で“棚橋プロレス”の担い手になる可能性を予期させたYOH選手。
飄々としつつも、計算高く狡猾な一面もあるテクニシャンがいよいよ新しい可能性を弾けさせようとしている。そんな気がするのだ。
対する前「IWGPジュニアヘビー級王者」であるドラゴン・リー選手の目標は、「スーパーJカップ」を制した先にあるベルト奪還だろう。
あの日、ドラゴン・スレイヤーとなったウィル・オスプレイ選手に破れたドラゴン・リー選手。
今度の相手はドラゴン殺法のYOH選手である。
再び龍をテーマにした激闘が生まれそうな気がしている。
SHO対石森太二
「綺麗なジャイアンにリ・ボーンしてやるよ」
「鷹木信悟を倒したい」
「ベスト・オブ・スーパジュニア26」の優勝決定戦にこそ進めなかったものの、更に格を上げたのがこの2人なのかもしれない。
前回の激突では石森太二選手が勝利。ただし、2度も同じ相手に負けるSHO選手ではない。
スピード、テクニック、パワー。高い次元でのバランスの良さがウリの石森太二選手に対して、ヒーロー性と「はじめの一歩」鴨川会長を彷彿とさせるほどの闘志が圧倒的な長所であるSHO選手。
鷹木信悟選手がヘビー級転向した今、彼の空いた穴を埋める重要な一戦となる。
ここでSHO選手が勝利すれば「IWGPジュニアタッグ王座」への返り咲きを狙う足掛かりとなるため、先々を考えても負けられない一戦となるのは間違いないだろう。
優勝候補は?
本命はウィル・オスプレイ選手で間違いない。ただし、「ベスト・オブ・スーパジュニア26」から「G1クライマックス29」と激戦が続いているだけに、どこまで回復しているのか?が勝敗を分けるポイントになりそうだ。
僕の予想はYOH選手。
一撃必殺の「ファイブスタークラッチ」はトーナメント戦では圧倒的な武器となる。
ロッポンギ3Kがいよいよシングルでも新境地に到達する。その瞬間を目の当たりにしたい。
注目の「スーパーJカップ」は新日本プロレスワールドで後日配信も決まっているようなので、アップロードされ次第、改めて特集したいと思う次第だ。