なぜ、EVILはIWGPヘビー級ベルトを狙うのか?

なぜ、EVILはIWGPヘビー級ベルトを狙うのか?

このシンプル過ぎる目標について語る書き残しておきたい。

「G1クライマックス29」のAグループは、拮抗した試合が繰り広げられていた。

結論から言えば、飯伏幸太選手がオカダ・カズチカ選手と並ぶ勝ち点14をマーク。直接対決の結果で飯伏幸太選手か優勝決定戦に駒を進めた。

では、残る選手たちを見てみると、絶対的なインパクトを残しつつも勝ち星に恵まれなかったランス・アーチャー選手を除けば勝ち点8で横並びといった状況である。

棚橋弘至選手とザック・セイバーJr.選手は「ブリティッシュヘビー級ベルト」を懸けた戦いで注目を集め、KENTA選手はG.o.Dの介入もあり、「NEVER無差別級ベルト」を戴冠したりなど、動きを見せている。

そして、イギリスで鈴木みのる選手を破ったオカダ・カズチカ選手の前に姿を現したのは、「ロス・インコベルナブレス・デ・ハポン」のSANADA選手だ。2019年はオカダ・カズチカ選手と3度シングルマッチを戦い“ライバル”という関係がしっくる形となっている。

権利証を持つ、飯伏幸太選手がKENTA選手もの対決が決まる中、闇の王はさぞかしご立腹なのだろう。

EVIL選手が「G1クライマックス29」で積み上げた白星。ここにヒントが隠されていた。

 

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闇の王の嫉妬

現在、「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」のメンバーはそれぞれがテーマを抱えて動いている。

内藤哲也選手はジェイ・ホワイト選手と「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」が組まれ、鷹木信悟選手は“荒武者”後藤洋央紀選手とのスペシャルシングルマッチが発表されている。

前述した通り、SANADA選手は「IWGPヘビー級選手権試合」が決定しており、それぞれがテーマを持ちシリーズに臨んでることが分かる。

鷹木信悟選手が無差別級からヘビー級に完全転向したことで、「スーパージュニアタッグリーグ」にエントリーする可能性が見えないBUSHI選手もいるが、本題ではないため、いったん置いておこう。

では、EVIL選手はどうだろう。今シリーズ始まった当初は特に目立った対戦カードもなく、悶々としたシリーズを送ることになると感じていたが、いきなり意味深な言葉を発発した。

BUSHIと内藤とのタッグは、俺たちの原点回帰だ。以上!

「以上!」。

リングで試合をしていなくとも、素晴らしい“プロレス”を魅せている柴田勝頼選手の言葉を拝借し、「ロスのインゴブレナブレス・デ・ハポン」にSANADA選手が加入する以前の話を持ち出してきた。

なぜ、このタイミングで原点回帰というワードをチョイスするのだろうか。

「NEVER無差別級6人タッグベルト」を懸けた試合をしていたEVIL選手、SANADA選手、BUSHI選手三人の方が印象的であるといえばそうなのだが、EVIL選手は敢えて原点回帰を口にした。そして、連日に渡り己の目標を公言した。

 

EVIL「いろんなヤツがいろんなこと言ってるが、俺の欲しいものも教えてやるよ。それは……IWGPだ、よく覚えとけ!」

EVIL「昨日も言った通り、俺の欲しいものはIWGPだ。そこに向かって動いてく。よく、覚えとけ!」

 

飯伏幸太、そしてSANADA

EVIL選手は「IWGPヘビー級」を欲している。メッセージを出してきたのは狙ってのことだろう。EVIL選手が「G1クライマックス29」で勝利した4人の選手。ここに秘密が隠れている。実は真っ先に仕掛ける権利だって持っていたのだ。

ザック・セイバーJr.選手、SANADA選手、ウィル・オスプレイ選手、そして飯伏幸太選手。

ウィル・オスプレイ選手はジュニア戦線でロビー・イーグルス選手とのタッグや「IWGPジュニアヘビー級ベルト」を懸けた試合に臨むため、ウエイト的に難しい。また、ザック・セイバーJr.選手も棚橋弘至選手にベルトを奪われたため、狙い時はまだ先になる。

残るは2人である。

「IWGPヘビー級ベルト」への挑戦権利証を持つ飯伏幸太選手。そして、「IWGPヘビー級戦線で完全に先を越されたSANADA選手。

この2人がEVIL選手と「IWGPヘビー級ベルト」を結びつける鍵である。

 

キング・オブ・ジェラシー

おそらく飯伏幸太選手とKENTA選手の試合が終わった後に姿を現わすのはEVIL選手だと見て間違いない。

EVIL選手が飯伏幸太選手に勝利を掴んでいる以上、この要求は飲まざるおえないとも言える。

オカダ・カズチカ選手のライバルという軸で挑戦権利を得るのではく、挑戦権利証を狙う。

ある意味で、今や天才は先を歩いてしまっているのだ。

ただし、EVIL選手は隣にいる男に負けるわけにはいかない。再びタッグを結成するもよし、対角線に立ってスペシャルシングルマッチを行うもよし。

気付けば先に進んだ天才に対して、闇の王はどう逆転劇を生み出すのだろうか。

プロレスというジャンルは面白いもので、最後に直接対決を制したのがEVIL選手だというのに、オカダ・カズチカ選手との試合を通じて、SANADA選手が爆発的に価値を高めてしまっている。

この差を埋め、逆転する。そのためには先に「IWGPヘビー級ベルト」を手にする必要があるのだ。

EVIL選手の一挙手一投足に注目が集まる。

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