タイチとザックによる“ボス”超えへの挑戦に涙が止まらない

タイチとザックによる“ボス”超えへの挑戦に涙が止まらない。世紀の「鈴木軍」対決を制したのはザック・セイバーJr.選手とタイチ選手だった。

2019年11月17日、「ワールドタッグリーグ2019」の2日目が後楽園ホールでスタートした。

YOSHI-HASHI選手と石井智宏選手が優勝候補の最右翼の一角であるタイチ選手&ザック・セイバーJr.組を撃破するという衝撃から一夜明けた当日、この日の対戦カードを見てみると、楽しみな組み合わせがズラリ。

まずは、棚橋弘至選手&トーア・ヘナーレ選手VSバッドラック・ファレ選手&チェーズ・オーエンズ選手。

昨晩のイメージチェンジを経て“関連性”が深い「バレットクラブ」と向き合うトーア・ヘナーレ選手。“ヘナーレース”は勝利を掴めるのか!?

続く、第4試合。注目は“TONO”こと後藤洋央紀選手と“イメージビデオの主演”KENTA選手だろう。

先日の「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」での介入劇に対してリベンジすることはできるのか。新Tシャツとしても表現されている後藤洋央紀選手のGTWに期待したい。

そして、特に目が離せないのがこの2試合だ。

鈴木みのる選手&ランス・アーチャー選手VSタイチ選手&ザック・セイバーJr.選手。による「鈴木軍」対決とSANADA選手&EVIL選手VS鷹木信悟選手&テリブレ選手による「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」対決だ。

同ユニットが手加減をしたりイチャつくだけで終わったのは昔の話。現在の新日本プロレスの同門対決は激しくぶつかり合うことが信条なのである。

ここではまず、「鈴木軍」対決についてまとめたい。

 

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覚醒した男を従える王

昨晩のEDBクローを見て、「このタッグチームに勝てるのか」という気持ちが浮かんできた。

これは個人的な感想だが、「G.o.D」が長期間「IWGPタッグ」のベルトを保有できているのは、「KES」が事実上の解散となってしまったことが大きいと思う。

一方で飯塚高史さんの引退劇もあった。デイビーボーイ・スミスJr.選手と飯塚高史さん。よくよく考えてみると「鈴木軍」は2人の戦力を欠く状態になっていたのだ。

ただし、相棒を失った者が組んだ時、極上のタッグチームが9年ぶりに復活することとなったのだ。

 

睨み合う王と聖帝、米と英

ゴングが鳴る前からやる気満々。バチバチで張り詰めた空気がピーンと張り詰めた後楽園ホール。

金丸義信選手が実況席な座り、試合が始まった。

まずは鈴木みのる選手とタイチ選手が対峙する。一気に火がついた鈴木みのる選手がタイチ選手をロー際で強襲。だが、タイチ選手がソバットからの場外乱闘へ。

タイチ選手からの椅子攻撃、木槌攻撃の雨霰が降りまくる。

聖帝によるプロレス王超え。これまでの新日本プロレスになかった景色が広がっている。

去年の「ワールドタッグリーグ」とは全く空気が異なる。飯塚高史さんのスリーパーが飛び出した試合だったか?

そして、ランス・アーチャー選手があべみほさんを威嚇。泣いても叫んでもおかしくない状況の中、リング上ではさらにとんでもない状況が生まれていた。

 

タイチとザック

タイチ選手は明らかに「鈴木みのる超え」を狙っているように思う。そして、ザック・セイバーJr.選手も鈴木みのる選手に対して、関節攻撃を連発する。

俺たち「鈴木軍」が一番。ただし、ボスを超える日が来てもおかしくないのではないか?

そんな感情が生んだのはタッグのベストバウトだった。

「鈴木軍」対決はさらに盛り上がりを魅せる。鈴木みのる選手とザック・セイバーJr.選手がリング中央で対峙すると、お互いがダウンするほどのぶつかり合いへ。

続いてはタイチ選手VSランス・アーチャー選手へ。止まらない強襲。覚醒した男はあまりにも強すぎる。

そして、EDBクローの体制へ。だが、タイチ選手のジャンピングハイキックが炸裂。

タイチは帰れ!とレッツゴータイチが入り混じる中、パンタロンを脱ぎ捨てた。

 

プロレス王の打撃と匠の妙技

「来い!タイチ」

鈴木みのる選手とタイチ選手のヒートアップが止まらない。

今度はザック・セイバーJr.選手のカモン!ボス」と続く。

気持ちをぶつける試合。悪の感情がこもった試合。両者が後ろで腕を組み相手の技を受け合う展開は、あまりにも清々しく「俺よりも強いのか?どうなのか?」を比べているだけの時間となった。

「この4人の戦いで十分だよ」金丸義信選手の言葉があまりにも重い。

最後はザック・セイバーJr.選手の妙義が鈴木みのる選手から3カウントを奪った。

“タイチだけの王道”が鈴木みのる選手を相手に肉薄した瞬間。直接の鈴木みのる選手超えとはならなかったものの、次の試合が楽しみになる時間だったことは間違いない。

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