なぜ、鷹木信悟は石井智宏の挑戦を受け入れたのか?
なぜ、鷹木信悟は石井智宏の挑戦を受け入れたのか?その理由を考えていたら、結果的にタイチ 選手とEVIL選手に話が飛躍してしまった。
新日本プロレスが2月7日に開催した後楽園ホール大会で現王者・鷹木信悟選手が「NEVER無差別級」の挑戦者を石井智宏選手に決定した。
“ロッポンギ3K”のSHO選手やトーア・ヘナーレ選手など、新興戦力とのタイトルマッチを匂わせていた龍が選んだのは「元祖NEVER王者」の1人、石井智宏選手だった。
鷹木信悟選手が長期政権を築き、「NEVER」を自らのブランドとして作り上げる中で、一番厄介なのが歴史である。
石井智宏選手が作り上げた功績を超えることは現実的に厳しい。どうしても過去は眩しく見えるもので、歴史を超えることが一番難しい。
ただし、今を超えることはできる。
改めて「NEVER王者」として石井智宏選手を倒す。そこから先に待っているのが、鷹木信悟選手が作り出したい世界につながっていくと僕は予想する。
ここからは、2人のレスラーについて書きたい。タイチ 選手とEVIL選手。特にEVIL選手の飛躍が新日本プロレスで欠かせない要素なだけに、2020年は改めて闇の王に期待したいのだ。
人生はチャレンジだ
鷹木信悟選手が目指す「無骨で、熱く、バチバチ」としたNEVER戦線は新日本プロレスファンにとって魅力的に映るはずだ。
まず、「NEVER無差別級」を争っているレスラーが素晴らしい。
鷹木信悟選手、石井智宏選手、後藤洋央紀選手、タイチ選手、EVIL選手(ここにEVIL選手が入る理由は後述する)。
一見するとタイチ選手が浮いているようにも見えるが、実際は3人に勝るとも劣らない、いや“愛を捨てた聖帝”の仮面を脱ぎ去った時の熱さで見れば一番かもしれない。
「人生はチャレンジだ、チャンスは掴め」とその片鱗を見せつつ、右手を高々と掲げ「オー!」と叫んでアピールした瞬間、“タイチだけの王道”は完成した。
札幌でオカダ・カズチカ選手に勝つことこそできなかったものの、再びタイチ選手が「NEVER」を目指してやってくる日は近いと思う。
新日本プロレスらしさ
敢えてEVIL選手を「NEVER無差別級」の争いに入れたのには理由がある。ここ数年、“闇の王”はチャンスを掴み取れていない。
敢えて書くが、「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」の序列がまた変わった。
内藤哲也選手、SANADA選手&鷹木信悟選手、EVIL選手。簡単に言えば、鷹木信悟選手に序列でEVIL選手は抜かれてしまっているのだ。
これは由々しき事態と言える。なぜならばEVIL選手自身が何かヘマをしたわけでもなく、単純に試合内容とプロレスラーとしての魅せ方の2軸で抜き去られてしまったのだ。
確かにSANADA選手には他のレスラーが真似できない天才性とオカダ・カズチカ選手に劣らない華がある。
鷹木信悟選手には「教師や兄貴」と呼びたくなるほどの男臭さと直向きに戦うファイトスタイル、そして今の新日本プロレスではトップ3に入るマイクの上手さもある。
では、“今の”EVIL選手の課題は何か。これは卑下している訳でもなんでもなく(そう受け取ってほしい)、以前ほどの期待感が失われてしまっている点にあると思う。
闇の王への期待
「ワールドタッグリーグ」3連覇を逃した瞬間、SANADA選手とのタッグチームが一つの終焉を迎えた気がした。
結果だけ見れば、“ライバル”のSANADA選手は自分が何度も戦ってきたはずのザック・セイバーJr.選手に指名を受け、「ブリティッシュヘビー級」のタイトルマッチへと臨むことになった。
「IWGPヘビー級」以外のシングルベルトには興味がない、とまで言い切っていたSANADA選手は意地の部分が結果に現れ、黒星を喫した。
新日本プロレスにやってきて4年。未だ(新日本プロレスでの)シングルベルトの戴冠経験はない。
一方でEVIL選手を見ると、一度だけシングルベルトの戴冠記録があった。2016年11月に柴田勝頼選手を破り手に入れた「NEVER無差別級」のベルトだ。いや、最初の防衛戦で手放してしまったことも今につながっている気がする。シングルプレイヤーとして大きな期待を集めつつ、今ひとつ結果につながらないまま、時が流れた要因はひょっとすると「NEVER」にあるのかもしれない。
春かNEVERか
新日本プロレスを“ダークネス”に染め上げるには、2020年が大きな分岐点になる。
いや、ここでEVIL選手が台頭しなければ、面白みがないので、心から期待している。
まずは「ニュージャパンカップ」。ここで優勝すると、いきなりWチャンピオンに挑戦する可能性が生まれる。
もう一つが「NEVER無差別級」だ。鷹木信悟選手に逆転されてしまった序列を正面からひっくり返す必要がある。
EVIL選手はここ数年、ずっと溜め込んでいる。吐き出せる相手は石井智宏選手のみと常に突っかかるが、常に跳ね返されている。
ただ、そのしゃがみ込みは、大きく跳ね上がるための布石にもなる。
どうだろう少しずつ“闇の音”が聞こえてこないだろうか。
高橋ヒロム選手がVSロス・インゴブレナブレス・デ・ハポンをぶち上げた未だ、EVIL選手もそこに賛同してみてはどうだろうか。
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