石井智宏VSエル・デスペラードの激闘が凄すぎた
石井智宏VSエル・デスペラードの激闘が凄すぎた。
2020年6月16日、いよいよスタートした新日本プロレスの「ニュージャパンカップ2020」。
スペシャルマッチ以外の対戦カードが事前に発表されていたが、大勢の方がメインイベントは高橋ヒロム選手VS本間朋晃選手の試合だと思っていたのではないでしょうか。
はい。僕もその中の1人ございます。
メインイベントは「CHAOS」の石井智宏選手VS「鈴木軍」のエル・デスペラード選手。
今思えば、エル・デスペラード選手がこのツイートをした瞬間からこのメインイベントは約束されていたのかもしれない。
エル・デズペラード選手は以前から無差別級やヘビーとジュニアの価値観について自論を述べ続けてきた。
高橋ヒロム選手や大日本プロレスの葛西純。様々な漢たちと肌を重ねる中でエル・デスペラード選手はとてつもないレベルのレスラーへと進化を続けてきた。
ただし、相手は無差別級の申し子。現在、新日本プロレスで“名勝負製造機”と呼ばれる石井智宏選手である。
昨晩、今日を特別な日だとツイートしたエル・デスペラード選手。
無差別級の「顔役」みたいな石井智宏とシングル
— El Desperado (@ElDesperado5) 2020年6月15日
元来格闘技術は無差別が根本だと思う
ケンカに階級ないからね
でも「ルールと階級を決めた以上特別な状況だけでのみ行われるべき」と理屈っぽい俺は思う
タッグになれば闘い方は星の数ほど広がるから別として
そう思うと俺にとって明日は特別な日
彼にとっての大一番がはじまろうとしている。
今、目の前にいる相手を倒す
この時点で一回戦を突破したのは真壁刀義選手、矢野通選手、高橋ヒロム選手の3人。
石井智宏選手とエル・デスペラード選手の相手は真壁刀義選手に決定していた。
いよいよメインイベントの入場がはじまる。
シングルマッチ仕様のマスクで登場したエル・デスペラード選手。
そして、獣の鳴き声が響き渡った。石井智宏選手の入場である。
と、エル・デスペラード選手はロープを開けて待っているではないか。
「楽しみにしてたぜ」
そんなメッセージがいきなりビンビンに伝わってくるようだ。
あああ
開始のゴングが鳴ると、両者がじっくりと見合う。間髪入れずにロックアップへ。
力比べではやはり石井智宏選手の分があるか。
エル・デスペラード選手は身長を比べることで挑発。これには石井智宏選手もキレる。
「来いよ？」と首を差し出すと、エルボーを打たす。打たす。打たす。そして、一撃で沈める。
ロープワークを狙ったエル・デスペラード選手がリングでうつ伏せになると石井智宏選手は頭を踏んづける。
開始早々、とんでもない“無差別級”の一戦になってきた。
まともにぶつかると流石に石井智宏選手有利と見たか、要所要旨でダーティファイトを織り交ぜエル・デスペラード選手。
この時点で、僕はヘビーVSジュニアという視点で試合を見ていなかった。
石井智宏選手とエル・デスペラード選手によるスペシャルシングルマッチ。
こんな機会でもなければ確実に見ることができない対戦カードはあまりにも新鮮であまりにも勝利への執念を感じさせるもので。
そして、とてつもなく刺激的な試合だった。
本気で勝利を掴みにきた
エル・デスペラード選手は徹底的に石井智宏選手の研究をしてきたように思う。
ただ、理屈を超えるのがヘビー級、いや石井智宏選手のパワーなのだ。
170センチ、100キロ。
決して高くない上背で長年新日本プロレスのトップ戦線を勝ち抜いてきたのは石井智宏選手が強いからだ。
無骨でゴツゴツしたファイトが石井智宏選手の魅力だが、圧倒的な器用さも併せ持っている。
ただし、エル・デスペラード選手にも意地がある。ヌメロ・ドスで絞りあげ続ける。
お互い膝攻め。一点集中攻撃。
ゴツゴツのベビーフェイスとなりふり構わずに勝とうとするヒールの姿がそこにはあった。
そして、エル・デスペラード選手は「蹴り上げこい！」と挑発する。
まるで石井智宏選手を全身で味わうかのように。この試合で何かを掴もうとしているかのように。
急所蹴りを狙えば頭突きのカウンターをもらう。スライディングのラリアットを受けても立ち上がる。
エル・デスペラード選手は本気で勝ちを狙っている。そして、フィニッシュホールドの「ギターラ・デ・アンヘル」が炸裂。
だが、石井智宏選手はギリギリで肩を上げる。
ブレーンバスターが炸裂すると、エル・デスペラード選手は肩を上げることはできなかった。
石井智宏選手VSエル・デスペラード選手。現時点で「ニュージャパンカップ2020」のベストバウトである。
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