なぜ、YOSHI-HASHIはEVILに2分で敗れたのか

なぜ、YOSHI-HASHIはEVILに2分で敗れたのか。

世界的な問題を経てスタートした「ニュージャパンカップ2020」。無差別級トーナメントはさまざまな感情がぶつかり合い、例年以上の大会となりつつある。

そして、新日本プロレスの春男を決める「ニュージャパンカップ2020」のベスト4が出揃った。

「CHAOS」“レインメーカー”オカダ・カズチカ選手。「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」高橋ヒロム選手、SANADA選手。そして、“ケツイ”のEVIL選手。

オカダ・カズチカ選手とほぼ同世代のレスラーが4強という現実にいよいよシン・新日本プロレスもそういった時代に突入したのかと考えさせられる。

そんな中、一際注目を集めているのが“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手だろう。

一回戦で小島聡選手、二回戦で後藤洋央紀選手を敗ると三回戦でYOSHI-HASHI選手を2分で仕留めた。

容赦の無いその姿は宣言通り「何がなんでも勝つ」という気迫が全身からほとばしっている。

ただ、あの試合。明らかにYOSHI-HASHI選手の様子はおかしかった。

何か脚にアクシデントが発生している。階段を降りる、リングへ向かうだけでも明らかに辛そうだった。

そんなYOSHI-HASHI選手をEVIL選手は強襲した。一番確実に勝てる方法かつ、もう一つの狙いがそこにはあったように思う。

 

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EVIL、Gルートへ

コーナーで名乗りを受けたYOSHI-HASHI選手をEVIL選手がパイプ椅子で強襲。

完全な右膝に狙い。パイプ椅子とパイプ椅子のサンドイッチでYOSHI-HASHI選手が痛めているであろう脚を完全に葬る作戦に出た。

この映像はまるで高橋裕二郎選手が内藤哲也選手の脚を完全に破壊し、「NO LIMIT」を解散に追い込んだ時のようだった。

これは、EVIL選手から内藤哲也選手へのメッセージだったのではないだろうか。

今の俺は弱点を狙う。相手の弱点を突くのは戦いの基本だ。そう言わんばかりに“ケツイ”の表情。

そして、ダークネス・スコーピオンへ。EVILすら使わない。確実に勝つ。コーナーロープ(希望)へ手を伸ばそうものなら、リング中央へ戻す。

怪我人ならリングに上がってくるな。俺の邪魔をするな。

試合後、何かに取り憑かれたEVIL選手へYOSHI-HASHI選手は言葉を投げかけていた。

「ひょっとして俺たち…別の時間軸では…友達だったんじゃないのか?」

渡辺貴章よ。どうしたんだ?プレミアムな男は悪霊を抑えていたのではないのか。

悲痛な表情のYOSHI-HASHI選手。目の前の相手と本気でぶつかり合いたかった。

天山広吉選手との好勝負を経て、期待が高まっていただけに、言葉にならない結果となってしまった。

EVIL選手は前日に行われたBUSHI選手との試合てYOSHI-HASHI選手が脚を痛めていたことを知っていた。

リングに上がる時点で確信へと変わり、レフリーを小突いて背後から襲いかかる。

その結果得たのものはベスト4への切符であり、もう一つ狙っていたものだった。

いい試合なんてするつもりはない。「勝った負けた?そんな小さいことでプロレスをしてない」そんなことは結果を出している人間の言うことだ。

全てを否定し、己の本来の道を突き進む。そう、ダークネスワールドをばく進するのだ。

 

ノーダメージでSANADA戦

EVIL選手は3回戦をノーダメージで突破した。

SANADA選手はメインイベントでタイチ選手との激闘を終えたばかり。

久しぶりのシリーズ。連戦。SHO選手、タイチ選手とパワータイプとの試合でダメージと披露は確実に蓄積されている。

ただ、EVIL選手はYOSHI-HASHI選手から2分で勝利したこともあり、ほぼノーダメージである。

一発勝負のトーナメントではこうした勝ち抜き方も大切なのだ。

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SANADAは勝利しなければならない

タッグパートナーとして多くの功績を残してきたSANADA選手とEVIL選手。2019 年の「G1クライマックス29」でらEVIL選手が勝利し、グータッチでその場を締めていた。

「やっぱり強いな」「だろ?」

そんな空気感が2人の間にはあった。

だが、今のEVIL選手は何かが違う。ここでSANADA選手へもダーティーファイトを展開した場合、切磋琢磨するユニットの範疇を超えているようにも見える。

今やヒールではなくダークヒーロー。下手すると、悪そうなベビーフェイスにまで変貌した「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」からEVIL選手が脱退する可能性すらもある。

EVIL選手に取り憑いている悪魔が囁いた。

お前このままでいいのか、と。

内藤哲也に4番手と言われ、タッグパートナーには差をつけられ、鷹木信悟に(熱いファイトの)居場所を奪われ。

このままで言い訳がない。何がなんでも勝つ。

そのためになら再び悪魔に魂を売る。ケツイのもとGルートへ進んだEVIL選手。

いよいよ今日。約一年振りにタッグパートナーであるSANADA選手と激突する。ベビーフェイスとヒール。分かりやすい図式は既に整った。

SANADA選手が勝つことでEVIL選手の暴走は止まる。もしも、天才ですら手に負えないとなった場合...。内藤哲也選手の待つ春のテッペンに立つのは“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手になるのかもしれない。

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