石森太二の対無差別級路線ってどう思う?

石森太二の対無差別級路線ってどう思う?

肉体のサイズを超えた圧倒的な実力。彼のアジリティの高さとテクニックがあれば、ひょっとするとひょっとするかもしれない。

後藤洋央紀選手をシングルマッチで破ったことからも、彼の新しい道が完璧に見え始めたのは間違いない。

2021年4月20日の後楽園大会メインイベント。“CHAOS”対“バレットクラブ”の「NEVER6人タッグ選手権試合」は、後藤洋央紀選手が石森太二選手へ放ったGTRで決した。

今回の前哨戦、石井智宏選手は高橋裕二郎選手に対して「ディック東郷に代われ」、「テメェの試合はな、キレなし、中身なし、あと1コ何かわかるか? 自分で考えろ!」と痛烈の言葉を浴びせた。

普段はバックステージであまり言葉を発しない石井智宏選手だけに相手の発奮を狙ったのか。それとも...。

YOSHI-HASHI選手はKENTA選手と棒を巡る戦いに一応の終止符を打った。「NEVER6人タッグ」の魅力である物語性に(色々な意味で)マッチした展開になっており、前哨戦は非常に見応えがあった(今回のKENTA劇場も凄かった)。

そして、最後が後藤洋央紀選手と石森太二選手。なんと後藤洋央紀選手が石森太二選手から直接ピンフォールを数回取られてしまう事態に。

令和3年のボーン・ソルジャーは一味違う。

 

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後藤洋央紀を倒した男

「IWGPヘビー級にこそ手が届いていないが、新日本プロレスを代表する猛者である後藤洋央紀選手。

そんな彼から石森太二選手は直接のピンフォール勝ちを奪った。それも、毒霧や販促介入などの奥の手を使わずに、だ。

4月19日のスペシャルシングルマッチ。出だしからサミング、俊敏性を見せつけた後、改めて後藤洋央紀選手のパワーを確認するかのように、正面からのタックルを行った。

結果は、自分のパワーでは相手は倒れないことが分かり、後藤洋央紀選手が向かってきたら自分が返り討ちにあることが理解できた。

棚橋弘至選手は「怒ると攻撃が単調になると解説」。すると、その言葉通りに石森太二選手は後藤洋央紀選手を焦らす戦い方にシフトした。

リング内外を広く使って、後藤洋央紀選手を焦らす。

ジュニアとヘビーを比較すると俊敏性ではジュニアに分がある。中でも石森太二選手は宮城リョータバリにスピードと機動力を武器にしているレスラーだ。

後藤洋央紀選手を引っ掻き回すと、ドラゴンスクリュー(腕版)を魅せる。単純なパワー比べはしない。

関節技を中心にパワーの差が関係ないところで攻撃を加えていく。さらに一度ダメージを与えた左腕へ一点集中攻撃。

後藤洋央紀選手は担ぎ上げてからの技が多いだけに、大技を受けないための布石としても効果的だ。

左腕へコードブレイカー。続いて、テコの原理で左腕を極めにいく。が、一発の技で後藤洋央紀選手が形成を逆転してくる。

 

扉をあけた“ボーンソルジャー”

アジリティを生かした精神への揺さぶり。緻密な一点集中攻撃。ここまで頭を使って戦っても、ヘビー級の技一発でイーブン以上になってしまう。

フォールを返すだけでも普段と重さが違うため、体力を消耗する。それでも、リング中央で“Yes Lock”。さらに突進力を利用しての攻撃までを披露。

そして、決着の時。後藤洋央紀選手が牛殺しを決めて、GTRで勝負を決めようとした瞬間に逆さ抑え込みで3カウントを奪った。

僕は「嘘だろ!!!」とツイートしていたが、改めて試合を見ると石森太二選手は完全に狙って白星を獲ったことが分かる。

非常に難しいが、ここまで体格差があると多少の油断はあったのかもしれない。

ただし、そんな心のスキマすら狙ってくるのが石森太二選手の実力だ。結果、このシリーズで3度石森太二選手にピンフォールを取られてしまった。

汚名返上とばかりにタイトルマッチでは勝利を飾ったものの、石森太二選手の実力が本物だと改めて見せつけるターニングポイントとなったのは間違いない。

獣神サンダー・ライガーさんに現役引退を決意させた“ボーン・ソルジャー”。シーズン通して、バッキバキの肉体をキープし、試合内容も完璧そのもの。

そんな彼がいよいよ対ヘビー級、対無差別級への扉をあけた。

石森「(※インタビュースペースの床に座り込んで、首の後ろを冷やしながら)クソッ! やられたよ……。穴があったら入りたいのは、俺の方だよ。やられたけどよぉ、俺はこれから立ち止まる気は毛頭ない。ジュニアのベルトはもちろんだけど、これから先、石森太二の対ヘビー、対無差別級への扉は、開いたと思ってるよ」

出典:新日本プロレス

 

ヘビー級相手に必要なこと

飯伏幸太選手VSエル・デスペラード選手の一戦で獣神サンダー・ライガーさんはならず者の戦い方に苦言を呈していた。

確かに内容は厳しい言葉だが、自分が成しえなかったジュニアがヘビーを倒す物語を次の世代に期待しているのは言うまでもない。

その点、エル・デスペラード選手には同じマスクマンとしても言葉に出さない大きな気持ちがあるのは間違いない。

ただ、今回の試合を見て石森太二選手が最も近いところにいることが証明された。

「NEVER無差別級戦線」に最速の刺客が登場する。これからの石森太二選手の動きが楽しみだ。

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