YOSHI-HASHIがタイチを撃破!ピープルズチャンプの理想形へ

2021年10月1日、新日本プロレスが「G1クライマックス31」静岡・浜松アリーナ大会を開催した。

棚橋弘至選手によるメインイベントの大勝利(エアギターをやり忘れる)、後藤洋央紀選手まさかの4連敗(このタイミングでオカダ・カズチカ選手は相手が悪いが...)など、大きく動いた大会となった。

個人的には第4試合。“鈴木軍”タイチ選手とYOSHI-HASHI選手の公式戦が素晴らしかった。

タイチ選手がヘビー級に転向した3年前。誰もが「G1クライマックス」へのエントリーを期待するもまさかの落選。その時、YOSHI-HASHI選手へ非難が集まったのは記憶に新しい。

「YOSHI-HASHIではなくタイチを出せ!」とか心ない声があったのも事実だ。

ただ、あれから3年が経つとお互いがタッグ王者として「G1クライマックス」へエントリーを果たした。

今やYOSHI-HASHI選手にネガティブな声が集まることはない。

究極のピープルズチャンプとして飛躍を続けるYOSHI-HASHI選手がこの日、タイチ選手と激突し、リーグ戦で初勝利をマークした。

 

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ベルトの力だろうが

試合早々、タイチ選手は“NEVER無差別級6人タッグベルト”を踏みつけながら、YOSHI-HASHI選手へ「ベルトの力だろ!テメーは変わってねぇ!」と叫ぶ。

ここ最近、タイチ選手はYOSHI-HASHI選手を認める節のコメントを出していた。

彼の力をも認めつつも、確実に勝利するための挑発。さらにテーピングのある左肩を重点的に狙っていく。

YOSHI-HASHI選手の強さを認めているからこそ弱点を突き、挑発を忘れない。

タイチ選手が耳元で何かを囁くとYOSHI-HASHI選手が激昂する。

怒りの逆水平を浴びながらも常に優位な状況を崩さない。

試合が動いたのは、ラリアットとアックスボンバーの撃ち合いから。

熊殺しからバタフライロックへ移行すると、タイチ選手のスタミナを奪う。

最後はブラックメフィストをカナディアンデストロイヤーで切り返し、カルマでフィニッシュ。

YOSHI-HASHI選手がタイチ選手から「G1クライマックス31」で初白星を飾った。

 

ピープルズチャンプ

YOSHI-HASHI選手は完全無欠のピープルズチャンプへの道を歩みつつある。

もともと今ほど結果が出ていない時代から、共感性と応援させたくなるファイトは新日本プロレスでも唯一無二の魅力だ。

この日のバックステージでも厳しい現実に直面しているファンへ熱いメッセージを残した。

こうした言葉が刺さるのはYOSHI-HASHI選手自身が中々、結果が出ない日々を歩んできたからにほかならない。

ずっと結果が出なかった自分だからこそ、言える、伝えられるメッセージがある。

YOSHI-HASHI選手は今の自分の魅力をしっかりと理解している。

自分こそが最高のピープルズチャンプになりえる可能性を秘めているのだ、と。

YOSHI-HASHI「今日の勝ち点、たかが1勝かもしれないけど、次につながる、これから先につながる大きな1勝だよ。オイ、タイチ、リング上でな、リングの下(で)もさんざん言ってくれたな。これが今の現実だ。オイ、いつまでもな、上から見てんじゃねえ、コノヤロー」

YOSHI-HASHI「今日もしほかに、これを見てるなかなか頑張っても結果が出ない方々、いるかもしれない。ただオレは、その人たちに大きな可能性を今日、一歩見せれたと思う。そんなあなた方がどんなにバカにされようと、立ち上がるといえばオレはいっしょに、あなたたちと闘っていきたいと思った。こんな時代、こんな時だからこそ、オレはね、そんな人にね、夢をあげたいよ」

YOSHI-HASHI「ただこの1勝で終わったわけじゃないからな、オイ。次、後藤さん……今から後藤だ。オイ後藤、同じコーナーに立ってるかもしれないけどな、次の後楽園、オレだって勝ち点欲しいし、いっしょに組んでるかもしれないけど、おまえより上にいきたいんだ。いいか、後楽園、必ずオレが初勝利取るからな」

出典:新日本プロレス

 

オカダ・カズチカと真逆の可能性

“レインメーカー”オカダ・カズチカの帰還は、新日本プロレスを更なる高みへ押し上げるために絶対に必要なファクターであるものの、一つの課題を感じさせつつある。

それは、今のオカダ・カズチカ選手に勝てる可能性がある選手が限りなく少ない点だ。

“レインメーカー”のブランドは決して揺らがない。

2017年から2018年はレインメーカー一強時代とも言われ、720日間も“IWGPヘビー級ベルト”を防衛し続けた。

「彼に勝てるイメージが湧くレスラーがいない」

そう思わせるほどに今のオカダ・カズチカ選手は強い。

強すぎて感情移入ができないレスラー。

かつてオカダ・カズチカ選手は内藤哲也選手とのタイトルマッチ前に自分をこう揶揄していた。

今回の“レインメーカー”復活劇の後も「オカダが強すぎて嫌になったんじゃない?」とマイクで残している。

強すぎるが故に感情移入ができない。なぜならば、人は皆完璧な超人ではないためだ。

この点でYOSHI-HASHI選手はどうか。

圧倒的な主人公性。“NEVER無差別級6人タッグ”のベルトを戴冠した後は一気に実力を高め、支持率を高めてきた。

YOSHI-HASHI選手がこのまま成長し続けると、全く性質の違う2人が大きな会場でメインを張る日が来るのもそう遠くないのかもしれない。

そんなことを感じさせる大一番での大勝利だった。

ちなみに、「感情移入ができなくとも、共感できる」。

オカダ・カズチカ選手が再び、孤高の道を歩み始めた今、誰が追いつき、追い越すことができるのか。

その鍵はYOSHI-HASHI選手が握っているのかもしれない。

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