石井智宏がヘビー級で戦う理由に感動した
2021年10月9日、高橋ヒロム選手とのスペシャルシングルマッチに勝利した石井智宏選手がバックステージでその胸中を語った。
内藤哲也選手の欠場がキッカケで生まれた“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”高橋ヒロム選手の対ヘビー級2連戦。
ジュニアのサイズのままヘビー級で戦うKENTA選手との試合では“今のKENTA”を見せつけられ、丸め込みで敗北。
「まずはテメーのところを盛り上げろ」とKENTA選手から“激励”の言葉を受け取った。
続いては、石井智宏選手。
身体は高橋ヒロム選手が171センチと石井智宏選手よりも1センチ大きい。
170センチの上背だが、パンパンに鍛え上げた肉体を武器にヘビー級で存在感を魅せている石井智宏選手。
彼とジュニアとヘビーに対して、もやもや感を抱えている今の高橋ヒロム選手が激突したらどんな試合になるのか。
間違いなく、2020年のニュージャパンカップとは違う試合になっていた。
石井が“対ヘビー”を意識するヒロムへメッセージ!
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年10月9日
「オイ高橋、自分のプロレスに自信ねえのか? 自分のプロレスにプライドねえのか? あんだろ?あんだったらリングで出せよ。相手にぶつけろよ。ジュニアは凄ぇんだって試合を常にやれよ」(続)
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高橋ヒロムの戦い
G1にエントリーしているレスラーとジュニアの選手がシングルマッチを戦う。
スペシャルシングルマッチという表現が一番しっくり来る戦いだったが、その内容は刹那的であり、どこか儚さを感じるような試合だった。
ジュニアってなんだ!ヘビーってなんだ!
答えのない煩悩を振り払うかのように、石井智宏選手の土俵で戦う高橋ヒロム選手。
一方で、結果、内容、インパクトにこだわる石井智宏選手は高橋ヒロム選手の技をすべて受け切る。
エル・デスペラード選手が砂かぶりで見るに決まってんじゃんと言い切った試合はどこか悲痛さの漂う勝負となった。
石井智宏選手も高橋ヒロム選手については思うところがあるのだろう。珍しく試合後のバックステージで己の胸中を語った。
シンプルな理由
石井智宏選手がヘビー級で戦う理由。
それは「サイズの小さい者がデカいやつを倒せことを証明したい」というシンプルな理由だった。
人の信念って意外と言語化したらシンプルだったりする。ただ、理由よりも大事なのはその想いを達成するためにどう行動するのかだ。
今の石井智宏選手を見て、上背がないのに凄いね。なんて言う人は誰もいない。
石井智宏選手は凄いプロレスラーだ。いつも最高に熱い試合を魅せてくれる。そんなイメージが定着している。
楽な道ではなかったと思う。そもそもヘビー級戦線に食い込むまでの苦労が半端じゃない。実際、新日本プロレスのリングに上がり始めてから、現在の位置に来るまで時間も掛かっている。
そもそも石井智宏選手はプロレスラーになることも叶わず、練習生以下からキャリアをスタートさせている。
だが、過去がどうというよりも、今をどう生きるのかが大切なのだ。
今、この瞬間で何をすべきか。
人間は弱い。だからすぐにブレる。ブレそうになったときに、自分を支えるのは、強い信念しかない。
小さい人間がデカイやつを倒す。それを証明し続けたい。
カッコいいなって素直に思った。
その後、石井智宏選手は恐らく高橋ヒロム選手が一番突かれたら痛いところ、心の奥の柔らかいところに触れてきた。
本音ではヘビー級の方が凄いって思ってるんじゃねぇか?と。
後出しジャンケンになるが、僕もそう思っていた。
彼にはコンプレックスがあるんだろうなぁと。
本来、ジュニアとヘビーは上下の関係ではなく、右と左の関係であり格差はない。
ジュニアにはジュニア。ヘビーにはヘビーのよさがある。
だが、どこか高橋ヒロム選手には複雑な気持ちがあったのだろう。
石井「高橋(ヒロム)、俺がなんでヘビーでやってるか教えてやるよ。それはな、俺みたいに小さいヤツでも、デカいヤツに負けねえ、勝てるってことを証明したかっただけだ。クソ単純だろ? まあ俺の中でも、小さい・イコール・ジュニア、そういう概念はねえんだよ。それから、お前がいつも言ってる“対ヘビー”、それを常々口にするのはな、お前の気持ちのどっかに、やっぱりヘビーの方が凄ぇんじゃねえか、ヘビーの方が激しいんじゃねえか、そういう気持ちがお前自身にあるからだよ。口にすることがな、世間に対してじゃねえ、自分自身に問い詰めてんだよ、お前。オイ高橋、自分のプロレスに自信ねえのか? 自分のプロレスにプライドねえのか? あんだろ? あんだったらリングで出せよ。相手にぶつけろよ。ジュニアは凄ぇんだっていう試合を常にやれよ。“ああ、俺もジュニアになりてぇ”っていう、それぐらいの試合を見せろよ。なあ? そしたら、ジュニアがもっと上、今以上に激しさを増すだろう。それはお前自身がよくわかってるだろ。そしたらな、そういう言葉ってだんだん減ってくんだ。わかったか。
物語はスーパージュニアへ
試合後、高橋ヒロム選手は以下のようなツイートを残した。
内藤哲也選手の欠場が発表された時、正直絶望感がヤバかった。
個人的には内藤哲也選手の「G1クライマックス」制覇。鷹木信悟選手との東京ドーム大会までを予想していたためだ。
東京ドームでの「デ!ハポン!」これこそが新日本プロレス復活の狼煙になる。これが僕の予想だった。
ただ、内藤哲也選手が欠場した状況でもただで転ばないのが新日本プロレスの素晴らしいところ。
まさかこのタイミングで高橋ヒロム選手が別の盛り上がりを見せるとは誰が予想できただろう。
2人が言うとおりだね
— 高橋ヒロム / Hiromu Takahashi (@TIMEBOMB1105) 2021年10月9日
俺がまだクソ弱いだけか!
KENTAさん、石井さん、あなたたちからの言葉忘れないよ。
BOSJめちゃくちゃ盛り上げて優勝してやる!
負け犬の遠吠えでも、俺は新日ジュニアの高橋ヒロムだから。
#njbosj #G131
“鈴木軍”金丸義信選手はエル・デスペラード選手、高橋ヒロム選手に対して、自信を持つべきだと語った。
ノブさんどんだけ凄いんだと思った方は少しググってみてほしい。実績で言えば、現在の新日本プロレスジュニアでトップである。
プロレスリング・ノア、全日本プロレスのジュニア王者として活躍した“ヒールマスター”は過去を振り返ること以上に、今の自分たちに自信を持つことが大切だとどこか穏やかな顔で語っていた。
KENTA選手はまず、ジュニアをとことん面白くしろと語った。
石井智宏選手はジュニアになりてぇと思わせるような試合をしろと伝えた。
そして、金丸義信選手はもっと自信を持っていいぞとメッセージを贈った。
2022年。高橋ヒロム選手が「G1クライマックス」にエントリーするのか。ジュニアのステージでとことん上を目指すのか。
まだまだ未来のことは分からないが、これから新日本プロレスジュニアが盛り上がることだけは間違いなさそうだ。
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