『G1クライマックス30』のバクステ感動コメントまとめ
『G1クライマックス30』のバクステ感動コメントをまとめてみる。
2020年。初の秋開催となった新日本プロレスのヘビー級最強戦士決定戦『G1クライマックス』。
まだまだリーグ戦を勝ち抜くレスラーは見えて来ないが、既に脱落が決まった選手も出てきてしまった。
プロレスで大切なのは結果だけではない。ただ、勝つことの意味はどこまでも深く、重い。勝ち点2の重さを感じさせる好勝負が連発されていく中で、バックステージでも超絶的な名言が飛び出しまくっている。
勝者だからこそ言える言葉もあれば、敗者だからこそ深みの出るメッセージもある。
今日は僕が特に心動かされたバックステージコメントを紹介していきたい。
まずは、やっぱりこのセリフになるだろうか。
🔥#内藤哲也 #YOSHIHASHI #棚橋弘至 #新日学園 #G1CLIMAX30 https://t.co/7bDKp57nov pic.twitter.com/poUyfWBApQ
— 広く。/ HIROKU. (@cohirohiroko) 2020年10月6日
2020年10月6日の広島大会で新日本プロレスのエースとして完璧な試合を魅せた棚橋弘至選手。
彼がバックステージでYOSHI-HASHI選手に語った言葉が美しすぎた。
実績という歴史だけ見れば、棚橋弘至選手とYOSHI-HASHI選手の間には明確な差がある。
ただし、棚橋弘至選手は過去よりも未来を見ている人だ。
今、新日本プロレスで最も輝いているレスラーの一人であるYOSHI-HASHI選手に対して、心からの本音。それが「YOSHI-HASHIには負けたくないよ」だったのだと思う。
新日本プロレスのエースとして色々な顔を見せてきた棚橋弘至選手だが、こういった表情は非常にレア。
穏やかで優しく、それでいて満足げ。そんな感情が伝わってくるバックステージコメントだった。
ミジメじゃねえよ
まずは5年ぶりの『G1クライマックス』エントリーとなった高橋裕二郎選手。
現時点で両ブロック合わせて勝ち点0。解説席からも辛辣な言葉が飛び交うような状況で、再び高橋裕二郎選手の言葉が胸を打った。
同じ2004年デビューの鷹木信悟選手と激突。東京ピンプスさえ決まっていれば...という名勝負の後、高橋裕二郎選手から出た本音だ。
裕二郎「試合をやってて、試合やっててよ、思い出したよ、2年前の『G1 CLIMAX』。俺は出場できずに、確かこの会場で、公式戦の時よ、解説やってたのを。出場できずに、ミジメだったよ。ああ、ミジメだったよ。今現在、『G1』、俺の『G1』、5戦? 違う? ああ、5戦だよ。5戦、5敗。だがよ、1回も勝てていないけどよ、ミジメじぇねえよ。ミジメなんかじゃねえよ」
勝てないことはかっこ悪いことでもなんでも無い。
『G1クライマックス』の選考から漏れ続け、自分はシングルプレイヤーとして評価されていないんだと自問自答を繰り返す数年間がどれだけの苦痛だったのか。この言葉の裏側は痛いほど伝わってくる。
昔、僕がラグビーをやっていた頃、1年生はレギュラーだったが2年生でレギュラー落ちしたことがあった。
チームが勝って嬉しい反面どこかミジメな気持ちでいっぱいだった。試合に出ることができないって、こんなに辛いのかと思ったことがある。
そんな気持ちを10数年ぶりに思い出させてくれる。これが高橋裕二郎選手の魅力なのだろう。僕もあなたも生きている、日々戦っている。ミジメな人生じゃない。
自分だけの何かを追い求める日々は決してミジメなものではないのだ。
1回勝った負けたの次元の話じゃねぇんだ
2020年。新日本プロレスには2人の“名勝負製造機”と呼ばれる漢がいる。石井智宏選手と鷹木信悟選手だ。
オカダ・カズチカ選手や飯伏幸太選手など好勝負を連発するレスラーが数多くいる中で、この2人だけが“名勝負製造機”という2つ名にたどり着いた。
どんな試合でも相手の力を引き出しつつ、最高の試合を作り上げる。常に観客を喜ばせ続けてきた結果からくる安心感。会社で言うところの「彼に任せておけば大丈夫」の最上級が“名勝負製造機”なのだと僕は思う。
そんな2人が激突しただからまぁ、とんでもない試合になった。
石井「3連敗? それがどうした。それと鷹木、そんなもんな激烈でもなんでもねえんだ。戦う上でこれが当たり前なんだ。てめえとはよ、1回勝った負けたの次元の話じゃねえんだ。わかったか」
1回勝った負けたの次元の話じゃねぇんだ。完全に相手を認めているからこそ言える言葉がある。
これからも続いていく2人の戦いに注目していきたい。
地べたをはいつくばってきた男
メキシコから凱旋帰国した時、新日本プロレスから捨てられたとYOSHI-HASHI選手は語っていた。
あれから8年。デビューから数えると13年目にして完全に覚醒したYOSHI-HASHI選手。
新日本プロレスが誇るベビーフェイスとして好勝負を連発している。
昨日の時点でYOSHI-HASHI選手が優勝する見込みはなくなってしまった。心が折れたり、諦めてしまうような状況でも現状に満足しないことを高らかに宣言した。
YOSHI-HASHI「俺はな、このNEVERの6人のタッグベルト、持ってるだけで、誰が満足するか、バカヤロー! オイ、こんなんじゃ終わんねぇぞ。いいか。地べた這いつくばって(きた)男じゃないとわかんない強さを、見せてやるよ」
YOSHI-HASHI選手は人生ではじめてチャンピオンとして時間を過ごしている。他団体を含めてもベルトの戴冠経験がないレスラー。それがYOSHI-HASHI選手だったのだ。
そんな彼がはじめて王者となった結果、“燃え尽き症候群”どころか新日本プロレスのトップに躍り出つつある。
“地元・広島”に凱旋した内藤哲也選手ではなくYOSHI-HASHI選手がTwitterのトレンドに入ったことからもそれは明らかだ。
以前から持っていた“応援したくなる才能”。ここに自信とコンディションの良さが重なった。
YOSHI-HASHI選手はこっからだ。
久しぶり!【番外編】
最後に少し番外編を。やはり今の新日本プロレスで一番人気のレスラーはKENTA選手なのではないか。
そう思わせてしまうのがバックステージコメント動画の再生回数である。
特出しているなんてものではなく、完全に他のレスラーをぶち抜いてる。
他のレスラーが1万〜2万のところをKENTA選手のみ5万再生。バクステでのKENTA劇場は健在である。
新しい、新日本プロレス
最後はやっぱり昨日のバックステージコメントだろう。YOH選手やタイガーマスク選手、本間朋晃選手らへの熱いメッセージ。
そして、柴田勝頼選手にも言及した。
自分たちが身体をボロボロにして作り上げていた観客動員数が社会情勢で半減。また、経営面でも動きがあるなど、何か辛い現実が起こり得る可能性が出てきているのだと思う。資源は無尽蔵ではない。試合がない選手は極論契約終了の可能性だってゼロではないのだ。
ただ、棚橋弘至選手は絶対に誰も置いていかない。俺が引っ張ると宣言した。その言葉を信じてレスラーと会社、ファンが手を取り合い(エアーで)進んでいく。その先に新しい、新日本プロレスがあるのだと思う。
ケガで休んでる選手、試合数の関係で出れない選手、みんな仲間だから。柴田(勝頼)選手もそうだよ。絶対、誰ひとり置いてかない。絶対、また新しい、新日本プロレスを作っていきたい。(※少し涙声になって)そして……絶対、それは俺、この手でやりたい。やって見せるから。『G1 CLIMAX』、ちょっくら、優勝してきます
棚橋弘至選手たちが作り上げる新しい新日本プロレス。その景色はそれまで以上に美しいはずだ。
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