YOSHI-HASHIが新日本プロレスではじめてベルトを巻く日
YOSHI-HASHIが新日本プロレスではじめてベルトを巻く日。それが今日であると信じ筆を取っている。
“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”からEVIL選手が離反したことで生まれた「NEVER無差別6人タッグ」のトーナメント。
新日本プロレスの各ユニットの代表がエントリーする大会となったが、決勝戦はまさかの“CHOAS”対決となった。
そして、この大会における主役が昨晩決まってしまったのだ。
“ヘッドハンター”YOSHI-HASHI選手。彼の人生にとって重要な日。全てが一瞬で変わる日が今日なのだ。
NEVER無差別6人タッグベルトの価値について考えてみた時に、ずっと一つの課題があった。
ベルトに懸けるレスラーの想い。そして、名物チャンピオンである。
“タグチジャパン”が結成されたあの時(田口隆祐選手、棚橋弘至選手、中西学さん)や真壁刀義選手と矢野通選手が2人で久しぶりにベルトを戴冠し、4度の防衛を飾った時などはその完成度の高さから大きな話題が生まれていた。
ただし、このベルトを...!という気持ちで言えば今回のYOSHI-HASHI選手が一番な気がする。
そして、2人の“兄貴分”後藤洋央紀選手と石井智宏選手も彼に華を持たせようと本気になっている。
これまでのキャリアを塗り変える準備は整った。
誰よりも今日、勝利を目指す男が最高のハッピーエンドを作り出すのだ。
時は来た!それだけだ… #決勝の朝
— 後藤 洋央紀 Goto hirooki (@510njpw) 2020年8月8日
今日の“混沌の荒武者”後藤洋央紀選手は本気である。
今の時代だからこそ勝って欲しい
プロレスにおけるタッグチームとは何か。
新日本プロレスは今回の「NEVER無差別6人タッグトーナメント」を通じて、そんなテーマを僕たちに提示していたような気がする。
棚橋弘至選手が「タッグは難しいね」と語るだなんて、少し前では全く想像できなかったことだ。
久しぶりに“テンコジ”の試合があれば、やっぱり面白いし、日米のヤングライオンが組んでいる構図もやっぱり見応えかある。
今回のトーナメントで見ると、一番エネルギーを発しているのが後藤洋央紀選手&石井智宏選手&YOSHI-HASHI選手組だ。
他のチームには無い何かが彼らにはある。
そこに僕はYOSHI-HASHI選手がこのトーナメントに懸ける想いがあると思っている。
「ベルトを巻きたい」
言葉を選ばずに言えば、オカダ・カズチカ選手と同じタイミングで新日本プロレスに凱旋したYOSHI-HASHI選手だが、その「実績」は比較することすらできないレベルて差が付いている。
オカダ・カズチカ選手は「IWGPヘビー級ベルト」でV12を達成した完全無欠の王者。新日本プロレスの顔である。
一方でYOSHI-HASHI選手は無冠。ベルトを戴冠した経験が一度もない。ただの一度も無いのだ。
1人ではなく、みんなで協力すれば今まで出来なかったことが実現できる。
それを証明するだにも明日、YOSHI-HASH選手は勝たなければならないのだ。
かつて“元CHAOS”の中邑真輔選手はこう語っていた。
「過去と闘って何が悪い!昔を越えようとして何が悪い!未来は俺が作る!生きたいように生きる!なりたい自分になる!それがプロレスラーだろ!以上!」
ついて行きたくなる兄貴感。カリスマ。ロックスター。これがスターの言葉である。
YOSHI-HASHI選手は中邑真輔選手のような言葉は似合わないし、例え言い放ったとしても説得力が出ない。
ただ、彼だからこそ響く彼だけの言葉があることも事実なのだ。
「明日、あとひとつ。このね、あと一歩っていうの、どれだけ程遠かったか、俺はもう身をもってわかってるから。いまこんな不安な世の中、俺もね、プロレスずっと新日本でやってきて、ずっとずっと不安なこともあったし、いま特にすごい、すごい不安だよ。でもね、俺はね、明日、あなた方にですね、夢を見せたいと思っております! 明日の試合後、俺は、この言葉を叫びたいと思います。物事が変わるのは一瞬だー!!」
昭和、平成のヒーローは世界中が不安な時に「大丈夫!」と言い放つことができる存在だった。
ただし、令和の時代で求められるのは“共感”できる存在だと僕は思っている。
新日本プロレスで最も共感性の高い男。それがYOSHI-HASHI選手であるなるば、明日彼が報われることに意味があると思うだ。
そう。本当のハッピーエンドが観れるのは明日の後楽園ホールなのである。
NEVER無差別6人タッグ王者へ
最後に。僕は人生において実力以上にメンタルが大切だと思っている。
先日、柴田勝頼選手が「心技体」ではなく「心技体技」だと語っていたが、やはり「心」が一番最初に必要なのだ。
また、棚橋弘至選手も身体は練習で大きくなるし、技も練習で身につく。大切なのはプロレスラーとしてどうなりたいのか?そこに懸ける気持ちが大切だと語っていた。
YOSHI-HASHI選手はずっと体で悩まされていたのだろう。
明らかにこれまでと自粛明け以降で動きや技のキレが全く違う。
以前はカルマの体制に入った時に体重が軽いジュニアの選手ですら危うい時があった。
それほどまでに怪我に悩まされていたのだ。しかし、彼はプロだ。
無理してリングに上がるのなんて当たり前なのだ。
コンディションが上がらないため、結果が出ない。結果が出ない日々が続くとファンの期待は離れていく。
そんな悪循環が約3ヶ月の時間で解消されたように思う。逆水平のキレや技の入り方への工夫。後藤洋央紀選手との合体技。その全てに準備してきたものが詰まっている。
そして、対角線には“レインメーカー”オカダ・カズチカ選手。2018年7月27日の「G1クライマックス」公式戦ではの試合後、「『いい試合だったね』『よかったね』、あんたはもう、そんなレベルじゃないでしょ」と語った日から約2年。今度は結果が求められる直接対決だ。
いざ、NEVER無差別6人タッグ王者へ。その準備はできている。
“チームこっから”の想いを背負う
高橋裕二郎選手は「物事は一瞬では変わらない。努力あるのみ」だと以前に語っていた。
確かに僕もそう思う。日々の積み重ねがなければ何一つ変えることはできない。
ただし、こういった考え方もできる。
物事は一瞬では決して変わらないが、何かが変わるのは一瞬だ、と。
今日、YOSHI-HASHI選手がベルトを戴冠する事で『NEVER無差別6人タッグベルト』には新しい価値が付与される。
彼が初めて巻いた新日本プロレスのベルト。その意味はあまりにも大きいと僕は思う。
今晩、「CHOAS」対決の後、リング上でどんな光景が広がるのか。後楽園ホール4連戦のエンディングは一体どんな景色になるのか。
“チームこっから”の仲間たち(棚橋弘至選手、本間朋晃選手)を破って勝ち上がったYOSHI-HASHI選手が物事を変える瞬間を楽しみに待ちたい。
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